商品番号:1534056
(税込)
【 仕入れ担当 渡辺より 】
飾らず、こびず、しなやかに。
琉球の『王府の布』と呼ばれた、首里織…
その名を広めた第一人者、人間国宝【 故:宮平初子 】氏による
首里花織の名古屋帯のご紹介です。
高度な首里織の七技法を伝承された稀有な存在…
戦後、柳宗悦らによって見出された、天才的な織の才能。
初子氏は大正11年、古き良き王府時代の風情が残る首里の生まれ。
幼少期より、織物に関わることに深い関心を持ち、
好奇心旺盛で蚕と間違えて桑の葉で虫を育てて
遊んでいたというエピソードも。
母親や祖母の糸紡ぎや機織り、織り上がった布を見て
自然に首里の織物がどのようなものかを知り…
「首里の着倒れ」といわれた首里人気質なのか、
子供ながらも着物はこの世で一番大切なものと考えられていたそうです。
その後、首里の女性の最高のたしなみとされた織物を学ぼうと
県立女子工芸学校に進学、卒業後、沖縄の工芸調査に訪れた
柳宗悦・柳悦孝氏らの縁により、研修に赴いた日本民藝館で
多くの人々と交流、技術や心構えなど影響を受けられました。
織物に対する飽くなき探究心と情熱。
戦時中―
廃墟の中からパラシュートを拾って紐をほどきネクタイを織るほど、
寸暇を惜しんで機織りをつづけ…
琉球王朝の格調高い織物であった首里織の復興と後継者の
育成に尽力し、一心に織に愛情と情熱を傾けられました。
模様に込められた想いや、織り上がった喜びを琉歌に詠む。
技術だけではなく、お召しになられる方の幸福を願って織る。
そうしてこつこつと尽力された功績により、昭和49年には、
以下の7つの技法で、故:大城志津子氏と共に
沖縄県指定無形文化財保持者の認定を受けられました。
首里花織(ハナウイ)
道屯(ロートン)織
花倉織(ムルドゥッチリ)
手縞(てじま)
煮綛(ニーガシ)芭蕉
花織手巾(ティサジ)
次いで平成10年、
国指定重要無形文化財「首里の織物」保持者(人間国宝)に認定。
今に至るまで、首里織のみならず、
多くの染織作家や職人が神様のように畏敬の念を抱き、初子氏に導かれ、
染織の世界に魅入られた人間のなんと多いことか…
その初子氏による花織の作品でございます。
【 お色柄 】
細い糸を用い、独特のシャリ感ある地風に織りだされた
落ち着いた濃辛子色の紬地に、くすんだアースカラーの
彩りで抽象的な花織のお柄が横段状に織りだされております。
【 商品の状態 】
着用済のお品として仕入れてまいりましたので
着用シワやたたみジワがございますが、着用時に
気になるような汚れなどはございません。
お手元で現品をご確認の上、存分にご活用くださいませ。
※宮平初子氏の織り込みと落款を確認するため、
三角の内側のお仕立てが一部ほどかれております。
お届け前に口閉じをさせていただきますので、
お届けまで1週間前後頂戴いたします。
【 宮平初子(重要無形文化財保持者)について 】
【 生年・認定年・享年 】
1922年(大正11年)11月6日生まれ
1998年(平成10年) 重要無形文化財「首里の織物」の保持者に認定。
2022年(年) 3月7日没。老衰のため死去、99歳
首里織の第一人者
工芸や染色技術を学ぶ沖縄県立女子工芸学校で、
泉川澄や森田孟照に師事して首里織の技法や
デザイン力を体得。
卒業後は上京して染織家の柳悦孝の工房で染色を
学んだ後1941年に沖縄へ帰郷。
母校で織物や染物の技術指導をする傍ら自らも
首里織の研究を続けた。
しかし、第二次世界大戦により首里織は衰退。
後に民藝運動家の柳宗悦らに出会い、資料をもとに
首里織復興に向け尽力した。
1970年に「宮平織物工房」を首里開設し、
その技術継承と技術者の育成に努めた。
1975年に労働大臣賞卓越技能賞、1981年に黄綬褒章、
1985年に通産産業大臣賞など数々の賞を受賞。
1974年に沖縄県指定無形文化財「本場首里の織物」保持者、
1998年に重要無形文化財「首里の織物」の保持者
(人間国宝)に認定された。
【 経歴 】
1922年 沖縄県に生まれる
1939年 沖縄県立女子工芸学校を卒業後、
財団法人 日本民藝館と柳悦孝染織研究所に入所
1958年 琉球政府中央局農業研究指導所勤務のかたわら
絹加工、花織、花倉、道頓などの技術改良研究、
植物染料の試験研究に従事
1970年 日本民藝館展 日本民藝館賞受賞
宮平染織工房を設立
1973年 第7回沖縄タイムス芸術選賞 大賞受賞
1974年 沖縄県指定無形文化財保持者「本場首里の織物」認定
1975年 労働大臣賞受賞
1976年 国画会会員
那覇伝統織物協同組合理事長
1981年 黄綬褒章受賞
1984年 伝統文化ポーラ特賞受賞
1992年 ダイヤモンドレディ賞受賞
1998年 重要無形文化財保持者「首里の織物」認定
2000年 勲四等宝冠章受章
2022年 3月7日没 99歳
絹100%
長さ約3.72m(お仕立て上がり)
柄付け:お太鼓柄
※素材の性質上、フシによる凹凸組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お稽古、芸術鑑賞、ご友人との気軽なお食事、街歩き など
◆あわせる着物 小紋、織のお着物 など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワがついております。この点をご了解くださいませ。
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