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茶師  山北祐士さん【YouTube連動・体験編】「紗月がみつけた!和の新風」vol.2

茶師 山北祐士さん【YouTube連動・体験編】「紗月がみつけた!和の新風」vol.2

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日本緑茶発祥の地で生まれ育った茶師・山北祐士さんに、紗月さんがインタビューする後編。日本茶の価値を高めるべく、ハーブやスパイスなどを調合したブレンド茶をいただきます。はたしてそのお味は……?

2023.04.25

まなぶ

茶師 山北祐士さん【YouTube連動・インタビュー編】「紗月がみつけた!和の新風」vol.1

お茶業界の全国大会優勝!の茶師のお茶に舌鼓

MCの紗月さん

世界中の人々から愛される和の文化が集結する京都。そこには伝統を守りつつ、新しい風を吹かすべく挑戦し続けている方々がいます。

「紗月がみつけた!和の新風」は、伝統文化の新たな担い手たちにその活動内容や決意をうかがうYouTube連動企画。

祇園甲部の元人気芸妓・紗月さんがMCを務めます。

前回、紗月さんが足を運んだのは、日本緑茶発祥の地として知られる京都・宇治田原町

その南東部に位置する湯屋谷で生まれ育った茶師の山北祐士さんにお話を伺いました。

舞台は湯屋谷の観光交流拠点施設『宗円交遊庵やんたん』

舞台は湯屋谷の観光交流拠点施設『宗円交遊庵やんたん』

大学在学中に、地元で作られた玉露の美味しさに衝撃を受け、お茶の世界に踏み込んだ山北さん。

取材翌日に開催された”お茶業界の全国大会”とも言える「第94回 京都府茶審査技術競技大会」では見事優勝されるとともに、農林水産大臣賞も受賞されています。

今回は、全国茶審査技術七段や京都府茶審査技術五段など、確かな目利きの技術を持つ山北さんのブレンド茶を試飲します!

宇治田原町の茶畑にて、上田紬をお召しの紗月さん

宇治田原町の茶畑にて春らしいコーディネートの紗月さん
着物:信州 上田紬 伝承上田つむぎ 帯:京友禅塩瀬名古屋帯「桜」

ブレンド茶で、日本茶本来の価値を高めたい

茶師の山北祐士さん

茶師の山北祐士さん

”日本緑茶の父”と呼ばれる永谷宗円(ながたにそうえん)が生まれ育った宇治田原町で、年に一度開催される「新茶まつり」。

そこで玉露のおいしさに魅せられた山北さんは、大手日本茶メーカーに就職。その後、京都の老舗茶問屋で修行したのち、2017年5月に茶師として独り立ちしました。

現在は日本茶の魅力を伝えるワークショップや教室を開くかたわら、自身のオリジナルブランドを立ち上げ。その名も、自身の名字である“山北”を反転させたHokuzan』です。

こちらが、山北さんのブランドで展開されている商品。

山北さんが代表を務める『Hokuzan』のブレンド茶

山北さんが代表を務める『Hokuzan』のブレンド茶

緑茶にレモンやジンジャー、シナモンなどのスパイスやハーブをブレンドした『Moi』シリーズと、『かぶく』シリーズです。

創業何百年の老舗茶屋が軒を連ねる京都で、新参者である自分にできることは何か……

そう考えた結果、ブレンド茶で新たな日本茶の楽しみ方を提案するという結論に至った山北さん。

日本では飲食店などでも無料で出されることが多くとりわけ身近なものであるお茶に、ハーブという付加価値を持たせることで、お茶そのものの価値を高めたいという想いもありました。

茶師の山北祐士さん

また紅茶感覚で飲めるので、和菓子だけではなく、ケーキやクッキーなどの洋菓子にも合わせられるのもブレンド茶の魅力。

急須や湯のみがないご自宅も増えていますが、山北さんがブレンドしたお茶はどれもティーバックになっているので問題ありません!

山北さんも、「普段は自分自身も、好きなティーバッグをマグカップで淹れて一日中お茶を楽しんでいます」と語ります。

そんな山北さんのブレンド茶を早速いただいてみましょう。

どんな味がするのか、紗月さんの心もワクワクです!!

山北さんにブレンド茶を淹れてもらう紗月さん

ブレンド茶の無限大の可能性

最初に淹れていただいたのは、宇治茶にレモンを合わせた『かぶく』シリーズのブレンド茶。ちなみに『かぶく』というのは歌舞伎の語源で、「世間の常識にとらわれず、我が道を行くこと」を意味します。

伝統ある日本茶と海外で生まれたハーブやスパイスなどを合わせたブレンド茶は、まさに、かぶく。

そこに、お茶の種類や産地を飲み当てる遊び「茶香服(ちゃかぶき)」のダブルミーニングを持たせた名前となります。

ティーポットにお湯を注ぎ、良い色が出てきたところで『Hokuzan』オリジナルのマグカップで試飲。

まずはカップから湧き上がる香りを楽しみます。

ブレンド茶を試飲する紗月さん

まずは香りを

ブレンド茶の味に驚く紗月さん

ひとくち口にして、ぱぁっとこちらの表情

レモンに日本茶って合うのかな……?と半信半疑だった紗月さんもこの表情。

「ハーブの柑橘感もあり、でも味は緑茶で不思議!」と初めて味わったブレンド茶の感想を伝えてくれました。

あくまでも主役はお茶で、ご飯に合う漬物のような感覚でハーブやスパイスを調合しているという山北さん。

なかでもレモンの爽やかさが特徴のこちらのブレンド茶は、肉料理など、こってりとしたものにも合うそうです。氷で冷やしてアイスで飲むのも◎。

次は大好きなシナモンのブレンド茶を試飲

続けていただいたのは、紗月さんがトーストにかけるくらい好きだというシナモンと宇治茶のブレンド茶

「よく、”八ツ橋とお茶を一緒に飲んでいる感じ”と言われます」

と山北さんが語るこちらは、さっぱりとしたレモンとは対照的にほっこりとしたお味。クッキーやフィナンシェなどの焼き菓子とも相性が良さそうです。

ちなみに、今回は『かぶく』シリーズのブレンド茶をいただきましたが、フィンランド語で「こんにちは」を意味する『Moi』シリーズもおすすめ。

フィンランド人のデザイナーさんが手がけたパッケージがかわいらしいので、誰かにプレゼントするのも良いのでは。

山北さんと“Moi”シリーズ
『Hokuzan』公式ホームページ

ご購入は、『Hokuzan』公式ホームページのオンラインショップから。京都市内のいくつかのホテルでは、ウェルカムドリンクとして室内で提供されている他、マルシェにも出展されているそうです。

日本茶に見出すふたつの希望

最後に、山北さんにとって”日本茶とは何か?”を伺いました。

色紙に書かれた「希望」のふた文字

色紙に記されたのは、「希望」の文字。そこには、日本文化の中枢をなす日本茶にふたつの希望を抱く山北さんの想いが込められています。

「いま海外に広まり、人気になっている日本茶は、停滞感のあるこの国のひとつの希望。

またあわせて、自分自身が日本茶と向き合いながら希望を持ってこの道を歩んでいきたいという気持ちから、希望という文字を書かせていただきました」

日本茶への思いを語る山北さん

全2回にわたり、現在の道に進むきっかけを与えてもらった玉露や、伝統と革新が融合するブレンド茶をいただきながら、山北さんの日本茶にかける想いに迫った今回の取材。

MCの紗月さんはどんなことを考えたのでしょうか。

お話を伺う紗月さん

「山北さんの人生を決めるきっかけとなった玉露。とても美味しくてまだ口に残っています。

日本茶のおいしさと、山北さんが日本茶に込める想い、愛が海外にも伝わっていくといいなと思いました

山北さんは5月24日(水)に、東京丸の内のKITTEビルにおける京都きもの市場の展示会で茶香服(ちゃかぶき)のイベントも開催。

2回のイベントは募集開始早々に満員御礼となってしまいましたが、ぜひ会場まで、山北さんに会いに行かれてはいかがでしょうか。

最後に山北さんとツーショット

紗月さんファン必見!オフショット

改めてキレイ色の上田紬がお似合いだった紗月さん

あらためて、キレイ色の上田紬がお似合いだった紗月さん
着物:信州 上田紬 伝承上田つむぎ 帯:京友禅塩瀬名古屋帯「桜」

真剣な表情で台本を読んでいます

真剣な表情で台本を読んでいます

いよいよ撮影がスタートです

いよいよ撮影がスタート!

玉露でほっと一息

玉露でほっと一息

ブレンド茶はラインナップが豊富でどれを試飲するか迷いました

ブレンド茶はラインナップが豊富。どれを試飲するか迷いました!

ブレンド茶は「美味しい!」と思わず声が出る味わい

思わず「おいしい!」の瞬間の表情

とびきり笑顔の紗月さん、どんな話をしていたのでしょうか

とびきり笑顔の紗月さん、どんな話をされていたのでしょうか

山北さんのあったかいお茶と日本茶にかける思いで心も体も温まる取材に

山北さんのおいしいお茶と日本茶にかける想いで、心も体もあたたまる取材に

自然豊かな宇治原町湯屋谷、とても良い場所でした!

自然豊かな宇治原町湯屋谷、とても良い場所でした!

撮影/弥武江利子

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