【 仕入れ担当 中村より 】
高級の織物として知られ、高い人気を誇る本場奄美大島紬。
この上ない細緻な一元式絣に鮮やかな有色絣の表現、
伝統技術のすばらしさを感じていただけることでしょう。
どうぞお見逃しないようご覧下さいませ!
【 お色柄 】
純泥染めならではの、奥深い大地のお色。
すっと反物を広げた瞬間、きっとお感じいただけることでしょう。
深い黒を基調として、7マルキ一元式絣によって,風雅な花唐草模様が織り描かれました。
繊細な有色絣が際立ち、近くに奥にたっぷりと深遠な表情をみせて。
その世界に吸い込まれそうなほどの…すばらしいひと品。
繊細な全体の表現力は、まさに大島紬ならではの醍醐味と言えましょう。
絣合わせも、本当に、全てが美しく決まっております。
その粒の重なりをみつめると、職人さんの苦労がしのばれます。
しっとりとした絹の光沢感に、シャッと肌をすりぬける独特の生地質。
上等の大島紬は、上質を纏う喜びを心に染み渡らせてくれるおきものです。
三代お召しいただける大島紬。
昔ながらのしっかりとした仕事、本当に良きものをお探しの方に…
どうぞお見逃しございませんようにお願いいたします。
【 本場大島紬について 】
大島ファンの方はご存知かと思いますが、
マルキとは、経糸の総数(1240本)に占める経(たて)絣糸の割合のこと。
つまり、マルキの数値が上がるほど経絣糸が多く入り、
経緯(たてよこ)の絣合わせが難しくなります。
9マルキ、7マルキ、5マルキなどがあり、
その数が上がるほど、より手間隙のかかったお品となります。
また絣にも、「カタス式」と「一元(ひともと)式」がございます。
「カタス式」の倍の絣糸を使う「一元式」。
ひとつひとつの十字絣が柄行を表現し、
一つでも絣がつぶれていたりすると検査不合格となりますので、
熟練の匠にしかなしえない高度な技法が必要とされています。
相場としましては、一元はカタスの1.6~1.8倍の仕入れ価格。
「7マルキ一元式」が「9マルキカタス式」よりも高値になる場合もございます。
そのような意味合いで…
本品は、本当に手間隙のかけられたお品でございます。
また、大島紬は完成までに二度織られます。
一度目の締め機は、大島紬独特の精密な絣模様をつけるため。
上下の綿糸によってギュッと締められた部分は防染されて染料が入り込まず、
その染まらない部分が絣になります。
絣模様をくっきりと作るためには、
大変な力で締めつけ織り込まなければならず、
昔からこの締め機は男性の仕事とされてきました。
それでも、図案に合わせて締め機にかける糸を調節し、
確実に、数mm単位の狂いもなく締め込んでいくというのは、
大変に緻密で根気がいる仕事。
ここで間違いが起こると絣模様ができなくなってしまうため、
力があるというだけではできない難しい仕事です。
そのすばらしい絹糸は…
高機による手織りで、一糸一糸心を込めて織り上げられております。
一反を生み出すのにのに、シンプルな柄のものでも一ヶ月。
凝った柄行のものでしたら、数ヶ月の月日を要します。
数センチ織り上げては経糸をゆるめ、一本一本針で絣をあわせていく。
本当に気の遠くなるような仕事です。
大島の命とも言うべき泥染めは、
テーチ木(車輪梅)の液で数十回も繰り返し染めることから始まります。
タンニン酸によって赤褐色に変わった絹糸を、泥田につけて何度も何度も…
タンニン酸と泥に含まれる鉄分が化合して糸はやわらかくなり、
決して化学染料では出せない、独特の深みあるダークな色調に染め上がります。
絹100%
長さ約12m 内巾35.5cm(裄最大67cm迄)
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お出かけ、観劇、お稽古、お食事など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。