【仕入れ担当 田渕より】
大島でも結城でも出せないこのほっこり感…
今では本場結城紬よりも手に入れることが難しいとされる久米島紬。
指定を受けてからさらに室町でもなかなか出会う機会が少なくなりました…
中でも特別な魅力を放つ、久米島の無地を訳ありのお値打ちにご紹介致します。
心あたためる織の逸品…
好みのお色に染めるも良いでしょう。
お目に留まりましたらどうぞこの機会にご検討下さいませ。
【お色柄】
無地でありながら…
なぜか感じられる豊かな奥行き。
まろみのある白が演出する和の知的感性、
大人の女性の上等カジュアルに、これほどふさわしいお品はございません。
絣ものではございませんので、重要無形文化財に指定される技術の
一部のみを使用されて織り上げられたお品となりますが、
そこはやはり久米島紬、絹布を触る手をもふうわりと包み込むかのように
本当に趣深い地風が、紬の島の本物の技を感じさせてくれます。
泥染めの茶もその味わいが良いのですが、
どうしても民芸味が強く感じられるところ。
無地織には実に洗練の佇まいがございます。
【状態について】
B反として仕入れて参りました。
巻終わりから約1mにかけてうっすらとヤケによる変色がございます。
(※画像の黄色矢印の幅は1cmです。)
【久米島紬について】
「紬の島」と呼ばれる久米島。
琉球王朝時代には、沖縄本島と中国大陸を往来する
唐船や南蛮船の中継地として重要な役割を果たしてきました。
一反出来あがるまで約3ヶ月間、織りだけでも約1ヶ月―
近年は結城よりも希少価値が上がっていると言われております。
久米島紬の特色は、分業しないこと。
意匠、糸括り、染料づくり、染め、織り、砧(きぬた)打ち…
すべての工程を一人の織り手さんがこなしていきます。
糸は真綿からひいた手紡ぎの糸、染料は島内で採れる草木、そして豊かな大地の恩恵、泥染め。
織り上げには、手投杼を用いて心を込めた手織りがなされます。
久米島には、政策的に紬織りを強制された歴史があります。
織物を貢納布として収める人頭税の時代、苦しい過重な税制によって、
皮肉にも織物の技術は飛躍的に向上したとも言われております。
老いた織り子が、自分の手を示しながら、織り方が下手だと言われて、
役人に鞭打たれたことをとつとつと語った時代。
貢納布の制度は200年以上続き、自由に生産ができるようになったのは、
明治の時代からですので、そう昔のことではありません。
化学染料による染め、機械による大量生産をかたくなに拒否。
草木染め・泥染め・手織りの「手仕事」を誇りにして一反、一反、
地道に織り上げられてきたのが久米島の紬なのです。
2004年、国の文化審議会文化財分科会にて、久米島紬を重要無形文化財に、
またその保持団体に「久米島紬保持団体」を認定するよう答申がありました。
その後、無形文化財の指定要件として、以下4件が文部科学省から告示されました。
(1)糸は紬糸または引き糸を使用すること
(2)天然染料を使用すること
(3)絣糸は手括りであること
(4)手織りであること
絹100%
長さ約13m 内巾約35cm(最大裄丈約66cm)
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、お食事、お出かけ、ご旅行、カジュアルパーティーなど
◆合わせる帯 洒落袋帯、名古屋帯 半巾帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
地入れ3,300円+※胴裏7,260円~+八掛8,800円+海外手縫い仕立て26,400円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+12,100円(税込)