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エルメス×着物 装いに調和する名品バッグ「きものとラグジュアリーの交差点」vol.1

『エルメス』×着物―装いに調和する名品バッグ「きものとラグジュアリーの交差点」vol.1

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4回にわたって、エルメスのアイテムを取り入れたきものの着こなしをご紹介します。まずは、きものに調和する「バッグ」について。銀座並木通りのエルメス専門店「LALÙE(ラルー)」を訪ねました。

2025.07.18

コーディネート

和ラグジュアリーな空間から大都会のパノラマを 【アマン東京】「きものでスイート」vol.10

日本とフランスの美学が共鳴し合う

四季の移ろいを宿し、時代を超えて継がれ、美と精緻な職人技が息づく「きもの」。

1837年にパリで創業し、熟練の職人技と創造性、そして厳選された素材選びを貫き通してきた世界のトップメゾン「エルメス」。

きものと、エルメス。

両者には共通する美学を感じます。

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」店内の様子

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」店内の様子

「きものとエルメスは、とても相性がいいんですよ。実は、かんざしもあるんです」

ファッションや流行に敏感なきものラバーズのHさん。すでにきものとエルメスの親和性をご存知で、存分に楽しんでいらっしゃいました。

そこで今回はHさんに、エルメスのアイテムを取り入れた、きものの着こなしをご紹介いただきます。

エルメス専門のサステナブル・ラグジュアリーブティック「LALÙE(ラルー)」

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」

ハイブランドのブティックが建ち並ぶ、銀座のメインストリートから一歩離れた並木通り。

レトロな建造物が残り、落ち着きを払うその場所に、エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)はオープンしました。

「LALÙE(ラルー)」2階のショールーム

「LALÙE(ラルー)」2階のショールーム。バーキンやケリーをはじめ、なかなかお目にかかれない限定品や逸品がそろう

店内に足を踏み入れた瞬間、そこはまるでエルメスの美学が体感できる小さな美術館。きっと誰もが静かなる高揚感を抱くはず。

エルメスを“美しく受け継ぐ”ことを大切にする「LALÙE(ラルー)」の店内には、確かな審美眼、豊富な知識と経験を持つバイヤーたちが選び抜いた逸品がそろいます。

今回の取材はこちら「LALÙE(ラルー)」にも、全面的にご協力をいただきました。

きものに合うエルメスのバッグとは

さて、“きものにエルメスのエスプリを効かせた装いのコツ”はあるのでしょうか――

きもの愛好家のHさんと、さらにLALÙE(ラルー)」オーナー夫人のMARIKOさんにも加わっていただき、エルメスの製品や、きものに取り入れるためのポイントなどを伺っていきます。

まずは、バッグについて。

エルメスの象徴『ケリーバッグ』

MARIKOさん:なんと言っても、きものに合わせていただきたいのは『ケリーバッグ』です。

ケリーバッグとお二人

「LALÙE」オーナー夫人MARIKOさん(左)
ケリー32 ダブルマテリアル ボックスカーフ クシュベル ブラック グリーン GP 〇V刻印
きものラバーズのHさん(右)は、サイズ違いのケリーバッグを手にして
ミニケリー バイカラー リザード ブラック グリーン GP 〇X刻印

女優からモナコ公妃となったグレース・ケリーが愛用していたことで名が付けられた、ケリーバッグ。高貴なその風格は、時代を経ても色褪せることはありません。

Hさん:ケリーバッグには端正な雰囲気があって、きものとも馴染むんですよね。私は背が高いから、28センチサイズのケリーバッグがバランスいいと思っていて、普段から愛用しています。

MARIKOさん:フォーマルな雰囲気でお持ちになりたい方には、縫い目が外側に施されている“外縫い”をおすすめします。きものの装いが、より格式高い佇まいになると思います。

Hさん:これは、普段私が使っているサイズより、ひとまわり小さい25センチです。

今日は小紋を着ているので、柔らかな印象になる“内縫い”もいいなと思いました。フューシャピンクは装いのアクセントになりそう。

MARIKOさん:きものには小ぶりなバッグが似合いますね。もうワンサイズ小さくてもかわいいですよ。

ケリーバッグ

そしてこんなケリーバッグも。

二人が持っているのは、エルメスファンの間で“幻のケリー”とも称されている「ケリードール」。目や口、そして手足があしらわれ、目にした瞬間、思わず笑みがこぼれてしまう、愛嬌のあるバッグです。

腕にはワイヤーが仕込まれていて、ポーズを変えることも。細部にまでエルメスのウィットに富んだ遊び心があふれています。

二人が、鏡の前でいくつものバッグを手に取りながら、きものとのバランスを確かめていると……

彼女たちの楽しそうな声に誘われるように、「LALÙE(ラルー)」のオーナー、山本拓さんがお見えになりました。

山本オーナー:エルメスって、こんなにもきものと相性がいいのですね。それならこれはどうでしょう。とても希少なケリーバッグが届いたんですよ。

二人のもとへ持ってきてくれたのは……

山本オーナー:ホースヘア素材を使用したケリーバッグです。現在は製作されていないので、僕自身も滅多にお目にかかれないほど珍しいものです。

山本オーナー:それから、こちらはケリーバッグではなくプリュムですが、この“グリシーヌ”という色、かなり珍しいですよ。一年だけエルメスで作られていた色なんです。7年くらい前だったと思います。なんとも言えない優しい色でしょう。この色を探している方も多いんです。

Hさん:素敵です。スモーキーなパープルはきものとの相性もよさそうですね。

永遠の憧れ『バーキン』

次なるおすすめは、ケリーと並び、エルメスのアイコニックなバッグ、バーキンです。

整理が苦手だった女優、ジェーン・バーキンのために、ジャン=ルイ・デュマがデザインしたのが始まりです。

1階店内の様子。ディスプレイにはさまざまな表情をしたエルメスのバッグが並びます

1階店内の様子。ディスプレイにはさまざまな表情をしたエルメスのバッグが並びます

優雅で美しい佇まいに加え、収納力もあり実用性も兼ね備えたバーキン。きものと合わせるとしたら、どのようなタイプがいいのでしょうか。

Hさん:ケリーと同様、小ぶりなサイズが合います。“外縫い”だと品格のある雰囲気に、“内縫い”はやや抜け感のある、ファッション性の高い装いになると思います。

MARIKOさんが気になっているのは……

MARIKOさんのおすすめは……

MARIKOさん:私はこのくらい遊んでも面白いなと思いますよ。

Hさん:今日のきものにもすごく合っていますね。

MARIKOさん:アクセントになるでしょう? ハンドル部分までペイントが施されているんですよ。

きものと調和するエルメスの名品バッグたち

次にHさんがディスプレイされたバッグの中からそっと手に取ったのは、鮮やかなイエローのクラッチバッグでした。

Hさん:お店の中で、真っ先に目に留まったのがこのクラッチバッグです。明るいイエローが、今日の装いにぴったりだなと思いました。今日のかんざしの色にも使われている色なんです。

淡いピンクの暈しの小紋をお召しのHさん。

きれいなイエローのバッグを手にするとお互いに共鳴し合い、甘やかななかにもどことなくスタイリッシュな“媚びない”コーディネートが完成。

かんざしとクラッチバッグのイエローがリンク

かんざしとクラッチバッグのイエローがぴたりとリンク

MARIKOさんが手にするのは、上品な雰囲気とハードなテイストが絶妙に融合するバーキンロック

MARIKOさんが手にするのは、上品な雰囲気とハードなテイストが絶妙に融合するバーキンロック

MARIKOさん:私はこのくらいパンチの効いたバーキンが好き。

ディスプレイから選んだのは、パンキッシュなデザインのバーキンでした。

MARIKOさん:どうしても、主張性のあるデザインに惹かれてしまうのよね!

Hさん:普段のファッションもかっこいい雰囲気ですものね。きものでもクールな装いがMARIKOさんには似合っていると思う。

フロント部についたポケットのファスナーが斜めに施されたり、チェーンがあしらわれるなど、ライダースジャケットを彷彿とさせるデザインです。

さらによく見ると、チェーンはエルメスの伝統的なモチーフでもあるシェーヌ・ダンクル。エルメスの洗練された創造力を感じます。

ライダースジャケットを彷彿とさせるデザイン

(バッグ)バーキン25 ヴォーヴォリュプト ブラック SS
(帯飾り左)シェーヌダンクル スカーフリング
(帯飾り右)アミュレット4 ブルロック バッグチャーム GP

MARIKOさん:きものには、“こうあるべき”というルールがありますよね。それは大切に守らなくてはならないと思います。でもファッションとして楽しむなら、こうしてエルメスを合わせたり、少しハードなテイストを合わせてもいいのではないでしょうか。

そして山本オーナーが再び店頭に。手にしていたのは、なんともスペシャルなケリーバッグ。早速、MARIKOさんに渡します。

ミレニアムを記念して作られたケリーバッグ

(バッグ)シルバーケリーSV
(髪飾り)ロカイユ バッファローホーン
(ピアス)マロキニエピアス アミュレット

山本オーナー:ミレニアムを記念して作られたケリーバッグです。すべてシルバー925で作られていて、こちらもストラップチェーンがシェーヌ・ダンクルなんですよ。

世界で50個くらいしか作られなかったと思います。エルメスをお好きでも、見たことのある方は少ないのではないでしょうか。

きもので出席されるパーティなどで持っていただきたいですね。

ヴィンテージ感として楽しんでほしい

「黒みがかった風合いをヴィンテージ感として楽しんでほしい」とMARIKOさん

MARIKOさん:シルバー製品は黒く変色しますが、このケリーバッグは、磨き上げたり指紋がつかないように使うより、あえて黒みがかっている状態でヴィンテージ感を出して持った方がかっこいいと思います。

エルメス専門のサステナブルブティック「LALÙE(ラルー)」店内の様子

一つひとつ、丁寧に作られるエルメスのバッグ。

そこには、ただ単に美しさを追求するだけでなく、日常での使い心地と、手にしたときの多幸感にまで心をくばる、職人の情熱と技術が宿っているのではないでしょうか。

実用性の中に美が宿るというエルメスの哲学に、古くから日本人が大切にしてきた「用の美」を感じずにはいられません。

きものと、エルメス。

この類なきエレガンスが融合した着こなしは、どうやらバッグだけにとどまらず、さまざまなアイテムでも堪能できるようです。

次回は「メンズのモダンスタイルと、逸品小物のアクセント術」と題して、スタイリッシュなメンズきものの装いやアクササリー使いをご紹介します。

撮影/久野 藍

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