【仕入れ担当 田渕より】
龍村の系譜。
受け継がれたその織美…
ご存知、龍村晋による特選の一条をご紹介させて頂きます。
新たに織り上げが無い今、これ程状態の良いお品は数多くはございません。
お目に留まりましたらどうぞじっくりとご覧下さいませ。
【お色柄】
しなやかな帯地は一面に石畳の地紋を織りなして。
お色は、風趣な味わいを感じさせてくれる媚茶色。
上質の箔を繊細に織り込んで綾なされたのは、
宝珠紋に鳳凰と飛竜を込めた『名物興福寺金襴』の高雅な意匠。
名物裂の中でも大名物に選定される意匠でございます。
正統派の風雅な文様美は見るほどに奥行きを増して、
いついつまでも見飽きるということなく新鮮に思っていただけましょう。
全通のお柄ゆきというのも嬉しい点でございます。
色留袖、訪問着、付下げ、色無地、小紋などのお着物とのコーディネートで、
その確かな技術と洗練された意匠の趣をお楽しみ下さいませ。
【状態について】
未着用の新古品として仕入れてまいりました。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【龍村晋について】
正倉院裂の復元をはじめ、染織工芸に対する功績により美術院恩賜賞を受けた
初代龍村平蔵氏。龍村晋氏は、その巨匠の三男でございます。
(すでに故人でいらっしゃいます)。
父・平蔵の匠技と感性を伝匠した龍村晋は自らも古代の浪漫に魅せられて…
遠くシルクロ-ド果て、ペルシャからヨ-ロッパにまで題材を求め、
その文様を錦に表現して比類のない独自の「伝匠名錦」を生み出しました。
その帯の意匠は、500以上にのぼり…まさに、龍村織物のデザイナーというべき方かと思います。
【名物興福寺金襴について】
制作の時代は唐の末期から宋代の金襴とされ、
現存の古金襴のうち最古のものとなり、
伝来としては弘法大師所持の応量器の裏ばりとも云われております。
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.45m
耳の縫製:袋縫い
全通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式・披露宴、式典、パーティー、観劇、ご挨拶、お付き添いなど
◆あわせる着物 色留袖、訪問着、付下げ、紋付き色無地など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。