【 仕入れ担当 中村より 】
まずお品がございません…。
涼味ある「シャリ感」と「透け感」が、
数ある夏織物のなかでも人気の高い夏大島…
今回はなんと夏物のベタ亀甲大島を仕入れて参りました。
しかもお探しの方も多いことでしょう。
泥染の大島ではなく、なんと白大島。
そして160山亀甲の極上品…
洗練された通の着姿を…。
ひと通りの柄大島を着尽くしてこられた通の方にぜひご覧いただきたく存じます。
実は夏の白大島のベタ亀甲は、弊社でのご紹介はこれが初めて。
袷物の白大島ベタ亀甲は何度もご紹介させていただきましたが、
すぐにご縁をいただき、売り切れになってしまいます。
お問い合わせも多くいただきますので、
問屋周りをしている中で探しておりますが、中々出会うことができません。
そんな中、今回のお品を見つけて参りました。
織り子さんに嫌われるベタ亀甲の中でも
さらに敬遠される白大島、それも160山亀甲のお品ともなれば…
今ではほとんど製作もない希少なお品でございます。
どうぞお見逃しなくお願い致します。
【 色柄 】
絹地の風合いは、夏の透け感も備えつつ大島らしいシャリ感のある地風。
スルリと肌すべりの良い触感は、他のどんなお着物にもない
大島特有の肌心地の良さがございます。
さらりと爽やかな白を基調にして、一面に亀甲が織りなされて。
160山亀甲…。
一つ亀甲が3mmにも満たない非常に細やかな絣です。
ただひたすらに亀甲絣を織りなしていく。
織り進めていてもお柄がでてくる訳ではでございません。
本当に気が遠くなるほど。
大島紬が世界最高峰の絣技術を持っていると言われるのも納得でございます。
大島は一生ものとして、是非こだわりの一枚を見つけていただきたいおきものです。
母娘代々にわたり、受け継ぐおきものとして、是非上質な一枚をお選びくださいませ。
【 白大島について 】
知的なセンス感じられるおきもの、白大島。
大島紬のなかでも白大島には、独特の、特別な魅力があるように感じられます。
ところが白ゆえに…最近では創作数も減ってきております。
織り元に依頼しましても、汚れのつきやすい白大島は敬遠されるとのこと。
技術力、デザイン、構成、全てに満足できるような、
本当に良い白大島に出会うことが難しくなりました。
問屋さんまわりをしておりますと、呉服屋さんの方でしょうか、
時々はっとするほど素敵に白大島を着こなしていらっしゃる方に出会います。
『白大島紬をお召しの方は、三枚以上大島紬を持っている人』―
こう言われるように、通の方ほど必ず一枚は欲しくなるものが白大島でございます。
たて糸、よこ糸にすべて絣くくりで絣糸に整え、1mmにも満たない世界の中で、
絣合わせされた手織りの大島紬。
高機による手織りで一糸一糸丹念に織り上げられます。
一反織り上がるのにシンプルな柄のものでも一ヶ月、
凝った柄行のものでしたら数ヶ月の歳月を織りに要します。
数センチ織り上げては経糸を緩め、一本一本針で絣をあわせていく…
ご存知のように、大島紬は全工程がすべて手作業です。
図案から製織まで6ヶ月から1年近くかかり、また独特の技術を多く用いるため、
絣作りから製織時の絣合わせ、部分解きによる色のすり込み等、
大変な苦労が一反一反に込められています。
【 160山ベタ亀甲大島紬について 】
160山の亀甲ともなると一つの亀甲は3mmにも満たない大きさです。
ベタ亀甲や蚊絣などのお品は織り子さんから敬遠されるといいます。
それもそのはず、お柄はシンプルな絣模様。
細かく見づらいの中でただひたすらに絣を合わせて織っていく。
大変根気のいる作業です。
中でも本品のような絣が多いお品は特にその苦労も増え、簡単にできるものではございません。
絹100%
長さ約12.5m 内巾約38.5cm(裄丈73cmまで)
本場大島紬織物協同組合の証紙、経済産業大臣指定伝統的工芸品の証紙がついております。
◆最適な着用時期 5月下旬~6月、9月~10月上旬の単衣頃
6月下旬~9月上旬の盛夏
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、食事会、街着など
◆あわせる帯 夏のおしゃれ袋帯、九寸名古屋帯、八寸名古屋帯、半幅帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。