【仕入れ担当竹中より】
「人間国宝は誰でもなれるが、自分は誰にも真似出来ない織物を作りたい」
そうおっしゃられた山口伊太郎翁。2007年6月27日にこの世を去られました。
享年105歳。その偉大なる功績はもちろんのこと、
着物に接するお方なら誰しも一度は聞かれたことのあるはずです。
伊太郎氏 94歳(平成7年)にして現役の頃の
作品が入荷しました
この機会にこの上ない逸品を手にしていただきたく存じます。
【商品の状態】
リサイクル中古品として仕入れてまいりました。
締め跡がございますが
お太鼓箇所などはおおむね美品です
プレスのちお届けします
桐箱に一部 破損個所がございます
お手元で現品を確認の上、お値打ちに御召くださいませ!
お目に留まりましたら何卒お見逃しなきようお願い申し上げます。
【お色柄】
落ち着いた表情のまろみのある焼箔はやあやなす
幽玄な煌めきの引箔地。
その地にお太鼓柄にて正倉院の染裂をモチーフに
ろうけつ染めの花紋を富貴に織り出しました
本当に染めのような仕上がりでも
本品は先染糸により 伊太郎氏の緻密な計算の上
織り出されています
まずお手元にとどいて驚かれるのはこの荘厳な織り味と、
見た目からは対照的な、しなやかで軽やかな質感。
画面でお伝えできないのが残念でなりませんが、
必ずやお慶びいただけるおすすめの逸品です。
お目にとまりましたら是非この一期一会の出会いに。
終生お手元でご愛用いただけましたら幸いです。
山口 伊太郎
(やまぐち いたろう、1901年12月18日 - 2007年6月27日)は西陣の織匠。
紫紘(株)創業者。山口安次郎は実弟。
70歳より織物による「源氏物語絵巻」を製作開始。
2007年、最終巻の全ての指示を終えた矢先、完成を待たずして105歳で逝去。
翌年の3月3日、指示を受けていた職人らによって
「源氏物語錦織絵巻」全四巻のうちの最終巻は完成された。
明治以降の西陣の織物技術の発展に、
フランスから取り入れたジャガード織機が大きく寄与しており、
感謝の意を込めて1995年に、当時既に完成していた
「源氏物語錦織絵巻」二巻を寄贈した。
これによりフランス共和国よりレジオンドヌール勲章オフィシエ章を受章している。
1901年 京都市上京区上立売通堀川西入に生まれる。
1913年 京都市立成逸尋常小学校卒業後、西陣織物製造佐野商店に入店。
1920年 京都市上京区大宮通寺之内上る西入東千本町にて、山口織物所として西陣織物高級帯地製造業開業する。
1954年 紫紘(株)創立する。
1970年 「源氏物語錦織絵巻」の製作を開始する。
1986年 「源氏物語錦織絵巻」全四巻のうち一巻を完成する(竹河の巻他)。
1990年 「源氏物語錦織絵巻」全四巻のうち一巻を完成する(宿木の巻他)。
1992年 京都府立文化博物館にて「源氏物語錦織絵巻」展開催。
1995年 フランス国立ギメ東洋美術館に「源氏物語錦織絵巻」二巻寄贈。
2001年 「源氏物語錦織絵巻」全四巻のうち一巻を完成する(鈴虫の巻他)。
2002年 フランス国立ギメ東洋美術館に「源氏物語錦織絵巻」一巻寄贈。
2003年 京都市、平安神宮にて展覧会を開催する。
2003年 東京都、大倉文化財団大倉集古館にて展覧会を開催する。
2005年 静岡県三島市、佐野美術館にて展覧会を開催する。
2007年 6月27日未明、自宅にて逝去(享年105)。
2008年 「源氏物語錦織絵巻」全四巻のうち最終巻が完成する(蓬生の巻他)。4月、京都 相国寺・承天閣美術館にて遺作展開催。
2009年 4月、東京・大倉集古館にて遺作展開催。
絹100%(金属糸風繊維以外)
長さ約4.45m
太鼓柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 40代~
◆着用シーン 式典、音楽鑑賞、観劇、お食事会、付き添いなど
◆あわせる着物 黒留袖、色留袖、訪問着、紋付色無地、付下げなど
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。