【仕入れ担当 田渕より】
まるで染め描かれたかのような、細やかな絵絣模様…
丁寧な丁寧な手仕事。
繊細な技術を駆使した小千谷紬。
昔ながらの伝統的技法を頑ななまでに守り抜き…
心を込めて織り上げられた、本場小千谷紬をご紹介致します。
【お色柄】
所々に節糸の浮かび上がる紬地。
自然な深みある黒色を基調とした地に、
風雅な草花や茶屋辻などを込めた段模様を織りだした魅力あふれる一枚。
実際に手にとって頂ければ、
その丁寧な技や考え抜かれた意匠美がご理解頂けると存じます。
人の手のぬくもり、心のあたたかさが込められた力のある作品に仕上がりました。
織りの逸品として、終生大切にお召しいただきたく思います。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたがおおむね良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【小千谷紬について】
小千谷織物は、1680年頃に絣付け技術の原型が
考案され、多くの職人たちの手で改良が加えられた後、
自在に織模様を表現する技法として成立いたしました。
1.基本図案を木羽定規又は板定規に転写して使用すること。
2.絣模様は手くくり又は手摺り込みの技法によること。
3.緯絣糸は張り台にかけ定規を1枚ずつ取り出し耳印をつけたのち墨付けを行うこと。
4.手摺り込みにより、糸の芯部まで染料を浸透させること。
5.絣糸は蒸気で発色させ、色止め、水洗いを行うこと。
上記の項目をすべて満たし、本当に美しい絣意匠を織りなした本品。
この技術は、18世紀前半から現在に至るまで、
小千谷絣織物独自の基調な工芸技術として
受け継がれております。
まるで染め上げたかのような複雑な絵絣は、絣図案の制作そして定規作りから始まります。
板や紙に十数条の細かい溝を掘り、絣図案を転写します(図案を線状に分解)。
さらにその図案を、薄板を重ねたものを締めた定規のうえに転写(木羽定規)。
これによって、糸のどの位置に色が入れば絣模様ができるのかが決まります。
そして、糸作り。
繭を裂き、綿状にしてから糸にして紡ぎ、真綿の風合いを出します。
柄模様は、織る前の糸に木羽定規を合わせて、糸に直接染料を摺り込みます。
色止めの後、織幅の端の目印となる「耳じるし」を合わせながら織り上げます。
絵絣が美しく表現されるよう経緯の糸を固く機巻きし、
あとは丁寧にこつこつと機を手仕事で織ってゆくのです。
表裏:絹100% 縫製:手縫い
背より身丈159.5cm(適応身長154.5cm~164.5cm) (4尺 2寸 2分)
裄丈64.5cm (1尺 7寸 0分) 袖巾33cm (8寸 7分)
袖丈48.5cm (1尺 2寸 8分)
前幅24.5cm (6寸 5分) 後幅28.5cm (7寸 5分)
◆八掛の色:辛子色
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈68cm (1尺 8寸 0分) 袖巾35cm (9寸 2分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌5月の袷の季節
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、観劇、街着、ランチ、行楽など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯、半巾帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。