【仕入れ担当 田渕より】
今回ご紹介のお品は、龍村らしさこの上ない龍村裂の京袋帯。
おきもの好きの方でしたら、すぐに龍村とお分かりいただけることでしょう。
お太鼓部分は比翼仕立てとなっており、一重太鼓ですが、
締めると袋が二重になり、袋帯を締めたように見えます。
裏も開き仕立てに仕立てあげられて、高級感あふれる仕上がりとなっております。
百貨店などでご覧になられた方もいらっしゃることと思います。
お目に留まりましたらどうぞご覧下さいませ。
【お色柄】
「獅子狩文錦」と銘打たれた本品。
法隆寺に伝わる国宝「獅子狩文様錦」は「四天王紋旗錦」とも呼ばれています。
ササン朝ペルシャの典型的文様構成である、連璧円文内に中央の花樹を境とした左右対称の構図をもち、
ペルシャ風の四人の騎士が有翼の駿馬を御し、飛びかかる獅子を射ようとする活動的な文様で、いわゆる狩猟文様と称される図形です。
本品は、その獅子狩文様錦の変形で、花樹を除き、ペルシャ騎士を一人にし、
獅子を一頭にして、円文の四隅には華麗な華文を配し、新しい構図により経錦の織法で織り出したものであります。
―龍武美術織物より
しなやかに織りなされた帯地は味わい深い蘇芳香色。
お柄は紺、緑などを用いて味わい深い面持ちに仕上がっております。
心に染みる和の色彩、気品薫る仕上がり。
抜群の構図、色彩センスは流石でございます。
伝統と歴史。
奥深い魅力あふれる美術織物を、素敵なおきもの姿にご活用ください。
色無地、付下げ、小紋から、織りのおきものにもコーディネートいただけます。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【龍村美術織物について】
龍村美術織物は、染色工芸に対する功績により、
美術院恩賜賞を受けた初代龍村平蔵の創業に始まります。
古代織物の研究、及びそれを基盤とする織物美術創作の伝統を受け継ぎ、
世界的に認められる美術織物を世に送り出しております。
【経錦について】
経錦とは、何色もの彩色を用い紋様を織り出す、
錦の中でも最も古い歴史を持つ織物です。
中国より渡来し、7~8世紀の飛鳥・奈良時代の
遺品は、法隆寺や正倉院に伝えられています。
経錦の技法は、経糸によって地の文様も織り出されて
いる錦です。つまり、三色の配色によるものであれば
三色三本の経糸を一組として、これが互いに
表裏浮き沈み交代して、地や文様を織り出しています。
絹100%
長さ約3.6m
全通柄
※額縁、太鼓比翼仕立て
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お茶会、音楽鑑賞、観劇、女子会、街着、お稽古など
◆あわせる着物 付下げ、色無地、小紋、御召など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。