【仕入れ担当 田渕より】
なんと美しいお品でしょう…
花の香りや風の音、情景を一瞬にして閉じ込めたかのような、
思わず心惹かれる友禅美…
一目見てその上品さをご理解いただけることと思います。
このクラスの千總友禅は一流の高級呉服店や直接納められてしまうことが大半と言われますので、
室町の問屋さんに出回ることはほとんどございません。
さらに今回ご紹介のお品は、中でもお品数は少ない、
単衣向きとして創作されるお着物でございます。
こういったお品は通常、高級品を扱う専門店向けとして、
もともとかなり限定された数しか染め上げられません。
流行色やデザインだけを追いかけるのではなく、 不易流行の「美しさ」を求めて製作されたお品。
いついつまでも永くお召しいただける一枚でございます。
お目に留まりましたらどうぞご覧下さいませ。
【お色柄】
まずご注目いただきたいのは、その生地。
繊細に撚りをかけて単衣専用に織り上げられた、しなやかな肌触りの楊柳ちりめん地。
盛夏前後とは言ってもまだまだ暑い昨今の気候において、
肌につかない爽やかな質感は、本当に快適なものでございます。
その地を鮮やかな水色に染めなし、
お柄には桔梗に撫子、萩などの香りたつ秋草の意匠を描き出して。
地色の発色の素晴らしさはもとより、細い本糸目の輪郭線、刺繍の緻密さ、
繊細かつふっくらとふくれあがるボリューム、
どれをとっても非のうちどころのない素晴らしい仕上りです。
まさに唯一の存在感は、そこにただあるだけでも周囲の目を虜にし、
あまりの美しさに誰しもがため息をつくことでしょう。
なにより、天皇家の調度品をも調えられる『千總』を代表する品々は、芸術の域に達しています。
一点一点、京友禅に関わる職人が心血を注いで染めあげたお品ですので、
母から娘へと世代を越えて末長く大切にしていただける方にお届けいたします。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【千總について】
西暦1555年(弘治元年)。
千切屋西村家が、京都三条烏丸西入御倉町の地に織物業を始めました。
これが、千總の創業です。
江戸中期にかけて友禅染めが大流行し、千總も御所や宮家の御用をはじめとして友禅小袖を手がけ、その優秀な技術と感覚が賞賛を得ました。
昭和33年に皇太子様御成婚のための美智子様調度品の御用命を受ける等、
現在に至るまで「千總の友禅」は、人々の憧れの存在となっております。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈164.5cm(適応身長159.5cm~169.5cm) (4尺 3寸 4分)
裄丈67cm (1尺 7寸 6分) 袖巾33.5cm (8寸 8分)
袖丈57cm (1尺 5寸 0分)
前巾25cm (6寸 6分) 後巾30cm (8寸 0分)
※居敷当無し、背伏せ付き
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 現状が最大寸法です。
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 単衣(5月下旬~6月、9月~10月上旬)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齡は問いません
◆着用シーン 結婚式・披露宴へのご参列、式典、パーティー、ご挨拶、音楽鑑賞、観劇など
◆あわせる帯 袋帯、綴れ名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。