【 仕入れ担当 中村より 】
見たことない大島を求めて…
12マルキのお品と同格、いやそれ以上でしょう。
探して手に入るような代物ではございません。
作者は、かの有名な恵積五郎。
皆様、改めてご存知やと思いますが、これは染ではなく絣…
今後出来上がってくることのない本当に希少なお品でございます。
バイヤーが自信をもっておすすめさせていただきます!
最高級のおしゃれ着をどうぞお見逃しなくお願い致します!
【お色柄】
ご覧いただけますでしょうか。
一面に絣が綾なす情趣たっぷりの琳派の意匠。
まるで友禅かのような多色使い、見事な色の濃淡、細やかなお柄輪郭、
どれをとっても織物とは思えないほどの見事な仕上がりでございます。
一方付けで織り出す意匠は、極上のおくゆきある風景。
いついつまでも飽きの来ない表情と、文字では表現しきれないその奥行きを、
是非お手元でご実感いただきたく思います。
日本の染織の歴史が忍ばれるような素晴らしい出来栄えの作品を、
どうぞ末永くご愛用下さいませ。
【状態について】
未着用の新古品として仕入れてまいりました。
仕付け糸もついたままの美品でお手元に届いてすぐにお召し頂ける状態でございます。
【恵積五郎について】
大島紬の双璧と呼ばれた先代・恵積五郎氏。
今は亡き都喜ヱ門と共に一世を風靡、「絣の魔術師」と呼ばれ、
その絣技術は高い評価を得ていました。
残念ながら、「恵大島紬織物」としては制作活動を終えられてしまい、
今後新たな作品が生み出されることはございません。
【大島紬について】
大島ファンの方はご存知だと思うのですが、「マルキ」とは
経糸の総数(1240本)に占める経絣(たてかすり)糸の割合のこと。
つまり、マルキの数値が上がるほど経絣糸が多く入り、
経緯(たてよこ)の絣合わせが難しくなります。
9マルキ総絣のお品では、
経絣糸が多いことで、曲線が非常になめらかで、
それゆえにこういった丸みを帯びたデザインも美しく表現されています。
また、大島紬は完成までに二度織られます。
一度目の締め機は、大島紬独特の精密な絣模様をつけるため。
上下の綿糸によってギュッと締められた部分は
防染されて染料が入り込まないため、その染まらない部分が絣になります。
絣模様をくっきりと作るためには、
大変な力で締めつけて織り込む必要があるため、
昔からこの締め機は男性の仕事とされてきました。
それでも、図案に合わせて締め機にかける糸を調節して、確実に、
数ミリ単位の狂いもなく締め込んでいくというのは大変に緻密で根気がいる仕事。
ここで間違いが起こると絣模様ができなくなってしまうため、
力があるというだけではできない難しい仕事です。
その素晴らしい絹糸は、高機による手織りで
一糸一糸心を込めて織り上げられております。
一反を生み出すのにのにシンプルな柄のものでも一ヶ月、
凝った柄行のものでしたら数ヶ月の月日を要します。
数センチ織り上げては経糸をゆるめて一本一本針で絣をあわせていく根気のいる仕事です。
それが世界最高の織物と言われる所以でございます。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈162cm(適応身長157cm~167cm) (4尺 2寸 8分)
裄丈68cm (1尺 8寸 0分) 袖巾35cm (9寸 2分)
袖丈49.2cm (1尺 3寸 0分)
前巾25cm (6寸 6分) 後巾30cm (7寸 9分)
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈70cm (1尺 8寸 5分) 袖巾36cm (9寸 5分)
お気軽にお問い合わせくださいませ
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 和のお稽古、芸術鑑賞、観劇、ご友人との気軽なお食事、街歩きなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。