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万能着物ヘアスタイルでシンプルエレガンス 「セルフ和髪のいろは~一髪二化粧三衣装」vol.2

実際に簡易版の和髪を結っていきましょう。できる限り難しいポイントをそぎ落とした手法となります。ごくごくシンプルに襟足をすっきりさせたスタイルは、普段着物から礼装にも合わせられる万能ヘア。 和髪らしさのひとつでもある「髪の面のツヤ」が、きっと着姿をグレードアップしてくれますよ。

寒中お見舞い申し上げます。
今年最初のお着物はどのような着物をお召しになられましたでしょうか。
ステイホームのご時世、おうち着物をお楽しみになった方も多いかもしれませんね。

さて、初回のコラムでは主に「和髪にまつわるお話」と「基本構造」および「必要な道具」についてご紹介いたしました。

今回のセルフ和髪

今回は、実際に「簡易版の和髪」を結っていきましょう。
できる限り難しいポイントをそぎ落とした手法で、完成した姿はこんな感じになります。

和髪の完成形

ごくごくシンプルに襟足をすっきりさせたスタイルは、普段に着る着物から夏の浴衣、礼装にも合わせられる万能ヘアです。
和髪らしさのひとつでもある「髪の面のツヤ」が、きっと着姿全体をグレードアップしてくれますよ。

動画と図を用いて解説いたします。
※動画は無音です。

【1】ブロッキング

まずはじめに、下図のように髪を取り分けます。(1-1)

最初はブロッキング

前髪の長い方は、この時前髪にする分も取り分けておいてください。
毛先を巻く場合は、先に巻いてからブロッキングしてくださいね。

【2】土台をつくる

土台用として取り分けた髪をきつく三つ編みします。

やりにくい方は、根本を一度ゴムで結んでしまってから三つ編みしても良いでしょう。(2-1)
三つ編みが苦手な方や髪が少なめの方は、根本をゴムで結び、毛束をねじるだけでも大丈夫です。(2-2)

三つ編み、もしくはねじった毛束を” 平たい渦状” にまとめます

三つ編みもしくはねじった毛束を”平たい渦状”にまとめ、ヘアピンでしっかり留めつけます。(2-3)

ボコッとならないよう「できるかぎり”平たく”整える」のがポイント。
そしてこの時土台がグズグズ動いてしまうようですと後々のくずれに繋がってしまうので、 しっかり留めることも大事なポイントです。

できるかぎり” 平たく” 整えるのがポイント

ピン打ちのコツは「留めたいところの毛流れの向き」です。
「頭皮側の毛流れの向き」に対して「ピンが交わる角度」でないとうまく留まりません。(2-4)

ピン打ちのコツ

できたらスプレーをしっかり吹き付けて、固めます。
このとき衿足の後れ毛をコームの柄でなでつけて、きれいに整えておきましょう。

【3】土台の上側に毛タボを乗せる

頭の巾 ( 耳の後ろ~反対側の後ろまで ) に合わせて楕円形に毛タボを整えます。
私の場合、普段トップ部分用にしている毛タボはこのようなボリューム感です。

厚みはお好みで良いのですが、あまり厚すぎるとエイリアンのようなシルエットになってしまうので注意が必要です。ほどほどに。
ご自身の後頭部の丸みに合わせて調節してください。

そして、楕円の中心を持ってブロッキングしたラインに中心を揃えるように置き、ずれてしまわないように数か所Uピン(大きい方)で留めます。
※Uピンの先は土台まで届かなくて大丈夫です。なんとなく留まっている状態でOK。

【4】上部の髪を下ろして整える

毛タボがずれてしまわないよう片手で押さえながら、上部の髪をすべておろします。
そして、毛タボを覆い隠すように髪の表面だけを櫛ですいていきます。
毛タボまですくってしまわないように注意です!

表面をひと通り整えたら、後ろでひとつに束ねてください。
束ねたら表面にスプレーを吹きかけ、 乾いてしまわないうちに何度も何度も櫛を通して「髪の面」を作っていきます。
こうして櫛のスジをつけていくことを「櫛目を通す」といいます。
面を整えることで仕上がったときのツヤが増すので、特に念入りに整えてください。

面が整ったら、毛束の根本をねじります。
そして根本に指をあて、毛束をらせん状に巻きつけます。
そのままそっと指を抜きながら巻きつけた側と反対側に持って行き、渦になるように置きます。

★こうすることで、毛先が表側に出ずに渦状にすることができます。 後手での作業でで方向が分からなくなりやすいと思いますので、動画の手つきを参考にしてくださいね。

渦ができたら、ヘアピンとUピンで固定します。
この時のピンは表から見えてしまいやすいので、渦の下側をすくい留めるようにしてください。
浮いてしまった毛があったり、ヘアピンで支えきれない箇所があったらUピン(小さい方)を使って補修・補強します。

動画ではとめた個所がわかりにくいかと思います。
下図のようにピンで留めています。

髪が浮くのを抑える

この「渦の固定」は少しコツが必要なので、やりにくい方もいらっしゃると思います。
その場合次のように、襟足にシニヨン状に留めても素敵ですよ。

毛束の根本を目立ちにくいシリコンゴムでまとめ(4-2)、 渦状に巻きつけてピンで留めましょう。(4-3)

目立ちにくいシリコンゴムで留めて
渦状にまとめてピンで留めましょう

渦の固定ができましたでしょうか。
できたらスプレーを吹き付けて固めてください。
そして再度全体にスプレーを吹きかけ、櫛目を通し直してください。

【5】シルエットを整える

全体のシルエットを整えましょう。
コームの柄を使って、髪の面の凹んでしまった部分を優しく引き出します。
この時強く力を入れすぎると崩れてしまうので、無理のない力加減を心がけます。
まとめた渦を手で抑えながら、ボリュームを調節してくださいね。

そしてここで差がつくポイント!
この時に「少しだけ髪が耳にかかる」ようにしてみましょう。
耳が隠れているだけで雰囲気がぐっと柔和になり、大人っぽい見た目にすることができますよ。

【6】前髪を整える

大人っぽくサイドに流すようにするのがおすすめです

大人っぽくサイドに流すようにするのがおすすめです)

前髪は、大人っぽくサイドに流すようにするのがおすすめです。
私の前髪は後ろ髪と同じ長さがありますので、耳の後ろの髪の面の下に毛先を入れ込み、ピンで留めています。

最後に合わせ鏡で全体をチェック。
ところどころ飛び出てしまう細かい毛も、スプレーとコームでなでつけて、徹底的に処理してください。処理しきることで見た目のクオリティが変わってきますので、念入りにチェックしてくださいね!
全体のスプレーが乾いて崩れないことを確認できたら、余分なヘアピンやUピンは抜いてしまってもかまいません。

【7】簪(かんざし)を飾る

きれいにできたら、ぜひ簪(かんざし)を飾りましょう。
ヘアスタイルがシンプルですので、とても簪が映えます。

ヘアスタイルがシンプルなので、より簪が映えるようになります。

最初に作った土台に向かって刺せば、下向きに刺しても留まってくれます。
うなじあたりに添えられた簪はとても大人っぽい印象になります。
バチ型でも玉簪でも、お好きなものをどうぞ。

アンティークの櫛笄を飾るのも素敵ですよ

アンティークの櫛笄(くしこうがい)を飾るのも素敵ですよ!
日本髪が非日常となり櫛笄の出番がなくなって久しいですが、さりげなく挿して”こなれ感”を演出するのもおすすめです。

いかがでしたでしょうか。
衿足がすっきりとした丸いシルエットの和髪は、どんな着物ともよく合います。
和髪の基本要素でもある「面」を重視したスタイル、ぜひトライしてみてくださいね!

和髪の基本要素でもある面を重視したスタイル

みなさまの着姿がさらに素敵なものになりますように。
次回は「抱き合わせ」の部分解説です。どうぞお楽しみに。

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