商品番号:1557216
(税込)
【仕入担当 竹中より】
伊勢型紙道具彫の人間国宝・中村勇二郎。
「伊勢型写し」ではなく、情熱と愛情を込めて彫り上げられた、
本物の伊勢型を用いて染められる、江戸小紋。
その価値をご存知の方には、本当にお値打ちに感じていただけることと思います。
お着物との出会いも一期一会。
お目に留まりましたら、
是非この機会に、素敵にお召し下さい!
まずはどうぞご覧下さいませ。
【商品の状態】
リサイクル仕立て上がり品として仕入れましたが
仕付けもついたままの美品でございます
【お色柄】
昭和30年2月、伊勢型紙が持つ高度の技術に対して、六谷紀久男氏(錐彫り)、
児玉博氏(縞彫り)、南部芳松氏(突彫り)、中島秀吉(道具彫り)氏、
中村勇二郎(道具彫り)、城之口みゑ氏(糸入れ)の6名の方々が
重要無形文化財(人間国宝)に指定されました。
伊勢型の彫り師は、渋紙(和紙に柿渋を塗っていぶし、強度を高めたもの)に
求められた柄をあてて、その通りに小刀を走らせます。お柄にもよりますが、
小紋などは、数ミリのズレも許されないまさに職人芸。一つの作品に一ヶ月
かかることなど珍しくなく、その間、彫師はただひたすら、「アテ場」と
呼ばれる型彫専用の机で孤独な作業にとり組みます。
それでも、そこまでして生み出されたにもかかわらず、限りのある型の寿命。
染めを繰り返しますと、型はどうしても破損してしまいます。
一部でも破損すれば、永遠に同じものを製作することはできません。
その型が一つ減り二つ減り、今となっては希少価値も大変高くなっております。
ご存知、人間国宝、故・中村勇二郎氏…
昭和60年、御年83歳で死去された中村勇二郎氏の、今に残された型紙は、
伝統的な「伊勢型」というものの歴史の一部であり、中村氏がその生涯に
わたって心血を注ぎ、練磨した技の証で御座います。
「型彫り職人になるんやから、人一倍努力して、誰にも負けん職人になってやる」
人生を通して『道具彫』を極めた匠。
『道具彫り』は、型を彫る小刀の刃自体が小さな花や幾何学紋様を形成しており、
職人はまず、その型を彫るための刃、『道具』を手作りします。それら幾本かの
彫刻刀の組合わせによって、一つの作品が彫られていくため、それぞれの型の
パターンに、型を彫った職人の個性と繊細な仕事ぶりが現れてまいります。
その手作りの彫刻刀、『道具』がゆうに三千本超え。
自らの手でつくりだした道具を自在に扱い、彫り上げた型はまさに神業。
昭和30年2月15日、伊勢型紙彫刻道具彫り技術において、重要無形文化財保持者、
いわゆる人間国宝に認定されてより後も、文化振興や後継者養成に尽力し、
皇族への彫刻実演、作品献上も数多くございます。
今回ご紹介させて頂きますのは、その名匠の彫り上げた型を用いまして、
特選の生地にて創作致しました逸品でございます。
さらりとした質感の煉瓦色の地に浮き沈みする、細密なる意匠。
浮かびあがるのはご存知「古代菊」の意匠。
遠目に無地の仕上がりは
帯あわせ次第でご年齢関係なくご愛用いただけることでしょう。
後世に伝えたい思い、後世に残したいその業。
お手元でご愛用頂ける一品となりましたら幸いです。
どうか、この機会をお見逃しなくお願いいたします。
【 中村勇二郎(重要無形文化財保持者)について 】
【 生年・認定年・享年 】
1902年(明治35年) 9月20日生
1955年(昭和30年) 重要無形文化財「伊勢型紙道具彫」の保持者に認定
1985年(昭和60年)10月20日没 享年83歳
伊勢型紙彫刻師。
手作りの彫刻刀3000本以上を用い、
数多くの型紙を残した。
父の中村兼松は型紙業を営む中村家の3代目。
小学校6年頃より父の手伝いを始め、高等科卒業後、
大正4年頃から他の弟子とともに父に伊勢型紙の
道具彫り技術を本格的に学ぶ。
1952年に文化財保護委員会より江戸小紋伊勢型紙
技術保存の指定を、1955年に他5名と共に
重要無形文化財伊勢型紙技術保持者として認定。
1963年には伊勢型紙伝承者養成事業の道具彫り
講師となる。
主な作品
「古代菊の図」(1980年)
「瑞雲祥鶴の図」「四君子の図」「壮龍の図」
【 経歴 】
1902年 三重県に生まれる
1915年 伊勢型紙の道具彫り技術を父に師事
1955年 重要無形文化財(伊勢型紙彫刻道具彫り)保持者に認定される
1970年 大阪万国博「県の日」に伊勢型紙の彫刻実演を披露
1972年 天皇陛下から勲五等瑞宝章を授与される
1973年 高松宮殿下に彫刻実演を披露 「菊水ノ図」を献上
1975年 皇太子・同妃殿下に伊勢型紙の彫刻実演を披露
皇太子殿下に「瑞雲祥鶴ノ図」を献上
1976年 常陸宮殿下に「壮龍ノ図」を献上
1980年 宮殿下に「四君子ノ図」を献上
第31回全国植樹祭にて天皇・皇后両陛下に伊勢型紙の彫刻実演を披露
皇陛下に「古代菊ノ図」を献上
三笠宮殿下に「双鶴ノ図」を献上
1981年 秩父宮妃殿下に「鶏鳴ノ図」を献上
1984年 高円宮殿下に「翔馬ノ図」を献上
1985年 三笠宮殿下に「卯ノ図」を献上
83歳で永眠
◆表裏:絹100% (お誂え・お仕立ては手縫いです)
八掛 赤茶 無地
身丈(背より) | 151.5cm (適応身長156.5cm~146.5cm) (4尺0寸0分) |
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裄丈 | 64.7cm(1尺7寸1分) |
袖巾 | 32.2cm(0尺8寸5分) |
袖丈 | 49cm(1尺2寸9分) |
前巾 | 22.8cm(6寸0分) |
後巾 | 30.3cm(8寸0分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈66.6cm(1尺7寸6分) 袖巾33.3cm(8寸8分) 袖丈52.2cm(1尺3寸8分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 30代~
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、女子会、趣味のお集まり、お茶会、お稽古事、カジュアルパーティーなど
◆あわせる帯 袋帯、九寸帯、八寸帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※お仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。