【 仕入れ担当 田渕より 】
この繊細な絣の技。
是非お手元でご堪能頂きたい逸品です。
紬織物の女王、大島紬。
今回ご紹介するお品は大島紬好きの方が、「いつかは割り込み」と仰る割り込み絣。
その数が激減する未仕立ての逸品を仕入れて参りました。
2022年の奄美大島の生産反数は3000点を切りました。
もちろん鹿児島も例に漏れず生産数はどんどん減っております。
未だ人気の高い龍郷などは前年と同水準で織られていますが、
本品のようなハイクラスのお品は
一桁台の生産数になってしまっております。
大島紬に少し詳しいお方でしたら、その希少性はお分かりいただけることでしょう。
大島を愛する方々へ…
どうぞごゆっくりご覧下さいませ。
【 お色柄 】
大島特有のサラリとした肌触り。
地色は深い黒色で織り上げられました。
お柄には割り込み絣にて、細やかな絣模様を込めた間道柄があらわされました。
本当に細やかな「I」と「E」が作り上げる、精緻な絣のデザイン。
流行に左右されない大人の洒落着として。
素敵に装っていただきたく存じます。
手織りの大島独特の滑らかな手触りとシワになりにくい性質、
着れば着るほど着心地がよくなる素晴らしい風合いを楽しみながら、
母から娘へと末永く大切にお召しいただきたいお品です。
【割込絣について】
明治30年代のころ永江伊栄温翁によって現在の織締機が発明され、
複雑かつ緻密で変化に富んだ絣や、帯締等の特殊な技法も考案され、
割込み絣がつくられるようになりました。
しかしながら、その締めや織りなどの技法が大変難しかったため、
割込み絣は長らく途絶えていました。
昭和40年代なかばに復活しましたが、現在では本割り込み式を織れる方が、
激減しているため、数も出回らず、すでに入手する事が難しくなっています。
カタスと一元を両方使用していれば「割り込み」とよく勘違いされておりますが、
実際の「割り込み」式の絣糸の配列は、
一元→カタス→一元→カタスと続かなくてはならず、
一元の十字、カタスの「T」字が、ちょうどアルファベットの「I」と「E」を連ねたような表情になります。
割り込み絣を用いることで、平面的な色味の濃淡ではなく、織と絣の重なりによって生まれる3次元的な陰影の表現が可能となります。
また、カタス式、一元式どちらか一方のみでは表現し得なかった、繊細な曲線を表すことも可能です。
絹100%
長さ約13.5m 内巾37cm(最長裄丈70cmまで)
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齡は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、お食事、お出かけ、行楽など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
[ 袷 ]
地入れ3,300円+※胴裏7,260円~+八掛8,800円+お仕立代28,600円(全て税込)で承ります。
[ 単 ]
地入れ3,300円+衿裏2,200円+お仕立代28,600円(全て税込)で承ります。
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)