【仕入れ担当 田渕より】
正倉院御物から組紐の組織を研究し、
その組巾を帯巾まで広げることに成功した、
組帯の第一人者・伊豆蔵明彦氏率いる、ひなや工房。
通好みの表情豊かなお品を多く排出してきた
その「ひなや工房」より…
組みの表情に刺繍がほどこされた袋帯のご紹介です。
近年ご紹介も少なくなった特選品を特別買付けして参りました!
お目に留まりましたら是非ご検討くださいませ。
【お色柄】
きゅっといかにも締めやすそうな密な地風の帯地。
落ち着きある藤色の濃淡で斜段をあらわして。
金の箔糸をたっぷりと織り込んで、
お太鼓にはふっくらと刺繍にて、風雅な花意匠を込めた雪輪模様が表されました。
高雅な金糸の輝きがぐっと格高い印象に。
お着物姿をより一層ひき立てるこの上ない逸品。
体の線に馴染むしなやかさ、シワにならずゆるみにくい、本当に締めやすい織り上がり。
「ひなや」ならではの技術が詰まった作品です。
一味違う後姿をご堪能下さいませ。
【状態について】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
うっすらと畳皺がございますのでお届け前にプレス加工をサービスいたします。
【ひなや工房について】
伊豆蔵明彦氏は、正倉院御物に残る束帯(聖徳太子が刀をさげている紐)の組み紐の組織に見せられ、
長年の研究と試行錯誤の結果、
7~8cm幅までしか組めなかった組み紐を帯幅まで広げることに成功されました。
現在ではタペストリーや段通まで組み上げ、
その作品は国内外の高い評価をうけています。
単純なバイアスの無地を帯幅まで組むのに300以上の玉数が必要で、
柄や組織によっては2400玉や9600玉など気の遠くなる玉の動きが必要となります。
また、柄が複雑になればなるほど規則的な玉の動きでは足りず、
絵を描くように、それぞれの縦糸が、ある時は横糸の動きをし、
ある時は裏にまわって隠れたりしながら柄をあやなしていきます。
この技法とは布の三要素である、織る、組む、編むを自由に組み合わせる事が出来、
その複雑な糸の流れにより美しい柄行が表現されるものです。
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.4m
耳の縫製:かがり縫い
お太鼓柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齡は問いません
◆着用シーン 式典、パーティー、音楽鑑賞、観劇、お食事会、レセプションなど
◆あわせる着物 訪問着、付下げ、色無地など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。