【 仕入れ担当 岡田より 】
布地に平面的にお柄をあしらう『染』。
先染めした糸を経緯に張り巡らせ布と成す『織』。
そして…その染とも織とも異なる表情を持つ『刺繍』―
世界各国、様々な地域で、様々な時代に生み出された
糸と針を持って布に柄を繍とる技法。
そんな刺繍に魅せられた方は多いのではないでしょうか?
本コーディネートではそんな刺繍の中から
繍のいち技法である『汕頭(スワトウ)刺繍』を題材にいたしました。
汕頭刺繍は相良(さがら)、蘇州(そしゅう)に並ぶ
中国三大刺繍のうちの一つ。
その独特の表情から『ドロンワーク』や『カットワーク』、
『オープンワーク』などとも呼ばれ、切り抜き技法で
透かしを表現するとても手の込んだ刺繡技法。
この「透かし」の美しさから根強い人気があるのですが、
近年その難易度の高さから生産数が減少傾向にあります。
【 商品の状態 】
お着物につきましてはやや使用感はございますが、
中古品としてはおおむね良好な状態でございます。
帯につきましては着用済のお品として仕入れて
まいりましたので締め跡やたたみジワがございます。
結んだ際に気になるような汚れはございません。
※帯締め、帯揚げにつきましては新品のお品を
お見立てさせていただいております。
【 汕頭(スワトウ)刺繍について 】
相良(さがら)、蘇州(そしゅう)に並ぶ
中国三大刺繍のうちの一つ。
中国の広東省東部にある汕頭地方で
受け継がれてきた刺繍技術。
キリスト教の宣教師たちがヨーロッパの感性と
技法を汕頭に伝えたのがはじまりである。
隙間を開けて飾り糸を施すことから「絹の彫刻」
とも呼ばれ、生地を直接はさみで切り、糸を
引き抜くため、失敗が許されず、職人にとって
集中力が求められる刺繍技法。
主に二種類の方法があり、
抽綉(ツオシュウ):織り上がった生地の経糸、
横糸を数本引き、空間を開け飾り糸を通す技法
拉綉(ラシュウ):抽綉と同様に、生地の両サイドに
はさみを入れ、糸を引き抜くが抽綉ほど糸は引かず、
飾り糸を施す段階で空間を広げる技法
いずれも生地が丈夫でなければ行うことができず、
生産数は少ない。
【 着物 】
表裏:絹100% 縫製:手縫い
※カラー胴裏仕立て
※ガード加工済のタグが縫い付けられております。
【 袋帯 】
絹100%・金属糸風繊維除く
長さ約4.35m(お仕立て上がり)
柄付け:お太鼓柄
耳の縫製:かがり縫い
【 帯揚げ 】
素材/絹100%
長さ/約170cm 巾/約30cm
【 帯締め 】
素材/絹100%
長さ/約160cm(房を含まず) 巾/約13mm
切り房
身丈(背より) | 152cm (適応身長157cm~147cm) (4尺0寸1分) |
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裄丈 | 64.5cm(1尺7寸0分) |
袖巾 | 33cm(0尺8寸7分) |
袖丈 | 49.2cm(1尺3寸0分) |
前巾 | 21.2cm(5寸6分) |
後巾 | 28cm(7寸4分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈67cm(1尺7寸7分) 袖巾35cm(9寸2分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルよりの格式のパーティー、芸術鑑賞、ホテルランチ など
◆あわせる帯 洒落袋帯、カジュアル向きのデザインの綴れの名古屋帯 など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。