【 仕入れ担当 渡辺より 】
卓越した友禅の技に、心に印象的に残る彩り、構図。
独自の世界を創り上げた加賀友禅の人間国宝、木村雨山氏。
そんな氏の画を西陣の一流機屋、とみや織物が
独自の点描綴技法によって一条の帯に甦らせた
素晴らしい袋帯のご紹介です!
決してご紹介の機会の多い作品ではございません!
お目に留まりましたら是非ともお見逃しなく!
【 お色柄 】
しなやかに織り上げられた帯地には、
「四季の花」と銘打たれた意匠が広がります。
その銘の通り、春夏秋冬に咲き誇る美しき日本の花々。
穏やかな春には梅、夏には凛とした菖蒲。
物寂しい秋には菊、しんと澄む冬には鮮やかな椿を…
帯地一面にあらわされております。
全体として、バランスを考え尽くされたお柄だと見て取れます。
光を色彩で捉えた、モネやルノワールなどの印象派の画家のように…
色彩豊かで楽しげながら、洗練された和の面持ちを感じる、
なんとも言葉では言いあらわせない、氏の色彩。
お色で表現される立体感を、今回は織で表現するということで、
立体的に見せたいところにはふっくらと唐織の表現を用いて。
奥に手前にと奥行きをしっかりとあらわすことができるのは、織の強み。
その強みをしっかりと用いて豊かに氏の世界観をあらわしたお品でございます。
氏の愛した世界に触れて。
そっと心動かす方がいるのでしょう。
氏の魅力をお手元にて。
そして氏の美しき作品の語り部として。
大切にご愛用いただけますと、これほど幸いなことはございません。
生涯寄り添う一条として。
大切にお届けさせていただきます。
【 木村雨山(重要無形文化財保持者)について 】
本名:木村文ニ
1891年 2月21日生。
1955年 重要無形文化財「友禅」の保持者に認定。
1977年 5月9日没。享年86歳
金沢市出身。
1905年高等小学校を卒業後、当時名人といわれた
加賀友禅染色家の名工、上村松太郎(上村雲嶂)に師事し、
日本画を南画家大西金陽に学んだ。
1924年33歳で独立。
以来加賀友禅の制作ひとすじに打込む。
1928年第9回帝展に「リス文様壁掛」が初入選し、
以後帝展、日展、日本伝統工芸展などで活躍。
戦後は日展審査員、日本伝統工芸展を中心に活躍。
写生による図案をもとに制作を行い、日本画の
技法を駆使して、宗達・光琳風の濃淡の色調を
巧みに表現。
大和式の意匠構成を現代的感覚でまとめた
優雅でみずみずしい新境地を開拓、加賀友禅の
名声を全国に轟かせた。
1955年には友禅の部で重要無形文化財技術保持者に
認定され、染色界での第1人者となる。
1965年10月紫綬褒章を受賞。
1976年4月勲三等瑞宝賞を受賞。
その作品は日本画の技法を生かし、描線を自由に表現し、
彩色では片刷毛を使ったボカシに工夫をみせるなど、
京友禅と異なった加賀友禅独自の作風を展開した。
代表作
「花訪問着」(1965年)
「山吹訪問着」(1968年)など多数。
絹100%・金属糸風繊維除く 長さ約4.37m
柄付け:六通柄
耳の縫製:かがり縫い
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン パーティー、芸術鑑賞、観劇、お食事会など
◆あわせる着物 訪問着、付下げ、色無地、小紋など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。