【 仕入れ担当 中村より 】
石川県指定無形文化財・加賀友禅技術保存会会員でもある
中町博志氏による、傑作訪問着のご紹介です。
加賀友禅好きなら氏のお名前はご存知のことでしょう。
写実的な意匠が多い加賀友禅の中で、
氏の作品はその写実性が根本にありながらも、
実に大胆、そして華麗な色使い、抽象化された構図、
そのすべてに魅力が詰まっております。
本品についても氏ならではの色使いで
見事に草花模様を表現しております。
日本人の心に響く、独特の感性に満ちたひと品…
一つの芸術作品と言っても過言ではないでしょう。
中町氏の作品は、市場に流通している数も少ないため、
ご紹介の機会は本当に稀でございます。
この希少な機会にまずはどうぞご覧くださいませ。
【 色・柄 】
しっとりと肌にやわらかく、水分を含んだように滑らかな上質のちりめん地。
この絹地を爽やかな千草色を基調に染めて。
ご覧いただけますでしょうか。
一面にたっぷりと「ウド咲く」と名付けられた模様を描きました。
ウドの花模様を抽象化しつつ、大胆に表現しております。
まさに唯一無二!存在感のある表情に仕上がっております。
すっと染料を含みとり、そっと絹地にのせた瞬間のみずみずしさ。
細やかに染め分けた彩りが幾重にも重なり、
実に華やかでありながら大変品良く、格別に映える一枚でございます。
【 中町博志氏について 】
あの直江良三氏に師事し、二代目由水十久氏、高平良隆氏、柿本市郎氏、上田外茂治氏、杉村典重氏、由水煌人氏など、
錚々たる顔ぶれで構成された、石川県指定無形文化財・加賀友禅技術保存会会員でもある中町氏。
ご存知の通り、その名は本加賀友禅界で一、二を争うほど。
「伝統的なデザインにとらわれる必要はない。
着るべき人が着た時、もっとも美しく映える。
だからこそ、1人1人に応じた着物を作る。
それが私にとって加賀友禅なんです。」
作品に向けられた情熱と信念。
繊細でいて力強く、そして、なによりも自然で美しい。
他には無い個性を放つ作品を作り続けておられる名匠です。
◆略歴
昭和18年 富山県福光 生まれ
昭和41年 加賀友禅師 直江良三氏に弟子入り
昭和47年 加賀友禅師として独立
昭和63年 石川県指定文化財 加賀友禅技術保持者に認定
平成07年 加賀友禅伝統工芸師認定
平成10年 金沢市文化活動賞受賞
現在 (協)加賀染振興協会理事
【 加賀友禅について 】
加賀百万石の城下町には、古くから「加賀染」といわれる染色法がありました。
京の都で画期的な友禅染めを大流行させた宮崎友禅斎が晩年に加賀へ戻り、
その技法を伝えたことが、加賀友禅の基礎となったとされております。
特徴は五彩といわれる暖かな色彩に、花鳥山水を描いた絵画的な構図、
そして模様の外から内へぼかしをいれる技法。
加賀友禅作家の工房で10余年もの修行をして師匠に認めてもらえなければ、
作家として独立できないと言われるほどの厳しい世界。
熟達した感性と高度な技術。
写生を基本に描かれる本加賀友禅は、染め色の美しさや深み、
卓越したデッサン力と意匠の美しさを存分にご堪能いただける、特別なものです。
一貫してひとりの作家さんが仕上げますので、作家さんの感性や技術力、
まさに≪作家性≫とも呼ぶべきものを、あふれるように感じ取っていただけることでしょう。
絹100%
たち切り身丈174cm 内巾37.5cm(裄丈71cmまで)
経済大臣指定伝統的工芸品の証紙、加賀染振興協会の証紙がついております。
白生地には、特選浜ちりめん地を用いております。
◆最適な着用時期 10月~5月(袷の季節に)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません。
◆着用シーン パーティー、レセプション、お食事会、お付き添いなど。
◆あわせる帯 袋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
解湯のし4,180円+※胴裏7,260円~+海外手縫い仕立て35,200円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)
※堅牢染め・本加賀など、染めのしっかりした御着物への抜き紋入れには、
堅牢抜き代4,400円(税込)が必要となります。