【仕入れ担当 田渕より】
その繊細な絣技術。
その暖かな真綿の質感。
残念ながら証紙は残っておりませんでしたが、
この特有のふっくらと軽やかな風合い…
百貨店タグも付いた紛れもない本場結城紬をお値打ちにご紹介させていただきます。
お色柄】
ほっこりとした結城紬特有の風合い。
地色はシックな黒色で、
亀甲絣と蚊絣を雪輪に込めて織りだしました。
お柄の雪輪がさりげないアクセントとなりセンスを底上げしてくれます。
織り手さんや絣を括って糸を染める職人さんの根気が伝わってくる、
確かな織物という美術工芸品。
洗い張り、仕立て直しを繰り返し、母から娘へと世代を超えて。
末長くご愛顧いただきたい逸品でございます。
どうぞ大切に…
歳月を経ることで生まれる織のなじみを、肌奥にしっかりとご堪能くださいませ。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【本場結城紬について】
日本三大紬に数えられる茨城県の伝統織物です。
糸づくりでは、蚕の繭からつくられた袋真綿を「つくし」と呼ばれる台にからませ、
この一端より職人が指先の魔術で糸を引き出します。
右手の指で内側へ糸を捻り、さらに左手で捻り戻しをいたしますので、
糸自体は平糸になって撚りがかかっておりません。
これが着れば着るほど風合いの良くなる結城紬の秘密です。
また、絣括りは経糸・緯糸を別々に目印の墨付けをして、木綿の糸でしっかりと絹糸を括ります。
括りが弱いと染料が括りの中に入り、綺麗な絣糸にはなりません。
地機の織り技法では、経糸の片側を機にとめ、
もう片側の手前の部分を枠に、きちんと糸を整列させた紐状のものを織り手さんの腰に巻きます。
経緯ともにピンと糸が張った状態で織り上げられるのではなく、
織り手さんが全身を使って経緯(タテヨコ)を調節して織り上げるので驚くほどしなやかに仕上がります。
平成17年6月3日、本場結城紬のラベルが新ラベルに生まれ変わりました。
現在「本場結城紬」に指定されるものは、以下の4つでございます。
(1)本場結城紬・平織り「地機」
(2)本場結城紬・縮織り「地機」
(3)本場結城紬・平織り「高機」(絣もの以外の無地と縞、格子のみ)
(4)本場結城紬・縮織り「高機」(絣もの以外の無地と縞、格子のみ)
なかでも、
<手紡ぎの無撚糸の使用、手括りの絣糸の使用、居座機で織り上げる事>
この三つの要件を満たしたものが
「重要無形文化財」の本場結城紬でございます。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈165.5cm(適応身長160.5cm~170.5cm) (4尺 3寸 6分)
裄丈69cm (1尺 8寸 2分) 袖巾35cm (9寸 2分)
袖丈53cm (1尺 3寸 9分)
前巾23.5cm (6寸 0分) 後巾30cm (7寸 9分)
※衿裏は引き紐仕立てです。
◆八掛の色:朱色
阪急扱い品
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 現状が最大寸法です。
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、お食事、お出かけなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯、半巾帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。