【 仕入れ担当 中村より 】
着物通が思わず唸る逸品。
存在感あふれる繊細なお柄行が魅力のひと品を仕入れてまいりました。
ここまでのお品、まず滅多とご紹介ができません。
お手に取っていただければその素晴らしさにすぐ気付かれることと存じます。
ここまでの重厚感を醸し出しながら、
軽くしなやかな風合い…。流石は名門。
通も唸る逸品に仕上がっております。
西陣で一番古い機屋の織りなす傑作。
どうぞお見逃しなくお願い致します。
【色柄】
高級感を醸し出す引箔地は金から深緑へ移り変わる幻想的な帯地。
富貴な絹糸と繊細な箔糸使いにて、
カトレアの花模様を大胆な構図で織りなしました。
アールヌーボー調のその意匠は、
まるでエミールガレの作品を思わせるような立体感、奥行きを感じさせます。
まず他の西陣帯には見られない特別な織りあじ、
それこそが「御寮織」なのだと、お伝えしたく思います。
常に最高級のものを求められる方には、きっとご納得いただけましょう。
限られた場の限られた方にしか販売されることのないお品です。
ご存知の方でしたら、本当に驚かれるお値段かと思います。
現実的な価格で紋屋井関の袋帯をご紹介できる機会はかなり稀ですので、
お心に留められた方には、是非ともお手にとっていただきたく思います。
代々と受け継いでゆける、いえ受け継いでゆくべき至高のひと品を…
自信と責任をもっておすすめいたします。
末永く、大切にご愛用いただけましたら幸いです。
【紋屋井関・御寮織について】
1200年前の平安京誕生以来、宮廷織物師たちによって育まれてきた西陣織。
その中でも特に、「紋屋井関」の名前で呼ばれていた「井関家」は、
西陣の紋織創始者を遠祖にもち、室町時代の末期に御寮織物司として
任命された六家のうちのひとつとして知られております。
御寮織物司は、
公家の高倉家・山科家の両家を通じて禁裏の装束や公家装束、
将軍・大名などの衣装を、江戸末期に至るまで織り続けました。
時代の流れにともなって「御寮織物司」という制度はなくなりましたが、
紋屋井関はその伝統を現代にも引き継いでおります。
禁裏装束の復元といった文化事業にも協力を惜しまないその姿勢は、
西陣織文化の守り神のような存在といっても過言ではありません。
歴史と伝統、実績に裏付けられた名門の匠による超逸品。
なかでも、本品のように、
ここまで風雅な気品が光る作品は、そうそうございません。
御寮織の価値を高める要素のひとつに素材の贅沢さがあります。
プラチナ、本焼金糸、本金糸、本金箔、銀箔など、
熟練した技術と厳しい眼をもつ工藝士によって作られ吟味された最高級の素材。
それらより確かな腕が生み出す逸品…
優れた技術と意匠の集大成が御寮織なのです。
【引箔について】
三椏(みつまた)や楮(こうぞ)で作った和紙に目止めをし、
その上に金箔、銀箔、プラチナ箔、真珠、らでん、漆など、大変
高価な素材を使ってさまざまな柄を作ったものです。
その薄い金銀箔を張った無地のものや、漆に顔料を混ぜて多彩な色を出したもの、
それらを組み合わせて模様を表したものを極細に裁断し、それを一本一本丁寧に
織り込んでゆきます。
和紙に片面だけ色柄を付けたものなので、裏返ると土台の紙が見えてしまう
大変難しい作業。したがって「引箔」を織り込む場合は一度「機」を止めて
ヘラで一本一本引き揃えるように織り込まなければなりません。
絹71% 指定外繊維(和紙)16% ポリエステル8% レーヨン5%
長さ約4.35m(お仕立て上がり時)
紋屋井関謹製
おすすめの帯芯:綿芯
六通柄
耳の縫製:かがり縫い
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式、披露宴、パーティー、音楽鑑賞、観劇、お食事会、付き添いなど
◆あわせる着物 色留袖、訪問着、付下げ、色無地など