商品番号:1546260
(税込)
【仕入れ担当 吉岡より】
究極の…幻と言われる紬。
手織りの高級品が並ぶ紬の中でも、郡上紬はお品さえ滅多とお見かけすることのできない希少紬でございます。
多く織り上げても月に製作反数はわずか3反。
年間にしますとわずか20~30反ほどにしか織りあがってくることはございません。
まさに「幻の紬」と称される逸品。
中でも故:宗廣力三氏の実子であられる「宗廣陽助」氏の作品は大変数が少なく、
京・室町でもほとんどお見かけする事自体ございません。
大切に紡がれてきた郡上の歴史を、ぜひご堪能下さいませ。
【色・柄】
人間国宝:宗廣力三氏の心を受け継いだ、ご子息:宗廣陽助氏の手で、
一反一反織り上げられたお品です。
品質の高い糸は、この地方に自生している植物で草木染めされます。
一度だけではなくて、何度も何度も染め返され、色彩の深い、
郡上紬独特の色目が生み出されます。
平凡な柄を非凡に。
一見さりげなく見えるのですが、大変に奥行き、深みのある織物です。
草木のナチュラルなお色を、何度も何度も染めこんで、
穏やかな白茶色をベースに、茶色の濃淡と挿し色の緑を用いた
横段ぼかし模様は、シンプルながらも趣き深い仕上がりとなっています。
厚地でふっくらあたたかい織り、どこか懐かしい意匠。
そして、着れば着るほど身体になじむ着心地。
生活から生まれた素朴な紬本来の姿が、その色彩と地風に感じられます。
紬ファンの憧れ多き逸品。
全国の紬産地の中でもとりわけ希少性の高い郡上紬。
色彩だけではない、そのものの存在にどこか力強さを感じさせる独自の魅力。
末永く大切に大切にお召しいただける方に、心を込めてお届けいたします。
どうぞお見逃しなさいませんよう。
【郡上紬と宗廣力三氏について】
水と踊りの町、郡上八幡。
澄んだ空気に、やさしい川のせせらぎ。
やがては長良川に流れ込む清流が寄り添い…山々の緑はどこまでも奥深い。
そんな美しい環境で、郡上紬は生まれます。
国産の厳選春まゆだけを使って織り上げられた絹織物。
着れば着るほどに光沢が増し、
三代に渡り着続けることのできる本物の紬きものと言われております。
郡上紬は、平家の落人が野生の繭から糸を紡ぎ、
植物染料で染めた糸で織った織物がその発祥とされております。
草根木皮などで着色され、手織り機で丹精に織り上げられたそれらに模様らしいものはなく、
様々な色糸が織り交じったものでした。
ところが江戸期に入ると郡上紬は急速に衰え…
その技術はかろうじて、細々と伝えられているのみになっておりました。
それを、戦後になってはじめて再興させたのが、故宗廣力三氏でした。
氏は昭和57年(1982)に、国の重要無形文化財技術保持者(人間国宝)に、
個人認定されました。
郡上紬の魅力は、草木染による素朴な色合いと光沢です。
特に、宗廣力三氏が創り上げ、郡上紬最大の特徴ともなっている≪どぼんこ染≫によるぼかしは、
他に類を見ません。
これは、染料液に糸を垂直に入れて染め上げる方法で、
糸の繊維が染料を自然に吸い上げる力を利用したものです。
糸を少しずつ引き上げたり、染料液を減らしたり…
ひとえに経験のみによる細やかな気配りが命の、本当に微妙な染め方です。
そうして染めた糸を組み合わせて生み出される美しい織りのぼかしは、
郡上紬にしか表現しえない、独特のものでございます。
糸、染料、意匠にこだわり、研究努力を重ねた宗廣氏。
生涯目指したのは、「技を感じさせない技」だったといいます。
郡上紬が堅牢で、着るほどに、洗うほどに、深みとつやを増す秘密の一つは、
ここにあるのでしょうか。
≪織五省≫
一、糸を経(たて)に 心を緯(よこ)に
一、常に技法の研鑚に務めむ
一、一すじの糸の命を大切に
一、正された仕事を美が追いかけてくる
一、自他一如
自らの仕事(作品)が永遠に生きる道なり (力三)
【 郡上紬について 】
岐阜県の山間に位置する郡上八幡で制作されて来た
草木染め手織紬。
経糸には、節糸の玉繭を、緯糸には質の良い
春繭からとれる本真綿の手紡ぎ糸を用い、
植物染料で染め上げ製織される。
植物染料は郡上に自生する茜、苅安、阿仙、藍などを
用い、宗廣力三が編み出した「どぼんこ染」という
染色方法で温かみのある色合いの、堅牢な糸となる。
古くからあった名称ではなく、第二次世界大戦後
つけられた比較的新しいもので、「地織り」と呼ばれる
屑繭をためて紡ぎ、手機で織る自家用の紬が養蚕を
通じ農家の自家生産として製織されていたが明治以降
衰退、戦後になって工芸家の宗廣力三(1914年~89年)が
再興、1952年に設立した郡上郷土芸術研究所(1958年から
郡上工芸研究所に改称)で今に至るまで製作されている。
なお、宗廣力三は、「どぼんこ染」、「初音絣(はつねがすり)」、
「紬縞織」、「絣織」が高い評価を受け、1982年に紬縞織、
絣織で国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
絹100%
たち切り身丈170cm(背より身丈158cmまで) 内巾35.5cm(裄丈67cmまで)
織り手:宗廣陽助
◆最適な着用時期 10月~5月(袷の季節に)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません。
◆着用シーン 観劇、コンサート、カジュアルなパーティーなど。
◆あわせる帯 名古屋帯、洒落ものの袋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
地入れ3,300円+※胴裏8,250円~+八掛8,800円+海外手縫い仕立て28,600円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)
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