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エルメス×着物―スカーフ“カレ”を主役にして「きものとラグジュアリーの交差点」vol.3

『エルメス』×着物―スカーフ“カレ”を主役に「きものとラグジュアリーの交差点」vol.3

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4回にわたってエルメスのアイテムを取り入れた、きものの着こなしをご紹介しています。今回はエルメスのスカーフ“カレ”にフォーカス。きものの装いに添えるアイデアなどをご紹介します。

2025.12.20

ファッション

『エルメス』×メンズ着物―逸品小物をアクセントに「きものとラグジュアリーの交差点」vol.2

日本とフランスの美学が共鳴し合う

四季の移ろいを宿し、時代を超えて継がれてきた、美と精緻な職人技が息づく、「きもの」。

1837年にパリで創業し、熟練された職人の技と創造性、そして厳選された素材選びを貫き通してきた、世界のトップメゾン「エルメス」。

3回目はエルメスのスカーフ“カレ”にフォーカス。きものの装いに添えるアイデアなどをご紹介します。

スカーフ“カレ”を帯揚げに

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」

エルメスがスカーフ“カレ”の制作を始めたのは、1937年。

“カレ”とは正方形のこと。当時はすべて90センチ×90センチで作られていました。

今ではそれ以外のサイズもそろいますが、大半は90年近く前に生まれた90センチ四方で作られ続けています。

制作は、原画をもとに、色ごとに製版を作るため、使われる色の数だけ製版を作製します。そして染料の調合のほとんども、縁かがりも職人の手作業によるもの。

一枚のスカーフが完成するまで、実に多くの時間を要します。

そう。きもののように、職人による丁寧な手作業を経て完成するのです。

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」店内にはさまざまな色や柄のスカーフがそろいます

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」店内にはさまざまな色や柄のスカーフがそろいます

それぞれに描かれた、物語や思想を感じる柄は、息を呑むほどの美しさ。まるで美術館で名画を見るような感動さえ覚えます。

Hさん:エルメスをきものの装いに取り入れるなら、スカーフ“カレ”は欠かせない存在です。

とは、今回エルメスを取り入れた装いを提案してくださっているHさん。

オレンジ色の“カレ”をアクセントに

発色の鮮やかなオレンジ色の“カレ”をアクセントに

Hさん:今回はバイアス折りにして帯揚げに使っています。

スカーフは帯揚げよりも少し短いので、本結びが難しいと感じる方には、結ばずに仕上げられる、いりく結びをおすすめします。

この日のHさんの帯まわり

この日のHさんの帯まわり
(帯飾り左)シェーヌダンクル スカーフリング
(帯飾り右)パドックシュバル ピンク

全体からすれば、帯揚げは小さなパーツかもしれません。しかし、そのほんの少しのこだわりにこそ、装いのセンスが宿るもの。

エルメスのスカーフ“カレ”は、その役割を担うに相応しいのではないでしょうか。

「L'art du Temari 手鞠の宇宙」

柄も大きさもさまざまな手まりが無重力の宇宙をたゆたう優雅な柄「L'art du Temari 手鞠の宇宙」

Hさん:このスカーフには『L'art du Temari 手鞠の宇宙』という名がついています。

このスカーフを主役にした装いにするため、無地感覚の小紋を選びました。手まりの美しい柄が映えるように、お太鼓から覗く面積をいつもより少し広めに出して、スカーフの柄を見せています。

HさんがスタイリングしたMARIKOさんの装いについても教えてくれました。

MARIKOさん。きりりとクールな装い

MARIKOさん。きりりとクールな装い
(ピアス)マロキニエピアス アミュレット

Hさん:彼女の装いも、エルメスのスカーフを主役にしています。

赤い幾何学模様の小紋に、同色の帯を合わせ、帯揚げとして使ったスカーフを引き立てました。

ターコイズブルーのスカーフ

(帯飾り左)シェーヌダンクル スカーフリング
(帯飾り右)アミュレット4 ブルロック バッグチャーム GP

Hさんの計算されたスタイリングによって、鮮やかなターコイズブルーのスカーフが華やかなアクセントになり、現代的な装いが完成しました。

スカーフ“カレ”にあしらわあれたグリーンを帯締めに

スカーフ“カレ”にあしらわあれたグリーンを帯締めに

MARIKOさん:わずかしか見えないのに、“カレ”が主役の装いになりました。

エルメスのスカーフには、帯揚げではなかなかお目にかかれないような色や配色、柄がそろっています。普段の帯揚げとはまた違う、新鮮なコーディネートが楽しめるのではないでしょうか。

しなやかな触り心地と艶やかな光沢が、上質を知る、大人の女性の肌に馴染みます。

JAPONへのオマージュを感じるエルメス“カレ”の世界

エルメスのスカーフ“カレ”は、各国の文化や民族衣装などをテーマにした柄も非常に多く発表され続けています。

中には日本の文化に触発された柄も。きものを愛する方たちにとっても、心奪われるほどの魅力を感じるはず。

和をテーマにしたスカーフ“カレ”の一部をご紹介します。

エルメスのシンボル『エクスリブリス』を和柄に
『キモノ エクスリブリス(松坂屋400周年限定)』

「キモノ エクスリブリス」

2011年に発表された「キモノ エクスリブリス」松坂屋400周年限定モデル
(スカーフ)カレ90 キモノ・エクスリブス シルク マルチカラー

エルメスのブランド頭文字「H」と四輪馬車、従者が描かれた『エクスリブリス』。ジュエリーなどのモチーフにもあしらわれています。

エルメスのシンボリックなモチーフを、大胆にも和柄にアレンジしたスカーフです。

「キモノ エクスリブリス」松坂屋400周年限定モデル。

「キモノ エクスリブリス」松坂屋400周年限定モデル。
(スカーフ)カレ90 キモノ・エクスリブス シルク マルチカラー

ちなみに『エクスリブリス』とは、蔵書票、書票といって、本の持ち主を記入するために見返し部分に貼られる蔵書印のこと。これは実際にエルメスが所有する蔵書に施されているものだそう。

麻の葉や菊、波文様や鶴など、きものにも多くあしらわれる柄が多用され、優雅な和の趣が感じられる一枚です。

パリの情景を日本画にして
日本人画家・山口晃氏から見えた世界『エルメスの職人たち』

日本人画家・山口晃氏から見えた世界『エルメスの職人たち』

日本人画家・山口晃氏から見えた世界『エルメスの職人たち』
(スカーフ)カレ90 エルメスの職人たち シルク レッド

こちらは日本の画家、山口晃氏によって手掛けられた一枚。

馬とバイクが一体化した乗り物に跨っているのは男装の麗人、そして凛々しい顔つきの男性が、その乗り物の手綱を握った姿が描かれ、勇ましくも美しい芸術的な一枚です。

勇ましくも美しい芸術的な一枚

山口氏が目にしたエルメスのアトリエで働く職人の姿からインスピレーションを得たもの
(スカーフ)カレ90 エルメスの職人たち シルク レッド

その周囲には、一見すると日本の情景や職人が描かれているように見えますが、これは実際に、山口氏が目にしたエルメスのアトリエで働く職人の姿からインスピレーションを得たものだそうです。

パリで見た情景を、山口氏のアーティスティックなフィルターを通し、和の世界へと昇華させました。

緻密、かつダイナミックに描き出された作品は、羽裏(袷の羽織の裏用布)として仕立てても面白そうです。

脱いだ瞬間に現れる、“裏の美学”が堪能できるかもしれません。

きものモチーフにさまざまな更紗柄をあしらって『更紗の芸術』

オリエンタルな風情のある柄が見事な『更紗の芸術』

オリエンタルな風情のある柄が見事な『更紗の芸術』
(スカーフ)カレ90 更紗のアート シルク マルチカラー

さまざまな更紗模様を組み合わせたオリエンタルな風情のある柄が見事な、『更紗の芸術』と題されたスカーフ。

スカーフを広げ、よくみると、両袖を広げたきものが描かれており、そこに「きりばめ」のようにして更紗柄が配されています。

<p style="text-align: left">(スカーフ)カレ90 更紗のアート シルク マルチカラー</p>

(スカーフ)カレ90 更紗のアート シルク マルチカラー

インドで発祥した更紗柄を、日本の伝統衣装であるきものへと写したスカーフ“カレ”。

インドから日本へとたどり着いた、シルクロードの歴史さえ感じます。

紬などのカジュアルな装いに合わせたい一枚です。

次回、きものとエルメスを愛するリュクスな方たちが登場!?

Rさん

スタイリッシュでモダンな装いに、品格が伴う着姿のRさん

撮影をしている場に、きもの姿のご婦人がいらっしゃいました。モノトーンの装いに、色鮮やかなスカーフでケリーバッグのハンドル部を包んでいらっしゃいます。

MARIKOさん:Rさん、お待ちしていました。先日、お話しをしてくださったのは、“それ”ですね!とても素敵です。

Hさん:彼女は私たちの共通の友人で、きものの大先輩でもあるRさんです。いつもきものの着こなしがおしゃれで、きものにエルメスのアイテムも合わせていらっしゃるんですよ。

そろそろ、もうお一人もお越しくださるはずです。

次回は、きものとエルメスの装いを日ごろから楽しんでいる、きものラバーズの皆さんの装いをご紹介します。

撮影/久野 藍

2025.12.12

コーディネート

『エルメス』×着物―装いに調和する名品バッグ「きものとラグジュアリーの交差点」vol.1

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