【仕入れ担当 田渕より】
稀代の着物作家、久保田一竹。
自然を心から愛し、礼賛し…
その久保田一竹の夢と技術を受け継ぐ【一竹工房】の
特選訪問着をご紹介いたします。
今回は別誂えの金通し地が良く映える無地暈しの一枚。
お目に留まりましたらぜひお見逃しなく!
【お色柄】
別誂えの極上の絹地には、繊細な金通しがあしらわれて。
差し込む光にそっと浮き沈みするような一面の草花意匠…
淑やかな雰囲気を醸し出すその地を
艶やかな紫色を基調として溶け込むような淡い暈し染めを施して。
お色味が絶妙に、溶け込んだように入り混じる様は、
それが絹地の上であることを忘れさせるほどです。
この存在感。
この空間性。
そして…こころ惹きつけてやまない、この魅力。
やわらかな絹の艶をまとうかのように、極上のエレガンスを味わせてくれます。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【久保田一竹について】
室町時代に一世風靡した辻ヶ花。
江戸時代に入ると忽然と姿を消したため“幻の染め”とも呼ばれております。
その世界を独自の感性で蘇らせたのが初代・久保田一竹氏です。
一竹氏の辻ヶ花との出会いは20歳の時。
東京国立博物館での衝撃により、生涯をその研究にささげることを決意。
戦時下での召集などの困難を乗り越え、手描き友禅を生活の糧としながら、
研究を続け、60歳にして初めて納得のいく作品を完成させたといいます。
これが「一竹辻ヶ花」と命名された逸品お着物の始まりでございます。
以来、国内はもとよりヨーロッパ、北米においても展覧会を開催し、
とりわけ、フランスでは、世界に芸術的な影響を与えたということで、
フランス芸術文化勲章を受賞されるほどの反響を生み出しました。
また、現存作家の個展を過去一度も開催したことのない、
アメリカのスミソニアン博物館(国立自然史博物館)にて、
個展を長期開催するにまでいたっております。
世界が認める氏の辻ヶ花は、まさに美術品の域に達しているといっても
過言ではございません。大量生産の辻ヶ花とは比べるまでもなく、
少し名の通った作家の作品ですら、その気品や格調、存在感において、
一線を画しております。
それは、選ぶ生地に始まり、緻密に計算された構図の美学。
色彩の魅力、染の加工、気の遠くなるほどに
緻密で正確な絞りの針通しなどによって生み出されるもので、
一竹氏の技なくしては、表現できない極地でございます。
2003年、惜しまれながらも一竹氏は他界されてましたが
その技は次の世代へと引き継がれております。
表裏:絹100% 縫製:手縫い
背より身丈173cm(適応身長168cm~178cm) (4尺 5寸 7分)
裄丈69cm (1尺 8寸 2分) 袖巾34.5cm (9寸 1分)
袖丈49cm (1尺 3寸 0分)
前巾24.5cm (6寸 5分) 後巾30cm (8寸 0分)
※パールトーン加工済み
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈73cm (1尺 9寸 3分) 袖巾37cm (9寸 7分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式・披露宴へのご参列、式典、パーティー、ご挨拶、食事会、音楽鑑賞、観劇など
◆あわせる帯 袋帯、綴れ名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。