読谷山花織、首里花織、南風原花織、与那国花織…
「花織」と聞いて思い起こされる織物は多数ございますが、
「知花(ちばな)花織」をご存知の方は、まだ少ないかも知れません。
(近頃では、雑誌「美しいキモノ」でも毎号のように取り上げられておりますので、
お目にされた方もおられるかとは思います。)
それもそのはず、戦時中の様々な要因からで途絶え、
約100年もの間その手技が伝えられることなく、その織物を知る人も、
現存する織物すらなかったという幻の織物が、「知花花織」なのです。
2000年より、失われた染織文化の復元・復興を目的に、
「知花花織」を蘇らせる試みがスタートいたしました。
聞き取り調査やわずかに保存されていたものから調べ、
知花花織による衣裳が用いられていた祭礼も取材。
その間にも2000年12月には「知花花織」3件が沖縄市指定文化財に指定され、
今「知花花織」は、地域独自の染織文化として、
およそ一世紀ぶりに新しい息吹を吹き込まれようとしているのです。
琉球染織のなかでは珍しく、貢納布とされていなかった知花花織。
それはすなわち、王家のためではなくあくまでも自分達のために、
思うがままに織り上げられていたということ。
(五穀豊穣を願う祭礼や芝居の晴れ着として作られていました。)
その特徴は、模様が縦方向に連続して浮く経浮花織(たてうきはなおり)と、
刺繍のように糸が浮く縫取花織(ぬいとりはなおり)。
本品でも、「経糸の浮き上がり」によって文様が表現されておりますから、
読谷山花織などとの明確な違いとしてぜひともご覧いただきたく思います。
さらりとしなやかな地風で織り上げられた帯地。
お色は穏やかな淡黄色と藤色で間道を織りなして…
女性らしさあふれる地色に表現された繊細な花織。
暖かな色彩が知的な印象を与え、優しさと洗練された雰囲気を醸し出します。
規則正しく、それでいてそっと心に響くやわらかなムード。
ひとつひとつの花が心を込めて織られたことがひと目で分かる仕上がり、
ぜひともお手元にてじっくりとご覧いただきたく思います。
今に残されたかつての知花花織は、
琉球藍で染められた紺地に絣や格子柄、
そこに白や赤の浮糸による花模様をあらわすというスタイルでしたが、
現在組合に属する女性を中心とした織り手さんは、
手仕事の原点にこだわりながらも、それぞれが現代にふさわしいデザインを考え、
糸染め・機織り・織り上がりまでの全工程をお一人でこなされます。
それぞれの作品ごとの、織り手さんの感性もお楽しみいただきたく思います。
各地の織りの御着物に素敵にコーディネートいただけますし、
小紋や御召などとのとりあわせもおすすめいたします。
素朴で民芸的ななかにも、かつての織を復活させようとする方々の熱意が感じられ、
それでいてさらりとハイセンスに…本当に魅力的です。
琉球花織に新たな息吹を吹き込む「知花花織」…
その風合いを是非お手元にてご堪能いただきたく存じます。
ぜひ、この機会にご検討下さいませ。
絹100% 長さ3.6~3.7m(お仕立て上がり時)
知花花織事業協同組合の証、沖縄県織物検査済の証、
沖縄県伝統工芸品之証がついております。
製織者:花城美香(手織) 染色:天然染料・化学染料(インド藍・フクギ・イタジイ)
六通柄 おすすめ帯芯:突起毛芯
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
5月下旬~6月、9月~10月上旬の単衣頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません。
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、ランチ、街着、カジュアルなパーティーなど。
◆あわせる着物 色無地、小紋、御召、紬
★名古屋仕立て(税込9,350円※綿芯「突起毛芯」代含む)
胴に巻く部分から手先までを半分に折って縫製された仕立て方です。
お着付けの際に半分に折る必要がないので、楽に着付けることが出来ます。
★開き仕立て(税込12,650円※綿芯「突起毛芯」代含む)
半分に折らずに帯地と帯芯をかがって仕立てます。
胴回りをご自身の好きな巾で結ぶことができます。
★松葉仕立て(税込12,650円※綿芯「突起毛芯」代含む)
手先の部分だけを半分に折って縫製された仕立て方です。
胴回りは折らずに仕立ててあるのでご自身の好きな巾に調節することができ、
かつ手先は半分に折っているので楽に着付けをすることが出来ます。
※開き仕立てと松葉仕立ては縫製の関係上帯芯が見える状態です。
着用時には見えませんので問題はございませんが、気になる方は+2,750円で裏地を付けることもできます。
ご希望の方は、「モス裏地付き」のお仕立てをお申し込み下さい。