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着物の温もりに包まれる霜月 「月々の文様ばなし」vol.8

着物の温もりに包まれる霜月 「月々の文様ばなし」vol.8

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少しずつ人々の動きも活発になり、長い間会えずにいた人たちと再会したり、旅に行ったり、外出する機会も多くなりそうな今年の秋。 日常を取り戻す喜びを、和の装いにこめてお出かけいただければと思います。

2022.09.21

まなぶ

深まる秋を満喫する神無月 「月々の文様ばなし」vol.7

季節の色や文様を纏う悦び

秋の日は釣瓶落とし(つるべおとし)といわれるように、夕方に家々の明かりが灯るのが早くなりました。

秋も本番。

お着物で外出の機会も増えて、さらに羽織やコート、ショールも楽しめる季節ですね。移ろう季節の色や文様を纏う悦びとともに、出かけましょう。

錦繍の主役「紅葉」

霜月の文様「紅葉」

木々が赤や黄色と華やかに彩られる景色は、錦繍にたとえて古くから愛されてきました。

「紅葉」の赤さは、まさに錦繍の主役。一枚一枚の形だけでなく、舞い落ちる様子、里山の風景、川の流れ、垣根の縁など、どこを切りとっても絵になります。

自分だけの紅葉文様を身に纏うのは、この季節ならではの喜びですね。

2021.10.15

まなぶ

御菓子司 亀廣脇 秋を告げる『高雄』の紅葉「和菓子のデザインから」vol.6

羽織にしても素敵な「吹き寄せ」

霜月の文様「吹き寄せ」

秋は木枯らしが吹く季節。さまざまな落ち葉が風に吹かれて寄せ集められた様子を「吹き寄せ」といいます。それを文様にしてしまう昔の人の感性とセンスには感心させられます。

着物や帯によくみられる図案ですが、吹き寄せ小紋を羽織にしてお召しになるのも素敵です。

神の使い「鹿」「有栖川文様」

霜月の文様「鹿」
霜月の文様「有栖川文様」

奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の
声きくときぞ 秋はかなしき

小倉百人一首の中でも有名な一首です。

「鹿」は神の使いとして崇められ、高貴な文様として用いられてきました。

紅葉などと取り合わせた鹿の絵柄には季節感がありますが、名物裂で有名な「有栖川文様」の鹿文は、季節を問わず着装できます。

歌枕で有名な「竜田川」

霜月の文様「竜田川」

文様の呼び名には、歌枕(和歌に詠まれた名所)が題材となっているものがいくつもあり
ます。中でも有名なのが「竜田川」。

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
唐くれないに 水くくるとは

これもよく知られる一首ですね。

紅葉が散って、川面に浮かんで流されてゆく様子を図案化したもので、和装では染めや織りの両方で用いられている、秋を代表する文様のひとつです。

2021.09.29

まなぶ

引き立て合う強さ 〜柄と柄の力学〜 「徒然雨夜話ーつれづれ、あめのよばなしー」第五夜

参拝客で賑わう風物詩「酉の市」

霜月の文様「酉の市」

関東地方などでは年に二回か三回、十一月の酉の日に「酉の市(とりのいち)」が開かれます。

お多福、鶴亀、松竹梅、宝船、七福神に大判小判、的矢に招き猫など、招福の縁起物を寄せ集めた熊手が神社の境内などで売られ、ご利益にあやかろうと熊手を求める参拝客で賑わう風物詩です。

十一月から新年あけるまで用いることができるおめでたい柄として、染め帯などによく描かれています。

秋の深まりとともに、着物の温もりも感じられる霜月。

少しずつ人々の動きも活発になり、長い間会えずにいた人たちと再会したり、旅に行ったり、外出する機会も多くなりそうな今年の秋。

日常を取り戻す喜びを、和の装いにこめてお出かけいただければと思います。

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