【仕入れ担当 田渕より】
御仕立て上がりならではでしょうか。
本場大島紬の有色総絣の一枚。
本当に、一代で終わらせてはもったいない、
次世代へと受け継いでいっていただきたいお着物です。
年間製反数も一万を切った今、本当に素晴しき絣織は急激になくなっております。
出会いの一枚をどうぞお見逃しなくお願い致します。
【お色柄】
シャッシャッという絹鳴り。
大島ならではの軽く着心地のよい地風。
グレーの大島地には菱取りに唐花などが織りだされました。
総絣によって表された溶け込むような絣の表情。
細やかさと色合いで凛とした面持ちに大島の上質さ、
品格さをもちあわせた素敵な仕上がりとなっております。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りました。
裏地がやや黄変しておりますが、表地には特に目立つ汚れ等は見受けられません。
【大島紬について】
日本が世界に誇る、細密絣の織物です。
大島紬は完成までに二度織られます。
一度目の締め機は、大島紬独特の精密な絣模様をつけるため。
上下の綿糸によってギュッと締められた部分は防染されて染料が入り込まず、
その染まらなかった部分が絣になるのです。
絣模様をくっきりと作るためには、大変な力で締めつけながら織り込まなければならず、
昔からこの締め機は男性の仕事とされてきました。
図案に合わせ締め機にかける糸を調節し、
確実に数ミリメートル単位の狂いもなく締め込んでいくというのは、緻密で根気のいる作業。
この時点で間違いがあれば、絣模様が出来なくなってしまうため、
力があるだけでは出来ない、神経を使う難しい仕事なのです。
その素晴らしい絹糸を高機による手織りで、一糸一糸心を込めて織り上げられます。
一反を生み出すのに、シンプルなお柄のものでも一か月。
凝った柄行のものですと、優に数か月もの月日を要します。
数センチメートル織り上げては経糸を緩め、一本一本針で絣を合わせていく。
本当に気の遠くなるような作業の繰り返しで、
大変細やかなお柄を、織りによって表現しています。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈148.5cm(適応身長143.5cm~153.5cm) (3尺 9寸 3分)
裄丈63.5cm (1尺 6寸 8分) 袖巾32cm (8寸 4分)
袖丈47.5cm (1尺 2寸 6分)
前巾27cm (7寸 1分) 後巾30cm (8寸 0分)
※居敷当なし・背伏せなし、肩裏付き
衿裏は引き紐の付いたお仕立てです。
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈67.5cm (1尺 7寸 8分) 袖巾34.5cm (9寸 1分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 単衣(5月下旬~6月、9月~10月上旬)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、観劇、お食事、お稽古、お出掛け、ご旅行など
◆合わせる帯 洒落袋帯、九寸名古屋帯、八寸名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。