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明朗と艶美のギャップが魅力! 先斗町・市結さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.7

明朗と艶美のギャップが魅力! 先斗町・市結さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.7

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京都の寺社仏閣や芸舞妓さんの写真で注目を集める写真家・小見直人さん。日々更新される彼の作品から、きものと版「令和の花街図鑑」をお届けします。今回ご登場いただくのは、舞妓時代に牛乳石鹸のポスターで注目を集めた先斗町の市結さんです。

よみもの

「令和の芸舞妓図鑑」

市結さん01

市結いちゆう

 出身地:大阪府
  屋形:先斗町・勝見
見世出し:2015年4月10日
ひとこと:引き取った保護猫と暮らしています。人が怖くてなかなか懐いてくれないけど、ほんまに可愛いおす。靴下を履いてるような柄なので名前「足袋」どす(笑)。

市結さん05
市結さん06

ご本人コメント

去年の晩夏に先斗町の「丹鶴」さんで撮影させてもうたときは、絽のお着物を着ました。暑おすけど、夏は黒が涼しげに見えるので、意外とよく着ます。

薄い紫色に流水紋の単衣(下掲)は、初夏に渉成園で撮影したときのもの。着物の紅葉柄と帯締めの色を合わせてみました。小物でコーディネートにアクセントを出せるのは、お着物の愉しいとこどすね。

うちが舞妓さんになりたいと思たのは、中学生の頃。知人に連れられて「鴨川をどり」を観たのがきっかけで、日本の伝統文化を残していけるお仕事に携われることに憧れました。

入ってすぐの16歳の頃に、牛乳石鹸さんのポスターに起用していただいたんどす。まだ右も左もわからないうちに「牛乳石鹸の子やね」と周りのみなさんが声をかけてくださったり、とてもうれしかったのを覚えています。いい経験をさせていただきました。

市結さん07

「後ろ姿に郷愁があって大好きな一枚。やはり舞をされている方は、すぐに情景を思い浮かべて演じてくださるので、ストーリーを感じさせてくれますね」(小見さん)

市結さん09

堂々とした姿を捉えた瞬間。「お話し中は茶目っ気たっぷりなのですが、このときばかりは近寄り難いオーラが出てました」(小見さん)

市結さん10

裾のドレープが、描かれた観世流水文様と重なり美しい立体感に。一般の着物ファンも参考にしたい匂やかな色合わせ

市結さん08

手拭い越しに隠し切れない色香が漂う一枚

撮影後記

お仕事で何度かご一緒したことはあったものの、ゆっくりお話しさせてもらうきっかけになったのはこの撮影でした。いきなり打ち解けてくださるような彼女特有の明るい雰囲気で、あっという間に会話が弾み撮影も楽しく進みました。まだ芸妓さんとしては若手だし、話せばめちゃくちゃ面白い関西ノリなのに、撮影になるとこちらの意図を汲み取ってポーズやシチュエーションをキメてくださるので、そのギャップに驚かされるばかりでした。

特に『祇園小唄』という五花街定番の曲の撮影においては、ラジオカセットを音源に撮影していたところ、急に曲調が変わって知らない曲が鳴り出して、「あれ? 機材トラブルか? 止めようかな?」と思ったのですが、市結さんはそのまま踊ってるのでこちらも続けて撮影してたら、なんやかんやで自然な感じで曲が終わったんです。

後で聞いたら、先斗町さんでは『祇園小唄』の前半と『鴨川小唄』という曲の後半を続けて演じるのが定番だというお話でした。

市結さんはスッと踊ってられたのですが、実は僕のキョドってる感じが面白くて、笑いを堪えながら演じてられていたとのこと。終わってからめっちゃ大笑いされてました(笑)。そんな、なんとも“スカっとした”愉快なお方です。

2023.01.30

よみもの

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インタビュー

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