【仕入れ担当 田渕より】
手仕事の美しさ、もはや幻となりつつある布…
山下八百子氏による綾織・市松の極上品。
その美しさ故、迷いなく仕入れて参りました。
心を込めて、お届けいたします。
どうぞお見逃しなきようお願い申し上げます。
【お色柄】
しゅっとした絹なり、独特のハリ。
しなやかでいて頑健性の高いその生地。
本品では上記の刈安、まだみ、椎を使用して織りなされた八百子氏が得意とされた綾織。
市松文様がふうわりと浮かび上がります。
シンプルでありながら、滲み出る奥ゆかしさに、
思わず誰しもが振り返ることでしょう。
【状態について】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【黄八丈について】
草木染め。
八丈島で育った草木や樹皮を採集することからその作業は始まります。
ご存知のように黄八丈は、
黄染(八丈刈安)樺染め(マダミの樹皮)墨染(シイの樹皮)にて、
その鮮やかさ、艶やかさを感じさせる独特の金茶や鳶色を表現します。
その色糸かできるまでの手間暇は並大抵のものではございません。
そして、自然の恵みの染料で染めあげたその糸を丁寧に丁寧に手織りし、
一見柄行としてはシンプルながらも味わい深い表情の絹地に仕上げていきます。
八丈島でつくられる黄八丈は、
天然素材の上、その強固な染めと織は親子三代で色褪せないと言われています。
江戸の時代から、町人の粋な着物としてもてはやされ、
その色合いの美しさや丈夫さが愛されてきた黄八丈。
なかでも山下八百子さんのお品となりましたら、これ以上のものはございません。
【山下八百子について】
2009年12月14日、
染織家であり東京都名誉都民であられた山下八百子(やましたやおこ)氏が、
89歳にて、長き人生を終えられました。
八丈町の染色技法「黄八丈」の保存・継承に努め、
1986年に東京都指定無形文化財工芸技術の保持者に認定、
2002年には名誉都民表彰を受けられた黄八丈の第一人者でございます。
黄八丈全体の年間生産反数は限られ、
ましてや山下八百子さんの作品はもはや美術品と同格、
入手もどんどん難しくなっております。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈165cm(適応身長160cm~170cm) (4尺 3寸 6分)
裄丈69.5cm (1尺 8寸 3分) 袖巾35.5cm (9寸 4分)
袖丈49cm (1尺 3寸 0分)
前巾24cm (6寸 3分) 後巾30cm (8寸 0分)
◆八掛の色:黃唐茶色
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 現状が最大寸法です。
お気軽にお問い合わせくださいませ
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お稽古、芸術鑑賞、観劇、おでかけ、お食事、趣味のお集まりなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。