【仕入れ担当 田渕より】
ひと目で心潤い、しとやかな風が吹き抜けるよう…
四季を愛する日本人の心に響く、秀逸な意匠美。
控えめなお柄つけで引き算の美学を感じさせる佇まいに。
美しい本加賀友禅付下げをご紹介いたします。
シボ感のある浜ちりめん地の作品が多いなか、
今回は立体感ある紋意匠地に染め上げたひと品。
他とは違い、無地場にも表情を感じられる
贅沢なひと品となっておりますので
お目に留まりましたら是非ともお見逃しなく!
【お色柄】
しっとりしなやかな手触りの絹地。
細やかな花菱の地模様が織りだされており、
所作で角度を変えて美しい光沢とともにふわりと浮かび上がります。
その地を穏やかなクリーム色に染めて、
優しいおももちで花意匠が描かれました。
花びら一枚、葉一枚の丁寧な暈しの陰影表現が奥行きをもたらして。
思わずその世界に吸い込まれてしまうかのようです。
格調高い袋帯を合わせて華やかなシーンに、
また名古屋帯でちょっとしたよそ行き感覚で。
帯合わせ次第で幅広いシーンでご愛用いただけます。
【状態について】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【加賀友禅について】
加賀百万石の城下町には、古くから「加賀染」といわれる染色法がありました。
京の都で画期的な友禅染めを大流行させた宮崎友禅斎が晩年に加賀へ戻り、
その技法を伝えたことが、加賀友禅の基礎となったとされております。
特徴は五彩といわれる暖かな色彩に、花鳥山水を描いた絵画的な構図、
そして模様の外から内へぼかしをいれる技法。
加賀友禅作家の工房で10余年もの修行をして師匠に認めてもらえなければ、
作家として独立できないと言われるほどの厳しい世界。
熟達した感性と高度な技術。
写生を基本に描かれる本加賀友禅は、染め色の美しさや深み、
卓越したデッサン力と意匠の美しさを存分にご堪能いただける、特別なものです。
一貫してひとりの作家さんが仕上げますので、作家さんの感性や技術力、
まさに≪作家性≫とも呼ぶべきものを、あふれるように感じ取っていただけることでしょう。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈158.5cm(適応身長153.5cm~163.5cm) (4尺 1寸 8分)
裄丈65.5cm (1尺 7寸 3分) 袖巾33.5cm (8寸 9分)
袖丈49cm (1尺 3寸 0分)
前巾23.5cm (6寸 2分) 後巾29.5cm (7寸 8分)
※衿裏は引き紐仕立てです。
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈70cm (1尺 8寸 5分) 袖巾35.5cm (9寸 3分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式・式典へのご参列、お付き添い、パーティー、食事会、芸術鑑賞、観劇など
◆あわせる帯 袋帯、綴れ名古屋帯、格高い九寸名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。