商品番号:1559551
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
滑らかな塩瀬の質感に、ヴェールを纏ったようなやさしい色調と筆致。
無線友禅によって染め上げられた
塩瀬の九寸名古屋帯のご紹介です。
染料の濃淡とぼかしだけで描かれる無線友禅は、
まるで水墨画や日本画のような詩情を帯に宿します。
透明感と静謐さを兼ね備えたその佇まいは、
和姿に美しい余韻と洗練を添えてくれるでしょう。
お目に留まりましたらどうぞご覧くださいませ。
【 お色柄 】
ぽってり滑らかな手触りの塩瀬地。
その地を淡い桜色に染め、
格子を背景に唐花と楓の意匠が描かれました。
輪郭を持たない花々は、霧の中にふわりと浮かぶような表現で、
どこか幻想的な印象を与えます。
柄の主張を抑えつつも、染めの技法と色調の妙によって装いに奥行きをもたらします。
無線友禅ならではの静けさと情緒を、ぜひその手でお確かめください。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 無線友禅について 】
日本画のような独自の気品ある味わいと重厚さを表現するために、
日本画そのものと同じような工程を歩む「無線友禅」。
絹地をまさにシルクのキャンパスとして、生地に水分を含ませ、
お柄部分を避けながら背景の地色を何度も塗りこんでゆき、
その後にお柄を仕上げ浮き立たせて、少しずつ少しずつ色を重ねて創作されます。
友禅やロウケツ、その他の技法とは異なり、お柄の輪郭はございません。
染料の水分をそのまま生地上に留めたような薄色は、限りなく優しくソフトに。
何度も重ねることで生まれる深い奥行き広がる濃色は、
落ち着いた重厚な趣きを感じさせてくれます。
ふんわりと霞がかかったような…
くぐもったお色に包まれて、そっと浮かび上がる独特の佇まい。
他の技法では決して表現できないものでございます。
【 京友禅について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1976年6月2日指定)
京都府知事指定伝統工芸品
京都の伝統工芸品の1つで古来の染色技法を
扇絵師の宮崎友禅斎が大成したもの。
元禄時代に京都で生み出された友禅技法で
日本三大友禅(京友禅、加賀友禅、
江戸(東京)友禅)の1つ。
「糸目糊」という糊を用い、筆で色付けする際に
滲んで色移りすることを防ぐ防染技術が用いられており、
基調の色が決まっておらず、当時の公家や大名好みの
デザインに多彩かつ鮮やかな色合いや金銀箔、刺繍などが
用いられた絢爛豪華、かつひときわ華やかな印象のものが多い。
明治時代には化学染料と糊で色糊を作り
型紙によって友禅模様を写し染める「写し友禅染め」が
友禅染めの中興の祖と称えられる廣瀬治助によって
発明され、「型友禅」として大量生産が可能となった。
量産できるようになった友禅染めは一気に普及し
飛躍的な発展を遂げ、昭和51年6月(1976年)には、
経済産業省指定伝統的工芸品として指定を受け、
現在も世界中から高い評価を得ている。
絹100%
長さ約3.75m
お太鼓柄
※パールトーン加工済み
◆最適な着用時期 袷・単衣 <盛夏以外(6月末~9月上旬以外)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、お稽古、お出かけ、街歩き、お食事など
◆あわせる着物 付下げ、色無地、小紋、織の着物など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワがついております。この点をご了解くださいませ。