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”私だけの宝尽くし”の帯が仕上がりました! 「京都できもの、きもので京都」vol.22

”私だけの宝尽くし”の帯が仕上がりました! 「京都できもの、きもので京都」vol.22

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かわいくて、おめでたくて、ゴージャスで、刺繍や金糸のボリューム感も好み、スモーキーパステルの色合いも優しくて、ほんとうにこうして原稿を書いている今も、笑みがこぼれています。

よみもの

山崎陽子さんのコラム「つむぎみち」(全13回)はこちら!

“最強の宝尽くし”

宝尽くしの帯

いつか欲しいと思っていた帯に「宝尽くし」があります。

宝物が散りばめられた帯は、おめでたい場面や記念日などを華やかに彩ってくれます。そこに「私だけの宝物」が加わったとしたら!

“最強の宝尽くし”ではないでしょうか?

2025.03.03

よみもの

年月を経た槌目に感謝『鍛金工房 WESTSIDE33』の鍋たち 「京都できもの、きもので京都」vol.21

『夢訪庵』のあつらえ帳の中に、オリジナルの宝尽くしを見つけて

何十冊もの写真帳

昨年の夏に「夢訪庵」の展示会に伺い、そのとき座卓に置かれていた何十冊もの写真帳を拝見しました。

それは「あつらえ帳」、今まで作ってきた帯のアルバムだったのです。

2024.11.16

よみもの

いまを生きる女性に寄り添う『夢訪庵』の表現 「京都できもの、きもので京都」vol.18

「全部で? そうですねえ、2600図案くらいだと思います」

と、なんでもないことのようにおっしゃるのは、夢訪庵率いる帯作家の桝蔵順彦さん。

桝蔵順彦さん

糸を草木で染めて、図案を描き、織りに必要な道具も自分で作り、機に向かう。

中には高校生時代に描いた図案もあり、それがまたチャーミングで、桝蔵さんのセンスの萌芽は少年時代にまで遡れるのだなあと思いました。

桝蔵順彦さんと山崎陽子さん

その中には幾つかの宝尽くしの帯もあり、スケーターの浅田真央さんスペシャル(「スケート靴」と「愛犬」と「マカロン」が!)や、有名な温泉宿の女将さんがあつらえたもの(赤い温泉マークあり)などを拝見しているうちに、ムラムラと「私だけの宝尽くし帯が欲しい!」という欲が湧いてきたのです。

宝尽くしの帯

今まで、宝尽くしの帯を見てきてどうしようか悩んだことが何度もあったし、友だちが締めているのも「いいなあ」と眺めてきたけれど、これまで持たなかったのは「このタイミングを待ちなさい」という天からの指図だったのかもしれません。

山崎陽子さん

「自分だけの宝物とは?」宿題を出されて

桝蔵さんからは、

「自分だけの宝物を3つ入れましょう。次の打ち合わせまでに考えておいてください」

と宿題をいただき、秋の展示会に伺いました。

「愛犬」「ビール」「書物」

この3つがあれば私は毎日幸せだと思い、打ち合わせに出かけました。

打ち合わせ風景

秋の打ち合わせには、京都きもの市場 京都&神戸店統括の髙島さんが同行くださいました。買い付けに来られていた仙台の呉服屋さんも一緒に和気あいあいと

「犬」は黒い甲斐犬、「ビール」はサッポロの赤星がいいと伝えると、「となると、地の色は黒じゃない方がいいですね」(桝蔵さん)と選択肢が狭まり、白汚しあたりのやさしい白をリクエスト。

桝蔵順彦さん

あと「宝尽くしには、打出の小槌、隠れ蓑、金嚢、丁子など、独特な文様がありますが、何か嫌いな柄、外して欲しい柄がありますか?」

「お太鼓と前腹の柄については、全体にみっしり入れる、ぽつんぽつんと入れる、道長取り、雪輪取りなど、いろんな柄付けがありますがどうしましょう?」

と、いくつかの質問を受けました。

打ち合わせ風景

図案は後日、京都きもの市場さんに届けていただくことに。作り手と消費者をつなぐ小売店さんの存在は心強いもの

柄付けについては、円の端が切れているようにして、反対側には白場をとってもらいました。アシンメトリーなバランスが、古典的な宝尽くしをモダンに見せてくれるような気がしたからです。

幾つかの変更を経て図案が完成

その後はスマホでのやり取りで。

デッサンを送ってもらい、柄の大きさや配置を少し変えてもらったり、前柄にはビール瓶の縦長が目立ったので、ジョッキで乾杯している様子に変えてもらったり(笑)。

いくつかの変更を経て、図案が完成しました!

図案

色合いはお任せです。これまでの「夢訪庵」の帯を見れば、私の意見など邪魔になるだけ。桝蔵さんにすべて託しました。

「夢訪庵」の帯

色合いもステキな作品たち

「夢訪庵」の帯

樹下パンダ紋!?

2021.08.27

よみもの

「フェルナンブーコ」って、なあに? 「古谷尚子がみつけた素敵なもの」vol.1

年が明け、2月には東京の呉服店で展示会があり、いらしていた桝蔵さんに会いに出かけました。

一日中お客様が途切れない3日間、私もお客様に混ざってお話したり、おあつらえの現場に立ち会ったり、楽しい時間を過ごしました。

私の宝尽くしも「あとひと月ほどで仕上がります」とのこと、桜が咲く頃には実物を見られるのではないかとワクワクしました。

何十冊もの写真帳

2025.04.07

よみもの

帯に宿る、わたしだけの物語

ついに出来上がりとご対面!一日中笑みがこぼれます

そして3月、東京の開花宣言の翌日、京都きもの市場さんから「出来上がりました」とのご連絡。

お仕立て前に、すぐに送ってもらいました。

宝尽くしの帯
宝尽くしの帯

かわいくて、おめでたくて、ゴージャスで、刺繍や金糸のボリューム感も好み、スモーキーパステルの色合いも優しくて、ほんとうにこうして原稿を書いている今も、笑みがこぼれまくっています。

宝尽くしの帯

4月17~19日には東京代官山のヒルサイドテラスにて、恒例の「夢訪庵展」が開催されます。この帯も仕立て前の帯地の状態で、みなさんにお披露目する予定です。

撮影/スタジオヒサフジ

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