【 仕入れ担当 中村より 】
高尾弘氏の帯の世界は、永い歴史に培われた確かな伝統の意匠美と、
それを今に再現する本物の匠の技とで、見るものを感動させます。
特に、徳川美術館の無地ねん金の再現など、
織物の美術史的にも大きな功績を残す仕事をされておりますので、
その意匠のオリジナル性とアート性、丹精込めた手織りの
高級感には感嘆せざるを得ません。
今回ご紹介いたしますのは、シンプルな中に気品溢れるひと品。
一度お手元でご覧いただければ…
必ずや名門のこだわりと創作力の高さを感じとっていただけることでしょう。
通の佇まいを魅せる逸品を、どうぞお見逃しなく!
【 色柄 】
しなやかで軽く、うちこみのよい地風。
金と松葉色を基調としてお柄には鱗雲のように細かな霞の意匠を六通にわたり織り上げております。
他にはない、芸術性溢れる面持ちが贅沢な一本です。
高雅な金の濃淡で絶妙に変化する美しい意匠。
規則正しく、かつ不規則な味わいをもみせて、奥行きと陰影を感じさせてくれます。
もう片面も白銀の上品な段霞の文様を織り成し両面使いとして重宝いただけるお品です。
織物の美は、眺めるよりも、手に取ること…
高尾弘氏のエスプリを感じていただきたく思います。
【 状態について 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 ねん金綴錦について 】
尾張徳川家に伝来し、現在徳川美術館保管の裂(きれ)は、多数の名物裂を含み総数約650件にのぼります。
この中には金襴、緞子、間道などとともに
「ねん金」と称される撚り金糸を用いた明時代の裂が6件含まれています。
「大牡丹唐草文」「紗綾形文」「八角繋文」などの紋様に混じって、無地ねん金も1件(7裂)含まれています。
ねん金のなかでも無地ねん金は珍品で、伝世品の少ない作品。
ざんぐりとして立体感があり、奥行きと深みを感じさせる裂です。
その貴重な裂を名物裂の複製に力を注ぎ、植物染めの研究にも努力している京都名門の織屋 【桝屋高尾】。
高尾弘氏が無地ねん金の緯糸を再現して撚金綴錦袋帯を完成しました。
(特許であり、徳川美術館の署名で複製を禁じられております)
その織りあがりは、比類なきおしゃれな味わいに満ちています。
手織りのお品だけが持つ素朴さの中に、高貴な気品を感じさせる逸品です。
見た目とは裏腹に、軽くてしなやかな織り上がり。
シンプルな中にも格調高さを感じさせる、絶妙な表情。
そっと手を触れてくださいませ。
一度手にとられたらその締め心地の良さはやみつきになることでしょう。
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.4m
耳の縫製:袋縫い
六通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式、披露宴、パーティー、式典、お付き添い、音楽鑑賞、観劇など
◆あわせるお着物 留袖、訪問着、付下げ、色無地など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。