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京都・京菓子司 亀屋良長 豊穣の秋を味わう『山の幸』 「京都・和の菓子めぐり」vol.5

京都・京菓子司 亀屋良長 豊穣の秋を味わう『山の幸』 「京都・和の菓子めぐり」vol.5

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京都・四条堀川の一筋東、醒ヶ井(さめがい)通りの北側。 京菓子づくりに適した清らかな水を求めて、「亀屋良長」の初代がこの場所を選んだのは1803(享和3)年のこと。以来、200年以上にわたり愛される名店で見つけた、秋の味覚を紹介します。

店舗脇の醒ヶ井の水

四条堀川の一筋東、醒ヶ井(さめがい)通りの北側。
大きなガラス張りの建物の脇から、小さなせせらぎの音がきこえます。

京菓子づくりに適した清らかな水を求めて、「亀屋良長」の初代がこの場所を選んだのは1803(享和3)年のこと。以来、200年以上にわたり伝統を育んできた名店です。

現在も菓子づくりに欠かせない地下水は、昭和37年の地下鉄工事の影響で枯れていた井戸を掘り直し、「醒ヶ井」と名付けられました。

白木格子の引き戸を開けて店内に入ると、代表銘菓である艶やかな「烏羽玉」や、やさしい色彩の生菓子、贈る方の笑顔を想像しながら選びたい愛らしいパッケージがずらり。
京菓子がその姿、色を目でも味わうものであることを改めて実感させてくれます。

店の奥には席の間隔をゆったりと設けた喫茶コーナーもあり、できたての場所で味わう贅沢なひと時を楽しむことができるのは、やはり本店ならでは。
きもの散策の休憩にもぴったりです。

店内喫茶コーナー
多くの職人が手間を惜しまず

できたての場所、というのはまさにその通りで、店舗の上にある工場では多くの職人が手間を惜しまず、さまざまな菓子を生み出しています。
少し前にSNSで製作風景の動画が話題となった寒天菓子や、各種メディアで引っ張りだこの「スライスようかん」も、機械ではなく手作業でつくられていることに驚いた方も多いのでは。

スライスようかんをきっかけに、ようかんのおいしさに目覚めたなら、季節のようかんシリーズもおすすめです。
2〜3人、または2〜3回で食べ切るのにちょうど良いサイズ感で、季節の食材や意匠を堪能できる楽しさがあります。春の「いちご摘み」、夏の「桃の果」に続いて、今の季節は「山の幸」が登場。

亀屋良長『山の幸』

実り豊かな秋をイメージし、栗、胡桃、柿、無花果、マカダミアナッツ、小豆をみっしりと盛り込み、鮮やかに色づいた紅葉の型抜きようかんをあしらった一品です。

土台は王道の小豆の練ようかん。マカダミアナッツやドライフルーツという新しい素材との出合いは、幸福にして口福。
にぎやかな秋の収穫祭を思わせるおいしさは11月いっぱいまで。

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