【 仕入れ担当 渡辺より 】
生絹(きぎぬ)地に板締め絣による柄表現の
特選工芸九寸名古屋帯のご紹介です。
絣の形状、組織より、国画会所属の
某染織作家の作品かと存じ上げます。
やや凹凸のある織と絣によるお柄、
涼やかな地風が味わい深い仕上がりとなっており
単衣、盛夏の時期の小紋や織のお着物、上布、
自然布のお着物にあわせて、スマートな帯姿を
お楽しみいただける事でしょう。
【 お色柄 】
『さりさり』とした独特の強いシャリ感を感じさせる
軽やかな薄生成り地をベースに、板締め絣による
蓬色の山路文様に、黄朽葉と杜若色の道屯状の浮織による
ラインが重ねて織り描き出されております。
一見してシンプルなデザインで、単純にもみえますが、
素人目の第一印象だけでは見えない細やかな細工が施されており、
その品質と技術の高さは呉服のプロをうならせるものとなっています。
【 生絹(すずし)について 】
源氏物語にも幾度と無く登場する繭から引き上げたままの、
手を加えない生の糸(きいと)で経緯を織りあげた布のこと。
蚕がつくる絹糸の外側のセリシン(膠質)がついたままの
生糸(綺の糸)を用いる事で、ハリやシャリ感があり、
夏の暑さには肌にベタつかず快適な着心地の生地感となる。
平織りでありながら紗の風合を持ち、独特の夏単の生地として
人気を得て、昭和の初期頃まで伝えられていたが現在では
ほとんど見られなくなった。
絹100%
長さ約3.64m(お仕立て上がり)
柄付け:全通柄 ※返し三尺は縞のみ
※素材の性質上、フシによる凹凸組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
◆最適な着用時期 6月から9月の単衣、盛夏の時期
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お稽古、芸術鑑賞、観劇、ご友人との気軽なお食事、街歩き など
◆あわせる着物 小紋、織のお着物 など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワがついております。この点をご了解くださいませ。