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写実的な意匠で春を満喫 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.1

写実的な意匠で春を満喫 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.1

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京風きつけ教室を主宰される今井茜さんが、「女性らしさ」や「上品さ」をキーワードとして、装う方の魅力を引き出すコーディネートをご提案。初回は、爛漫の春を満喫する和美人なひと揃いをご覧ください。

よみもの

「今井茜 着ものがたり ―京都・ニューヨーク・東京」

装う方の魅力を引き出すコーディネート

今井茜さん

春から1年間、季節を感じる着物コーディネートをご紹介することになりました。

色合いが美しく、上品で落ち着いた印象を与えながら、見る人を惹きつけるコーディネート

私が得意とする着物コーディネートについてみなさまからこのようにおっしゃっていただくことが多く、また私自身、日頃よりそのようなスタイルでありたいと考えています。

季節や場面に合わせた着こなしを提案していくなかで、着物を愛するみなさまがより美しく、そして自信を持って和の装いを着こなしていただけるようになりましたら……

そんな想いを胸に、「女性らしさ」や「上品さ」をキーワードとして、装う方の魅力を引き出すコーディネートをご提案いたします。

キレイ色を味方に

やわらかで上品な色合いの着物に、春にふさわしい華やかな桜柄の染め帯をチョイス。軽やかに心はずむ水玉ぼかしの帯揚げに、白~薄萌黄色の帯締めをとりあわせました。

季節感を取り入れることで、着物姿が一層華やかになります。

一瞬にして女性の心を捉えるキレイ色な一枚は、無地感覚にも装えるぼかし染めの小紋。

まるで銀砂をふりかけたかのような銀通しの絹地に、変わり市松の地模様がおおらかに織り上げられて。控えめななかにも、光やちょっとした所作の加減で驚くほど豊かに物語り、その着姿を印象づけます。

そして、青味を帯びた薄藤色からまろやかな乳白色への変化―

二色が溶け込み変化するようすはえもいわれぬ魅力に満ちて……春ならではの、光を捉えて発光するような気配を満喫したい染め色です。

帯姿に、花開く

透明感あるキレイ色には、春とはいえキリリとした黒色がよく似合うもの。帯には、新潟県十日町市で制作された手挿し友禅の染め帯を合わせました。

ちりめんの帯地に描かれた、満開の桜景色。美しい色彩表現に魅了される写実的な作品は、黒と白ピンクのコントラストが華やかで、薄色の着物との相性も抜群です。

華やかな色は着たいけれど悪目立ちしたくない方、季節の柄を装うのに少し勇気が必要だった方に特にご提案をさせていただきたいと思います。

前帯部分

花弁うずまく前帯部分

前帯部分には、ふわりと風に舞い上がる花吹雪の情景を染めあらわして。くるりと弧を描くようすに、刹那を捉えた瞬間の美を感じます。

ちなみに、こんなお色違いも。

青空を背景に咲き誇る桜模様には、着物のお色を一歩控えても調和がとりやすいかもしれませんね。

帯の印象が引き立つ小物あわせ

みなさまは、どちらがお好みでしょう?

小物選びは重要で全体のアクセントとなりますが、色が多くなって邪魔にならないよう、控えめな印象の帯揚げをセレクトしています。

・白が多い水玉ぼかしの帯揚げ
・たっふりと白味をふくませた薄クリーム色の無地縮緬の帯揚げ

帯締めはいずれも共通。全体として、帯の印象が引き立つようなとりあわせとなっています。

春を満喫しに出かけましょう

薄藤色とクリーム色の着物は、ご年齢を問わずどなたにも着ていただけるものです。

今回の帯は、お色目こそハッキリとした印象を与えますが、桜の花弁に挿された匂やかな薄ピンク色はとても上品で、こちらも幅広い年齢層の方にお召しいただけます。

今年はとりわけ桜の開花が早く報じられています。

お食事会や観劇、お花見、お稽古などに、帯が主役のコーディネートをお楽しみください。

ステキな春のひとときを。

今井茜さんの桜の装い

静物撮影/スタジオヒサフジ
着姿撮影/TADEAI 久野藍

ITEM

ぼかし染め小紋着尺「市松・白藤色/アイボリー」

十日町手挿し友禅染め帯 「満開の桜・黒色」

十日町手挿し友禅染め帯 「満開の桜・水色」

京都富小路きねや「ぼかし帯締めソフトグリーン」

京都富小路きねや「帯揚げ 癸卯 ムラサキ×イエロー」

衿秀謹製「無地帯揚げ 水撚八丁撚糸 鳥の子色」

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