【 仕入れ担当 中村より 】
伊勢型紙道具彫の人間国宝・中村勇二郎。
「伊勢型写し」ではなく、情熱と愛情を込めて彫り上げられた、
本物の伊勢型を用いて染められる、江戸小紋。
今回ご紹介のお品は、なんと100枚の伊勢型を
使用して染め上げられたお品でございます!
明治、大正、昭和と、伊勢型紙彫刻師として、
その道ひと筋の人生を歩んだ師の世界の集大成ともいえる逸品でございます。
お目に留まりましたら是非ともお見逃しなく!
【 お色柄 】
しっとり…肌上を心地よく滑る上質な絹地。
触れるだけでその上質さを感じ取っていただけることでしょう。
地色はわずかに紫みを感じる墨黒色。
その地に染め出されたお柄の数々…
エ霞や遠山の構図で実に趣豊かに表されております。
現在では、伊勢型紙の技術も後継者が少なく、
いわゆる定番な柄行・大きさのものばかりが創られているようですので、
本品のような創作性にあふれたものは、ほとんど見ることができません。
良きものをお探しの方に…
ぜひともこの機会にお求めくださいませ。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 中村勇二郎について 】
1902年(明治35年) 9月20日生。
1955年(昭和30年) 重要無形文化財「伊勢型紙道具彫」の保持者に認定。
1985年(昭和60年)10月20日没。享年83歳
伊勢型紙彫刻師。
手作りの彫刻刀3000本以上を用い、
数多くの型紙を残した。
父の中村兼松は型紙業を営む中村家の3代目。
小学校6年頃より父の手伝いを始め、高等科卒業後、
大正4年頃から他の弟子とともに父に伊勢型紙の
道具彫り技術を本格的に学ぶ。
1952年に文化財保護委員会より江戸小紋伊勢型紙
技術保存の指定を、1955年に他5名と共に
重要無形文化財伊勢型紙技術保持者として認定。
1963年には伊勢型紙伝承者養成事業の道具彫り
講師となる。
主な作品
「古代菊の図」(1980年)
「瑞雲祥鶴の図」「四君子の図」「壮龍の図」
【 経歴 】
1902年 三重県に生まれる
1915年 伊勢型紙の道具彫り技術を父に師事
1955年 重要無形文化財(伊勢型紙彫刻道具彫り)保持者に認定される
1970年 大阪万国博「県の日」に伊勢型紙の彫刻実演を披露
1972年 天皇陛下から勲五等瑞宝章を授与される
1973年 高松宮殿下に彫刻実演を披露 「菊水ノ図」を献上
1975年 皇太子・同妃殿下に伊勢型紙の彫刻実演を披露
皇太子殿下に「瑞雲祥鶴ノ図」を献上
1976年 常陸宮殿下に「壮龍ノ図」を献上
1980年 宮殿下に「四君子ノ図」を献上
第31回全国植樹祭にて天皇・皇后両陛下に伊勢型紙の彫刻実演を披露
皇陛下に「古代菊ノ図」を献上
三笠宮殿下に「双鶴ノ図」を献上
1981年 秩父宮妃殿下に「鶏鳴ノ図」を献上
1984年 高円宮殿下に「翔馬ノ図」を献上
1985年 三笠宮殿下に「卯ノ図」を献上
83歳で永眠
【 伊勢型道具彫りについて 】
刃自体が花・扇・菱などの形に造られた
彫刻刃使用して様々な文様を彫り抜く技法。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈161cm(適応身長156cm~166cm) (4尺 2寸 5分)
裄丈68cm (1尺 8寸 0分) 袖巾34cm (9寸 0分)
袖丈49cm (1尺 3寸 0分)
前巾24cm (6寸 3分) 後巾29cm (7寸 7分)
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 現状が最大寸法です。
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、お食事、街着、お茶席、お稽古など
◆あわせる帯 袋帯、綴れ名古屋帯、名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。