【仕入れ担当 田渕より】
沖縄の風と光が織りなす、きらめくように美しいひと品。
その技術は口承されているだけという、
八枚綜絖の「喜屋武八枚(きゃんはちまい)」の花織紬。
1998年に、沖縄県から伝統工芸製品の指定を受けた、
非常に高度な手織技法を必要とするひと品でございます。
中でも藍染を用いた逸品となると本当に数がございません…
光の加減で御召のように色彩を変え、浮き沈みし、表情豊か…
たくさんの心が込められた…本場琉球南風原花織。
お手元でご覧いただければ、一層その美しさを実感いただけることでしょう。
どうぞお見逃しないようご覧下さいませ。
【お色柄】
絹本来の美しい光沢を放つ二色の糸が経緯ともに交互に織り込まれ、
一糸の乱れもなく、実に規則正しく、繊細細緻な浮き織りとなっております。
お色は深い絹本来の美しい光沢を放つ二色の糸が経緯ともに交互に織り込まれ、
一糸の乱れもなく、実に規則正しく、繊細細緻な浮き織りとなっております。
お色は深い胡桃染色に藍色を基調として
柔らかな光沢感のある一枚です。
光の所作で色味の印象が変わり、着姿となればその色彩変化は本当に美しいもの。
遠目にはシンプルな格子模様に見えるような、
それでいて、近づいたときにはハッとする。
表だけではなく裏も美しく、多色を用いた花織とはまた別の…
感性に響くような高貴さと、洗練された面持ちでございます。
「んじゃりがな 分かち布なする女 花んやしらみん織どさびる」
もつれた糸を切らずに一本の糸に解きほぐして、布にしてみせましょう
女ですもの、難しい花織でもやしらみ織(紋織)でも織ってみせましょう
どんなにもつれた糸でも解きほぐす位の忍耐と辛抱強さ。
花織の織り手さんには、心の強さがございます。
沖縄人の強くあたたかな精神とともに…
美しいく花開いた布を、豊かな心で楽しんでいただきたく存じます。
まさに織りの宝。
琉球紅型の帯なども、美しく映えることでしょう。
その他無地紬と同様に着こなしていただけ、帯合わせも本当に楽しくなります。
本場琉球の力ある織りもの、しかも、ざっくり真綿系というよりも、
ほのかな光沢感を備えたしなやか系のお品ですので、
高級なお洒落袋帯を合わせて、ちょっとしたパーティなどにも素敵です。
本当に、ため息がこぼれます。
なかなかご紹介の機会もございませんので…。
織りのおきものファンの方には、どうぞお見逃しなきようにお願いいたします。
【状態について】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【喜屋武八枚について】
『喜屋武』とは南風原町内の地域の名称で、
『喜屋武』でおられた八枚綜絖の花織をさします。
喜屋武八枚は別名ヤシラミ織とも呼ばれ、
文様が鑢(やすり)の目に似ていることからこの名がつきました。
経糸2本一組、その2本の糸が色違いで入っており、
緯糸も2本の色違いの糸が交互に並ぶため、
細かい縞のような模様に見える織の表情となります。
その表現を可能にしたのが八枚綜絖。
織物の場合緯糸を通す杼道をつくるために、経糸を上下させますが、
その道具を『綜絖(そうこう)』といいます。
綜絖には平織りのための地綜絖と、花織のための花綜絖があり、
南風原花織では、仕事をしやすくするために、
既成のものではなく、独自に創作した綜絖が用いられております。
花織は文様によって花綜絖の枚数が変わり、
文様が複雑になればなるほど、花綜絖の枚数が増え、
作業が複雑になるため絣は1ヶ月平均2反程の織り上げが可能なところ、
花織は月平均1反織れるかどうか…それほどの手間暇がかかってまいります。
その中でも熟練の技術、手間隙を必要とするのが
この『喜屋武八枚』の織技法となっております。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈159cm(適応身長154cm~164cm) (4尺 2寸 0分)
裄丈68cm (1尺 8寸 1分) 袖巾34cm (9寸 0分)
袖丈49cm (1尺 3寸 0分)
前巾25cm (6寸 6分) 後巾30.5cm (8寸 0分)
◆八掛の色:薄縹色
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 現状が最大寸法です。
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、音楽鑑賞、観劇、お食事、お出掛け、ご旅行、趣味のお集まりなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。