【 仕入れ担当 田渕より 】
息を呑むほどの箔使い。
豪奢で、古典的ながらも大胆な帯おもて。
お柄行を一見しただけで分かる、格式の高さ。
京都西陣の誇る老舗、龍村美術織物が手掛けた西陣織本袋帯をご紹介いたします。
傑作品を数々製作する、名門・龍村。
本物を愛すお方にこそ、お手に取っていただきたいものです。
【 お色柄 】
極しなやかに、しっかりとした厚み。
その手触りだけでも、どれほどの表現のこだわりがあるか…
【 招福三友錦 】と銘打たれた今作。
絹艶美しく、意匠の映えるこっくりとした黒色の帯地。
そこに濃淡や色味の異なる鮮やかな箔糸・金糸を惜しみなく用い、富貴な印象に…
お柄には松皮菱や、おめでたい文様の代表格である松竹梅を大胆に表しました。
寒い中でも青々と緑を絶やさない松。
雪の下より力強く伸びる竹。
春の訪れをひと足早く知らせるように、早春に咲く梅。
もともと中国で、厳寒にあってもたくましく在るこの三種の植物を「歳寒三友」と呼んだことから、
このお品は「招福三友錦」と名付けられたのでございましょう。
古典的な文様ながらも、梅の花の中に更に小花を込めたり、雪持ち笹を雪輪で表現したりと、芸術的にも創意工夫が成され……。
さすがは古典を基盤とした創作美術織物を得意とする龍村でございますね。
多彩な箔糸だけでなく、蜜柑色や萌葱色、白磁色の刺繍も綾なすことによって、
帯地全体がより豊かな表情を浮かび上がらせております。
また、本袋であることによって、薄く綺麗にたたむことができます。
お太鼓結びに締めていただくと、耳付きが薄いので、前・横から見ていただいた時にお太鼓が大変綺麗に映ります。
色留袖、訪問着、色無地などに最高の帯姿を演出するだけでなく、
逸品クラスのお振袖にも、この上ない華やぎを添えてくれることでしょう。
龍村流の古典文様の美をご堪能下さい。
初釜などのお席にも、お柄が大変相応しいかと存じます。
ここまでの格調をかもしだす作品は龍村以外にはなかなかございません。
独特の緻密かつ大胆な、歴史に残る卓抜した芸術美は本当に見事です。
終生ご愛顧いただける作品として、どうぞ大切にお締めくださいませ。
どのような場でも自信をもってお召しいただけることと存じます。
【 龍村美術織物について 】
西陣織工業組合所属
西陣織工業組合証紙はNo.644
1894(明治27)年創業
初代龍村平蔵氏より連綿と受け継がれた、「独創」
「復元」「美的感覚」の三要素を帯づくりの
基本精神に据え、古代織物の研究と復元を基盤に
美術織物という新しい分野を確立した。
帯に始まり、小物やタペストリー、緞帳など
その製織品は多岐にわたる。
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.35m(お仕立て上がり時)
西陣織工業組合証紙No644 龍村美術織物謹製
おすすめの帯芯:綿芯「都」
本袋縫い
六通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 成人式、結婚式、式典、初釜、パーティー、ご挨拶、お付き添い、音楽鑑賞、観劇など
◆あわせる着物 お振袖、色留袖、訪問着、付下げ、色無地など