商品番号:1558031
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
日本の美の精髄を体現した、
まさに芸術品と呼ぶに相応しい一条。
友禅染の第一人者として名を馳せた
重要無形文化財保持者・故 森口華弘氏による
卓越した感性と手技で描かれる逸品のご紹介です。
着物愛好家のみならず、国内外の美術館や蒐集家からも高く評価される氏の作品。
本作は森口氏が手描き友禅で丹念に仕上げた綴れ地のひと品。
名古屋帯はあれど、袋帯となると滅多とございません。
静謐な気品と、心を奪われるような風雅が共存する、
まさに一期一会の逸品。
お目に留まりましたらどうぞご覧下さいませ。
【 お色柄 】
しなやか、かつ張りのある、まろやかなオフホワイトの綴れ地。
その地に手描き友禅により咲き誇る白梅の花々。
その枝ぶりは自然のしなやかさを帯び、紅梅色で表された幹や枝には微細な濃淡が加えられ、
生命の息吹すら感じさせます。
花弁には淡く青みを帯びた陰影と金彩が施され、
儚さの中にも凛とした存在感を宿します。
綴れ地ならではのきめ細かい地は、染めの精度と美しさを際立たせ、
まるで一幅の日本画を纏うかのような趣を醸し出すよう…
春の訪れを告げる梅は、古来より高潔や忍耐を象徴する吉祥文様として知られ、
装いに気品を添えてくれることでしょう。
美術工芸の粋を極めた氏による手描き友禅と、
緻密な綴れ地の織りが見事に融合した本品は、装いに格調高い華を添えるだけでなく、
後世に語り継ぎたい染織文化の証。
時を超えて大切に受け継いでいただきたい、
心に残る逸品です。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
うっすらと畳皺がございますのでお届け前にプレス加工をサービスいたします。
【 森口華弘(重要無形文化財保持者)について 】
本名:森口平七郎
【 生年・認定年・享年 】
1909年(明治42年)12月10日生
1967年(昭和42年)重要無形文化財「友禅」の保持者に認定
2008年(平成20年)2月20日没 98歳
母の従兄である坂田徳三郎の紹介で
友禅師・三代中川華邨に師事し、華邨の紹介で
疋田芳沼に就いて日本画を学ぶ。
※『華弘』の名は師の華邨の作風を広めるという
意味を込めて坂田徳三郎により名付けられた
雅号「華弘」を用いるようになったため
華弘の代表的な技法である「蒔糊(まきのり)」は、
東京国立博物館で目にした江戸時代の撒糊技法が施された
小袖と漆蒔絵の梨子地を元に、江戸時代より伝わる
撒糊技法と漆芸の蒔絵技法を組み合わせる事で着想を得た。
【 経歴 】
1909年 滋賀県野洲郡守山町に生まれる
1924年 中川華邨に友禅を、疋田芳沼に日本画を学ぶ
1939年 1月 京都市中京区衣棚小路に工房を構え独立
1955年 第二回日本伝統工芸展 朝日新聞社賞受賞
1956年 第三回日本伝統工芸展 文化財保護委員会会長賞受賞
1958年 第一回個展開催(東京・以後毎年開催)
1967年 重要無形文化財「友禅」保持者に認定される
1971年 紫綬褒章受章
1974年 京都市文化功労賞受賞
1976年 「友禅-森口華弘撰集」(求龍堂)刊行
1980年 「森口華弘五十年展」
(東京・京都 日本経済新聞社主催)開催
1982年 勲四等旭日小綬章受章
1985年 「友禅・人間国宝 森口華弘展」
(石川県美術館 北陸中日新聞社主催)開催
1986年 「現代染織の美 森口華弘・宗廣力三・志村ふくみ展」
(東京国立近代美術館 日本経済新聞社主催)開催
1987年 「人間国宝・友禅の技 森口華弘展」
(滋賀県立近代美術館 朝日新聞社主催)開催
1994年 京都府文化特別功労賞受賞
1998年 滋賀県守山市の名誉市民第一号の称号を受ける
友禅の伝承・振興でポーラ伝統文化賞受賞
日本工芸会正会員 参与就任
2008年 2月20日 永眠
【 京友禅について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1976年6月2日指定)
京都府知事指定伝統工芸品
京都の伝統工芸品の1つで古来の染色技法を
扇絵師の宮崎友禅斎が大成したもの。
元禄時代に京都で生み出された友禅技法で
日本三大友禅(京友禅、加賀友禅、
江戸(東京)友禅)の1つ。
「糸目糊」という糊を用い、筆で色付けする際に
滲んで色移りすることを防ぐ防染技術が用いられており、
基調の色が決まっておらず、当時の公家や大名好みの
デザインに多彩かつ鮮やかな色合いや金銀箔、刺繍などが
用いられた絢爛豪華、かつひときわ華やかな印象のものが多い。
明治時代には化学染料と糊で色糊を作り
型紙によって友禅模様を写し染める「写し友禅染め」が
友禅染めの中興の祖と称えられる廣瀬治助によって
発明され、「型友禅」として大量生産が可能となった。
量産できるようになった友禅染めは一気に普及し
飛躍的な発展を遂げ、昭和51年6月(1976年)には、
経済産業省指定伝統的工芸品として指定を受け、
現在も世界中から高い評価を得ている。
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.5m
耳の縫製:かがり縫い
お太鼓柄
※関西仕立て
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
お勧めは1月~2月頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、芸術鑑賞、観劇、お食事、行楽など
◆合わせる帯 付下げ、色無地、小紋、織の着物など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。