◆新古品・中古品は現品限りですので売り切れ次第終了となります。
◆中古品として仕入れてまいりましたが、おおむね美品でございます。
お目に留まりましたらお値打ちに御召くださいませ。
ちょっと珍しいお品。
現代のモダンなデザインを取り入れた、創作性の高い一品。
かの人間国宝【 故:六谷梅軒(六谷紀久男) 】氏の彫刻型で
染め上げられた生地を用い、裂嵌(きりばめ)技法によって
創作された表情豊かな袋帯のご紹介です。
人間国宝・六谷梅軒(本名:六谷紀久男)―
梅軒氏は三重県生まれ。
父と京都の兄(六谷芳方氏)の元で伊勢型紙における
錐彫の技術を習得、昭和14年に独立されました。
その後、昭和17年に着物作家の小宮康助氏の勧めで、
さらに緻密な「極鮫小紋」の研究を開始、その高い技術や
美しい作品が評価され、伊勢型紙錐彫りの技術保持者として
昭和30年に人間国宝の認定を受けられました。
細かな装飾で有名な伊勢型紙の中でも特に緻密で
繊細な模様を得意とし、鮫小紋や通し小紋の秀逸な作品を
数多く残されております。
残念ながら、昭和48年に66歳の若さで死去されましたが、
現在はご子息の六谷博臣氏(二代目六谷梅軒)が
父の遺志をつぎ、活躍されております。
本品はその人間国宝・六谷梅軒氏の型を用いて染め上げた
裂を用い、切嵌の技法にて創作された袋帯でございます。
切嵌め(きりばめ)―
裂嵌は、布地の一部を切り取った後、別裂(べつぎれ)をその形に切り取って
はめ込んだものを言い、高い技術を要します。細かな曲線を縫いつなぐには、
絹糸の縒(よ)りをほどいて1本に裂き、摩擦(まさつ)などで糸が毛羽立つのを
ふせぐため、指に薄い糊をつけてしごき、一針ごとに細かい返し縫いがなされます。
江戸時代に完成された技法で、ちりめん細工の袋物や袱紗(ふくさ)などに
多用されてきた技法でございます。
その裂嵌技法にて…ちりばめられた帯地。
しなやかでさらりとした質感の氷割れを織りだした 苦色(にがいろ:
わずかに緑みがかかった、サンドベージュ系のお色)地をベースに、
菊唐草、蓑亀、笠松などが染め上げられた裂を配して…
色、質感、意匠、様々な表情の裂をバランスよく組み合わせ、
まったく新しい表情の一品として完成させました。
抑えた色彩のお品ですが、裂嵌が存在感のある帯姿を演出します。
落ち着いた彩りは、お着物との相性も良く、重宝いただけることと存じます。
お洒落訪問着、付下げ、色無地、小紋、お召などとあわせて、
他にはない創作性をお楽しみ下さいませ。
お手元でご愛用頂けましたら幸いでございます。
絹100%・金属糸風繊維除く
長さ約4.4m(お仕立て上がり)
柄付け:お太鼓柄
耳の縫製:袋縫い
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 軽い格式のお茶席、お稽古、芸術鑑賞、観劇、ご友人との気軽なお食事 など
◆あわせる着物 洒落訪問着、付下、色無地、小紋、御召 など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。