商品番号:1547310
(税込)
【 仕入れ担当 中村より 】
古代織の再興に努め、
「経錦」と「羅」の二つにおいて重要無形文化財保持者、
いわゆる人間国宝の認定を受けている北村武資氏。
残念ながら2022年3月31日、その実り多き人生に幕を下ろされました。
そんな折、偶然にも氏のお着物を仕入れる機会がございました。
氏が創るお着物は生地端に落款が織り込まれますが、
本品は残布がない状態で入荷しておりますが、
経錦の組織、過去の掲載の合ったお品であり、
氏の作品と判断としております。
そしてこの色柄…。
次のご紹介がいつになるかわかりません。
今回は【 誉田屋源兵衛 】より、ボリュームある
天鵞絨(ビロード)袋帯とのコーディネートセットをご紹介。
何卒お見逃しなきようお願い申し上げます。
【 お色柄 】
[着物]
ほのかに節を感じる…その手触りは本当にしなやか…
穏やかな湊鼠色を基調として、
大変細やかに織り上げられた美しい菱繋文様。
シンプルながら現代の空間に溶け合う…立体感ある表情。
最小限の色使いで創作されておりますので、合わせていただく帯の地色も選ばず重宝していただけることでしょう。
[帯]
薄手でハリのある黒柿(くろがき:くすみの強い
暗紫色系の色)の帯地に、凛とした黒の総ビロードと
金銀糸によるダイナミックな瀧のお柄が迫力ある
構図で織りだされております。
【 商品の状態 】
帯は着用済のお品として仕入れてまいりましたが、
僅かに着用跡、たたみジワがある程度で、
すぐにお使いいただける状態でございます。
お手元で現品をご確認の上、存分にご活用くださいませ。
【 天鵞絨織(輪奈ビロード)について 】
ポルトガル語が語源
別名モール織とも呼ばれる。
布の表面が毛羽・輪奈(わな)でおおわれた
滑らかな感触の弾力がある添毛織物のこと。
経糸に地組織を作る地経と、数種の色で輪奈
(文様の輪状の部分)を創る経の2種類を用意し、
それぞれ別の経巻具に巻き、輪奈の長さにより経を加減、
地経より長くして平織りで経糸を織り入れてから輪奈の
経を引き上げ、仮に針金(太い糸)を通し入れて
再び緯糸を織り入れと、これを繰り返して最後に
針金(太い糸)を引き抜くことで輪奈独特の
ループ状の組織とする。
その針金上の経糸をナイフで切り、毛羽をつくったものが
天鵞絨(ビロード)で、輪奈の経を毛羽経と呼ばれる。
【 誉田屋源兵衛について 】
1738年(元文年間)創業
京都室町の帯の製造販売の老舗。
現在は十代目である山口源兵衛が、代々受け継がれてきた
技術とともに革新の精神を持って意匠、配色、素材、
一切の妥協を許さず、洗練された帯を作り続けている。
【 沿革 】
1738年 初代矢代庄五郎により、南矢代誉田屋創業、
西陣大火災後の復興に尽力。
1868年 6代目矢代庄五郎より、京都松尾出身の
山口源兵衛が7代目を継承。初代誉田屋源兵衛を名乗る。
西陣帯地大元卸商として「横綱」の称号を得る。
1917年 7代目誉田屋源兵衛没、8代目誉田屋源兵衛襲名、継承。
1933年 8代目誉田屋源兵衛没。9代目誉田屋源兵衛襲名、継承。
1981年 9代目誉田屋源兵衛没、現10代目誉田屋源兵衛襲名、継承。
後、帯作りに専念。
1985年 全国の原始布を素材として個展を開催。
以後、インド、東南アジアの野蚕糸を帯に用いる。
1994年 京都六条の江戸末期の町屋にて創業260周年展。
1999年 「京都誉田屋源兵衛帯ときもの展」開催。
2000年 「誉田屋源兵衛 織りの帯展」開催。
2002年 小石丸企画に対して日経MJ賞受賞。
日本の原種の繭である小石丸の復活と継続、
日本の染色技術の活性化に努める。
2003年 日本文化デザイン大賞受賞。
【 北村武資(重要無形文化財保持者)について 】
【 生年・認定年 】
1935年(昭和10年)8月18日生。
1995年(平成7年)重要無形文化財保持者「羅」保持者に認定
2000年(平成12年)重要無形文化財保持者「経錦」保持者に認定
2022年(令和4年)3月31日没 享年86歳
早くに父を亡くし、15歳から西陣の機屋に働きに出て、
そこで基本となる技術を習得、1959年には
初代・龍村平蔵の織の世界を継承する
龍村美術織物に入社。
1960年に京都市北区紫野に小さな機場を借りて
独立後は『織とはなにか』を研究、高度な製織技術を
精力的に探求し、裂の復元や再現、織の技術の発展に
尽力している。
【 略歴 】
1951年 京都西陣で織物業に従事
1962年 法衣金襴制作技術者として独立
1965年 第12回日本伝統工芸展入選
1968年 第15回日本伝統工芸展 NHK会長賞受賞・日本工芸会正会員
1971年 京都国立近代美術館「染織の新世代展」
1983年 「亀甲花葉文経錦」文化庁買上
1987年 「忍冬花文羅」京都府立総合資料館買上
1990年 京都府指定無形文化財保持者「羅」「経錦」認定
MOA美術館岡田茂吉賞工芸部門大賞受賞・日本工芸会理事
1994年 第41回日本伝統工芸展 日本工芸会保持者賞受賞
1995年 重要無形文化財保持者「羅」認定
日本伝統工芸展等の鑑・審査員を歴任[2]
1996年 紫綬褒章受章
2000年 重要無形文化財保持者「経錦」認定
2005年 旭日中綬章受章
2022年 3月31日没 享年86歳
[着物]
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
◆八掛の色:共色
※ガード加工済
[帯]
絹100%・金属糸風繊維除く
長さ4.35m(お仕立て上がり)
柄付け:六通柄
耳の縫製:かがり縫い
※ビロードの性質上、毛羽立ち、毛流れのくせ、お色の濃淡がございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
身丈(背より) | 157cm (適応身長162cm~152cm) (4尺1寸4分) |
---|---|
裄丈 | 64cm(1尺6寸9分) |
袖巾 | 32.5cm(0尺8寸6分) |
袖丈 | 49cm(1尺2寸9分) |
前巾 | 24cm(6寸3分) |
後巾 | 29.5cm(7寸8分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈70cm(1尺8寸5分) 袖巾36cm(9寸5分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、お食事、芸術鑑賞、観劇、お出かけ、趣味のお集まりなど
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。
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