【仕入れ担当 田渕より】
大島の最高峰、割込絣。
最近では見かける機会が本当に少なくなりました…
そんな中で、これほどまでの美しいデザインのお品をご紹介できる機会に恵まれました。
名門、窪田織物による割込絣。
この出逢いを大切に思いつつ、
ここ室町から心を込めてお届けさせていただきます。
【お色柄】
まずは絣部分をじっくりと御覧くださいませ。
Tでも十字でもない複雑な絣…割り込み絣です。
本品は、泥染め特有の深みある黒茶色を基調に、
有栖川鹿文に割付模様を一面に織りなしました。
見れば見る程に惹きこまれるような、魅力溢れる仕上がりでございます。
絣によるさまざまな意匠をあらわすのに費やされた美への情熱と想像を絶する時間。
唯一無二の美を語るにふさわしい逸品と存じます。
気が遠くなるような手間と時間をかけて織り出された手仕事の結晶…
ここまで立派な割込式のお品は、市場でもほとんどございません。
終生お手元でご愛用いただければと願いつつ、
大切にお届けさせていただきます。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【割込絣について】
明治30年代のころ永江伊栄温翁によって現在の織締機が発明され、
複雑かつ緻密で変化に富んだ絣や、帯締等の特殊な技法も考案され、
割込み絣がつくられるようになりました。
しかしながら、その締めや織りなどの技法が大変難しかったため、
割込み絣は長らく途絶えていました。
昭和40年代なかばに復活しましたが、現在では本割り込み式を織れる方が、
激減しているため、数も出回らず、すでに入手する事が難しくなっています。
カタスと一元を両方使用していれば「割り込み」とよく勘違いされておりますが、
実際の「割り込み」式の絣糸の配列は、
一元→カタス→一元→カタスと続かなくてはならず、
一元の十字、カタスの「T」字が、ちょうどアルファベットの「I」と「E」を連ねたような表情になります。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈152cm(適応身長147cm~157cm) (4尺 0寸 1分)
裄丈64cm (1尺 6寸 8分) 袖巾33cm (8寸 7分)
袖丈45cm (1尺 1寸 8分)
前幅27.5cm (7寸 2分) 後幅30.5cm (8寸 0分)
◆八掛の色:黒色
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈72cm (1尺 9寸 0分) 袖巾36cm (9寸 5分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、ご友人との気軽なお食事、街歩き、行楽など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。