商品番号:1520523
(税込)
【 仕入れ担当 渡辺より 】
織のお着物ファンに人気の黄八丈、
その中でもちょっと珍しい地色の
平織りによる着尺のご紹介です。
織物に詳しい方でしたら…
お気づきの点があるかと存じ上げます。
八丈の三原色ともいえる『黄・樺・黒』の色彩。
この三色を組み合わせ、色の濃淡を変えて
織り上げられたものが黄八丈の基本でございますので、
灰、茶に準ずる濃淡、刈安を淡くした橡、香系以外の
色味が入っておりますものは、おおまかには別の産地で
八丈に似せて織り上げられたもの…と認識されております。
本品をご覧いただきますと、縞を構成する経糸に
オフホワイトの糸が織り込まれておりますので、
初見で別の産地のものではないかと思ったのですが、
付属証紙には八丈で織られた旨、そして本場黄八丈である旨が
しっかりと記述してございます。
これは…どういう経緯のものか。
証紙に記載されておりました『近藤傅別織』をキーワードに
染織研究の資料を開き、お調べいたしましたところ、
日本橋の呉服問屋である近藤傅商店が1962年(昭和37年)8月から
1963年(昭和38年)3月までの期間に八丈島黄八丈品質保存会と
取引を行い平織の反物372反の取引を成立させたとのこと。
この資料から、本品はその平織372反のうちの1つかと存じ上げます。
現在の黄八丈の証紙ではございませんが、
紛れもなく八丈島で織り上げられたお品。
ハリとコシのあるしっかりとした地風に、
すっきりとした格子柄で、中々お見かけしない
灰みが強いくすんだ地色で、黄八丈の基本三色の黄、
黒、鳶ではない変わった彩りのお品をお探しの方に特におすすめ。
帯合わせもしやすくカジュアルシーンに末永く
重宝して頂けることでしょう。
【 お色柄 】
やや厚みのある、しっかりとした地風の
茶鼠色地に、まだみによる樺茶、八丈刈安による
濃い辛子色、オフホワイトの彩りの格子が
リズミカルに織り出されております。
【 商品の状態 】
問屋長期在庫処分品によるアウトレット品としての入荷です。
古い規格で短尺であること以外は目視した限りでは
めだつ大きな難などは見受けられませんでした。
(※画像の黄色矢印の幅は1cmです。)
ご了承の上、お値打ちにお求めくださいませ。
【 黄八丈について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1977年10月14日指定)
八丈島に伝わる草木染めの絹織物
その歴史は古く800年以前から納税品として納められ、
八丈島の名は「八丈織」から取られたとも言われる。
現在では後継者が少なく、黄八丈技術保存会が発足され
その技術者の保護にあたっている。
代表格である黄色の黄八丈の他に、黒を主にした
「黒八丈」、樺色を主とした「鳶八丈(とびはちじょう)」
がある。「ふしづけ」や「あくつけ」、「泥つけ」と
呼ばれる染めが特徴的で、糸染めに使う色は八丈刈安
(学名:コブナグサ)の黄、マダミ(学名:タブの木)の樺、
椎の木と泥染めを用いた黒の三色が主だった色で、八丈島の
厳しい自然の中で得られる染料が三色に限られた事に由来する。
製織には地機(じばた)が使われたが、現在はほぼ
高機(たかはた)による製織である。
伝統的な技術・技法
・先染めの平織り又は綾織りとする。
・よこ糸の打ち込みには、手投げ杼(てなげひ)を用いる。
・染色は、手作業による浸染とする。
※この場合において、染料は、コブナグサ、タブノキ又は
シイを原料とする植物性染料とし、媒染剤は木炭又は泥土とする。
他の地方で織られた類似品に米沢八丈、秋田八丈がある。
孤島で織られる着物好きの終着点。
絹100%
長さ:約11.6m
(※145cm以上のご寸法をご希望の場合要お見積り)
内巾:約35.5cm(最長裄丈約67cm 袖巾肩巾33.5cm)
※素材の性質上、フシによる凹凸組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
【 付属証紙 】
黄八丈の証紙(生産工房の証紙)
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、ご友人との気軽なお食事、街歩き など
◆あわせる帯 お洒落袋帯、九寸名古屋帯、八寸名古屋帯、半幅帯 など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
[ 袷 ]
地入れ3,300円+※胴裏8,250円~+八掛8,800円+お仕立代28,600円(全て税込)で承ります。
[ 単 ]
地入れ3,300円+衿裏2,200円+お仕立代28,600円(全て税込)で承ります。
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)
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