【仕入れ担当 田渕より】
豊かで穏やかな面持ち…
読谷山花織―愛する心、祈りの織物。
呉服の本場京都室町におりましても、滅多とお目にかかれません。
今回は証紙なし故のお値打ち価格にてご紹介が叶いました。
どうぞ良きものを愛する織物ファンの方へ…
お見逃しないようご覧下さいませ。
【お色柄】
ふわりとした温もりを感じさせる紬地は、紬独特のフシ糸の質感豊か。
深くこっくりとした桑茶色の濃淡の地に浮かぶカジマヤーバナの意匠。
花織りらしく長寿の願いを込めて一面にカジマヤー(風車)の意匠を添えて民芸の味わい。
しっとりと奥深く。
かつ手織りならではの穏やかな面持ちもお楽しみいただけるひと品。
現代のおきものファンの方にきっと支持いただけることでしょう。
流行り廃りもございませんし、ご年齢に関係なくお使いいただけ、
大人の上質カジュアルを存分にご堪能いただきたい織物でございます。
お手元で末永くご愛用いただけましたら幸いでございます。
【状態について】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【読谷山花織について】
14~15世紀、琉球は大貿易時代を迎え、
中国や東南アジア諸国との交易が盛んで、
多くの交易品と共に、読谷山花織のルーツとなる
絣や浮織の技法も伝来いたしました。
その技術を応用し、15世紀初頭から織り始められたとされる読谷山花織。
琉球王朝の保護のもと、御用布に指定され、約600年の長きに渡り、
織り継がれて参りましたが、明治の廃藩置県によって花織を着用する階層を失い、
需要の減退と共に織り手も減少、沖縄戦争後は急激に衰退し、
消滅の危機に瀕したため『幻の花織』とも呼ばれました。
その後、1964年に読谷村の情熱ある有志によって約90年ぶりに復活。
人間国宝・興那嶺貞さんら、深い情熱を持った織り手によって復元されたその技術は、
現在では沖縄県指定無形文化財、経済産業大臣指定伝統的工芸品として、全国にその名が知られております。
文様のそれぞれに、
『ジンバナ(銭花):お金に困らないように』、
『カジマヤー(風車):長寿の願い』、
『オージバナ(扇花):子孫繁栄の願い』
の意味を持つ、3つの文様を基本とし、
それらの文様を少しずつ崩すことで、多種多様な模様が織り込まれるようになっております。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈164cm(適応身長159cm~169cm) (4尺 3寸 2分)
裄丈66cm (1尺 7寸 4分) 袖巾33.5cm (8寸 8分)
袖丈45cm (1尺 1寸 8分)
前巾26cm (6寸 8分) 後巾30cm (8寸 0分)
◆八掛の色:辛子色
三越扱い品
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈68.5cm (1尺 8寸 0分) 袖巾35cm (9寸 2分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、街歩き、ご友人との気軽なお食事、行楽など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯、半巾帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。