商品番号:1551100
憧れの極上布…。
新里玲子氏による、宮古上布の八寸名古屋帯をご紹介いたします。
【仕入れ担当 吉岡より】
新里氏らしいふわりとしなやかな織りの風合いと、
独特の趣味性を感じさせる彩りの構成美に惹かれ
仕入れてまいりました!
永い歴史を持ちながら…
存続が危ぶまれて久しい幻の織物、宮古上布。
着物好きが「いつかは」と憧れる、織りの宝でございます。
宮古には、「宮古織り」「宮古麻織」「宮古苧麻布」「宮古上布」があります。
生地端に名前が織り込まれますが、それぞれ素材が異なってまいります。
「宮古織り」 → 経糸:木綿 緯糸:ラミー(縞模様中心)
「宮古麻織」 → 経・緯糸:ラミー(縞模様中心)
「宮古苧麻布」 → 経糸:ラミー 緯糸:手績み苧麻糸(ブー)
「宮古上布」 → 経・緯糸:手績み苧麻糸(ブー)100%
※ラミー=機械で紡績した麻糸
今回ご紹介のお品は、手績みの苧麻糸100%の、紛れもない「宮古上布」。
宮古上布に生涯を捧げる新里玲子さんによって、心を込めて創作されました。
夏の帯姿に、これ以上のものはございません。
お洒落帯としましては、まさに究極のお品と言えましょう。
新里玲子さんファンの方に、ぜひお届けさせていただきたい工芸品です。
芋麻を育てるところからこだわって織り上げられた上布です。
末長く大切にご愛用いただければと願い、心を込めてお届けいたします。
【色・柄】
ザックリとしてハリのある手績みの苧麻糸は、
コチニール、藍、槐(えんじゅ)を用いた草木染によって
穏やかな赤をベースに黄色や緑、青の濃淡に染められ、
秋の訪れにも思いを馳せるような穏やかな縞柄が織り上げられました。
シンプルでありながら、お洒落なお品でございます。
伝統の軸を守りつつ、これまでのイメージを一掃する斬新なデザイン。
豊かな風合いと優しいお色は、本当に、飽きることがございません。
激減する創作数。
織り手や苧麻績み者が高齢になり、原料である苧麻(ブー)が足りないこと、
また高度な技術を習得するのに長い年月がかかり、
若い技術者が育ちにくいということなどがあるようです。
貢納布としての厳しい歴史、生業としての宮古上布づくりのの難しさ。
職人の死亡や高齢化によって、年々「幻」となっていくその織技。
宮古上布だけを織っていては生活できない状況と言われております。
心を込めて創作されたものであることを感じ取っていただければと思います。
【新里玲子氏について】
新里玲子さんは宮古上布に魅せられてキャビンアテンダントから転身、
試行錯誤を繰り返し「自分の感性を活かしたものづくり」を心に、
お一人で絣を手で括り、糸は草木で染め、
それを織り上げてゆくという姿勢で美しい上布作りをされておられます。
新里玲子さんの作品は組合を通りませんので、
宮古織物事業協同組合の証紙はつきませんが、
宮古上布といえば真っ先に名の挙がる有名作家さんでございます。
いわゆる宮古のカーボン紙のような薄さというよりは、
よく「おおらかな」と称される、手績みの味わい豊かな糸使いが特徴です。
その洗練された意匠デザインに有名専門店などでも高い人気を博しておられます。
【 宮古上布について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1975年2月17日指定)
文部科学大臣指定重要無形文化財(1978年4月26日指定)
2003年には宮古上布の原料となる苧麻糸の製造技術である
「苧麻糸手績み」が国の選定保存技術に選定された。
沖縄県宮古島市の宮古島で生産される、イラクサ科の
多年草である苧麻(ちょま:標準和名はカラムシ)の
茎の表皮の繊維から作った糸を主原料とする麻織物。
手績みの苧麻糸を経緯に用い、高機で製織される。
風当たりのない陽当たりの良い場所に植え、
有機肥料のみを与えて育てた苧麻を茎の根元からから刈り、
表皮を剥いで表皮の裏側にアワビの貝殻(ミミ貝)を
当ててしごいて繊維のみを採取。
採取した苧麻の繊維(生ブー)を指や爪で細く裂き、
結び目をつくらずに指先で撚りつなぐ手績みによって
経緯の糸を得る。
経糸は2本撚り、緯糸は1本撚りでそれぞれ専門化されており、
撚りつないだ糸は10算(ヨミ)くらいになると(長さにして
6000m)糸車で撚りかけをして仕上げる。
着尺1反分に必要となる糸は50算で、経、緯それぞれ
専門の績み手が1人で績むと半年を要する。
「東の越後、西の宮古」と呼ばれ、日本を代表する
上布である。
宮古上布の発祥は苧麻の原料に染色を施し、長さ11.4m、
幅40cm、19ヨミの綾錆布と呼ばれる細目布で大名縞の
紺細上布であった。
後に、この麻織物と同じ技術で織り上げた織物を
宮古上布と呼び、以後二十数年間琉球王府へ献上された。
大正時代には高機等の大島紬の技術も導入され、
この時代に宮古上布は歴代で最高の技術を誇る。
その生産が第二次世界大戦により一時中断されたものの、
1948年には再開。戦後の生産量は1952年の2064反をピークに
減少を続け、2002年には10反にまで落ちこんだが、2006年には
約20反まで回復した。
現在の宮古上布は年間生産反数約20反で組合員は92名(H21年9月時点)
2000年に宮古織物事業協同組合が新規格を設け、これまでの
十字絣紺上布だけでなく草木染や太い苧麻糸を使った帯地なども
宮古上布に加え、組合において検査を実施し検査証の添付を行っている。
手績み芋麻100% 長さ約3.6~3.7m(お仕立て上がり時)
新里玲子氏オリジナルの証紙がついております。
(※組合を通りませんので、宮古織物事業協同組合の証紙はつきません。)
◆最適な着用時期 6月下旬~9月上旬の盛夏
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 観劇、お食事会、街着、ランチなど
◆あわせる着物 紗紬、麻きもの、自然布、夏御召、夏大島
※帯地の特性上、手縫い仕立てのみとさせて頂きます。
また撥水加工はおすすめしておりません。
★名古屋仕立て(税込13,750円※帯芯代含む)
胴に巻く部分から手先までを半分に折って縫製された仕立て方です。
お着付けの際に半分に折る必要がないので、楽に着付けることが出来ます。
★開き仕立て(税込17,050円※帯芯代含む)
半分に折らずに帯地と帯芯をかがって仕立てます。
胴回りをご自身の好きな巾で結ぶことができます。
★松葉仕立て(税込17,050円※帯芯代含む)
手先の部分だけを半分に折って縫製された仕立て方です。
胴回りは折らずに仕立ててあるのでご自身の好きな巾に調節することができ、
かつ手先は半分に折っているので楽に着付けをすることが出来ます。
※開き仕立てと松葉仕立ては縫製の関係上帯芯が見える状態ですが、
裏地は付けないことをおすすめ致します。