伝統的な意匠を織り出した… 袋帯のご紹介です。
かつて一日千両がゆきかったという西陣中の西陣、千両ヶ辻と称される界隈は、
織りの名匠や織に精通した織り商人が競ってここに集い、
ひとときも休むことなく技の頂点が競われ続けていたところです。
京都西陣織りの歴史は、そのまま日本の染織文化を語るものであり、
この地で磨きあげられた技と文様は日本を代表する織の文化遺産ともいえましょう。
この西陣伝統文様傑作選集「千両ヶ辻紋」の帯は、千両ヶ辻の名を敬称するにふさわしい正当の匠を厳選し、多様な織と文様の最高峰を一堂にあつめた偉大なコレクションです。
八世紀の頃、平安遷都とともに京に入り織部司として朝廷の衣裳を製織した西陣織の祖ともゆうべき人々の命脈を伝える織匠老舗の証と誇りをもって、ここにお届けいたします。
織り上げたのは人気機屋の鹿子井山田(かのこいやまだ)。
明治初期に世界の織物の中心だった、フランス・リヨンにて、
近代織物を学んだ山田九蔵氏によって興された鹿子井山田は、西陣の名門であり、明治39年(1906)創業の老舗機屋さんです。
その敷地内には、京の名水に数えられる「鹿子井」があります。
そのこんこんと湧き出る清冽な泉のごとく…鮮やかで美しい帯を世に送り出す機屋たらんという願いを込めて「鹿子井山田」と称されたそうです。
以来工芸帯ひと筋の、創作活動に励んでおられます。
いぶしたような銀の引箔の帯地に、
調和のとれた彩りを用いて、格子に花模様があらわされております。
様々な着用シーンに違和感なく溶け込む意匠の妙。
まさに鹿子井ワールドなひと品と言えましょう。
訪問着から色無地などとのコーディネートでお楽しみください。
長くご愛用いただけますと幸いです。
どうぞこの機会をお見逃しのないようお願いいたします。
絹100% 指定外繊維以外
長さ約4.35m(お仕立て上がり時)
西陣織工業組合証紙No.76 鹿子井山田謹製
おすすめの帯芯:綿芯「松」
耳の縫製:袋縫い
六通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 式典、初釜、パーティー、ご挨拶、ご入卒・七五三のお付き添い、音楽鑑賞、観劇、など
◆合わせる着物 訪問着、付下げ、色無地など