【仕入れ担当 田渕より】
古代インダス文明が生み出した、染めの技術。
緻密で美しい木版更紗に魅せられた、
日本における木版更紗の異才・川端美朝(びちょう)氏による…
希少な創作品を、ようやく入荷することができました。
呉服の展示会などでは、コーナーに少しの作品が並べられ、
本当に高額でお取り引きされているようでございます。
市場にはほとんど出回らず、
呉服の本場・京都室町におりましてもめったと出会えませんので、
ご寸法の合う方ぜひお見逃しのないようお願いいたします。
【お色柄】
さらりとしなやかな紬地は上品な暁鼠色。
その地には、一面に木版染で幾何学模様が染め出され、
上前には裂取りに唐花を込めてあらわされました。
他の染色技法では決して味わうことのできない、木版染め独特の持ち味。
まさに通好みのプロをも納得させる、創作力の高いその表情。
型紙を何十枚と用いるような丁寧な摺りの更紗もすばらしいですが、
工業的なプリントのものとは比較のしようもなく、
美朝氏ならではの、ひきこまれそうなほどの表情がございます。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【川端美朝について】
インド王族から譲り受けたという貴重な木版を用いて染め上げられる更紗は、
繊細さと優雅さが同居し、かつ美しさの根底には力みなぎるような、
本当に独特の、決して平面的ではない奥行きがございます。
更紗とは、数千年前のインドに発祥し、
人物・鳥獣・植物などの様々な文様を多彩に染めた布地のことを言います。
また世界各地の多様な染めは、紀元前二千年の古代インドに発祥する
「木版更紗」に始まるともいわれております。
日本においての更紗は、古くは奈良時代に、
ヨーロッパやペルー・エジプト・ミャンマーなどからもたらされた文様で、
装飾品・調度品・磁器・などに数多く残されております。
それから現在までの長い年月の間に和文化に取り入れられ、
遠い異国への憧憬とともに、着物や帯の文様として愛され続けてきました。
――とにかく、わたしは本物を追求したかったのです。
染めの原点を追求していったら、インダス文明にいきついたんですよ。
美朝氏は語ります。
30年ほど前の日本では、木版更紗は誰にも知られていませんでした。
美朝氏は、この古代の木版更紗にたった一人で取り組んだのです。
版木に顔料をつけ、絵柄に切れ目のないように、幾度となく布面に押し写します。
手で版木を直に押し重ね、色をつけていくのです。
そのときに出来る顔料の濃淡や色のたまり、版木の合わせズレが、
木版ならではの面白みとなって、作品にあらわれるのです。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈158.5cm(適応身長153.5cm~163.5cm) (4尺 1寸 8分)
裄丈66cm (1尺 7寸 4分) 袖巾34cm (8寸 9分)
袖丈49cm (1尺 3寸 0分)
前幅24.5cm (6寸 4分) 後幅30cm (8寸 0分)
※衿裏は引き紐の付いたお仕立てです。
◆通し裏の色:暁鼠色
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈69cm (1尺 8寸 2分) 袖巾34cm (8寸 9分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、音楽鑑賞、観劇、お食事会、お出かけなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、九寸名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。