商品番号:1375191
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【 仕入れ担当 田渕より 】
美術織物の祖、龍村平蔵。
古代織物の研究、及びそれを基盤とする織物美術創作の伝統を受け継ぎ、
世界的に認められる作品を世に送り出した氏の作品の中から、
大変希少な掛額を見つけて参りました…
初代・龍村平蔵氏の六男である三代・龍村平蔵(元)氏による
十二支を織り描いた連作、『干支の錦』シリーズをご紹介致します。
初代より連綿と受け継がれてきた技を美術品としてお届けさせていただきます。
ご贈答用として、またご自身のコレクションの一つとして…
真の平蔵ファンの方は是非ともお見逃しなきようにお願いいたします。
【 お色柄 】
微かに煌めく白茶色の錦地。
その上に織り込まれていますのは、「エジプト壁画文錦」と題されたお柄。
人が農耕の為に大地に鍬を入れた時に、最初に遭遇するのは冬眠中の両棲類の蛙や爬虫類の蛇たちでした。
穀物が実る、果実がなるといった生命力の不思議さをこれらの生物のもつ力と考えて、彼らの姿に神秘的な豊饒力があると思いついたのです。
神聖視されて王権や神権を象徴するのに宝冠の前立ち装飾にも用いられました。
蛇が黄金や財宝を守る力があるとする考えは、世界の各地で古くから信じられてきましたが、
エジプトでも人々の生命、財産、家系を守護し幸福を招くと考えられてきました。
本品も繁栄と吉祥幸福の招来を願って表現しております。
エジプト、ナイル河流域、テーベ王妃の谷の遺跡にある壁画から取材したもので、
聖蛇の王冠をつけたラムセス三世がイシス神に抱かれている微笑ましい情景であります。
その図柄に彩りと織技をもって趣向をこらし、華麗な錦に織りなしました。
美しいコントラストを見せる彩りが、
独特の世界観を表現し、さりげなく龍村らしさを伝えてくれます。
一色一色、微妙なお色の変化までもを、織のみであらわす美。
歴史に根付いた美的感性を文様として構成し、
そこに高い織りの技術が加わり、初代から脈々と受け継がれた美術織物へのこだわりが、
その意匠の中にはございます。
【 商品の状態 】
掛額として仕入れましたが、額に破損があり額無しの状態となります。
ご了承下さいませ。
【 初代・龍村平蔵(号・光波)について 】
染織工芸作家
伝統的な西陣にあって、常に斬新な発想と
革新的な技法の習得により新境地を切り開いた名匠。
奈良県の正倉院に収蔵されている正倉院裂の
復元の第一人者。
生涯で70種もの日本の宝物の復元に成功した。
【 経歴 】
1876年に大阪の両替屋の豪商の家に生まれる。
16歳のときに祖父が死去し、それを機に家業を継ぐ。
1894年には18歳で織元として独立、その後1906年に
京都で龍村織物製織所を設立。
当初は販売に従事していたが、徐々に織物の技術に
興味を持ち、研究を開始。
研究の結果、帯に奥行きと彩りを与えた
高浪織(たかなみおり)や、意匠に立体感を出すため
糸に凹凸を持たせる纐纈織(こうけちおり)などの
数々の技術を生み出し特許を取得。
後、苦心して開発した織技法が次々と同業者に
模倣された事で古代裂の復元研究に没頭。
「どんな複雑な組織の織物も、経糸と緯糸によって
構成された、理屈で割り切れる偶数の世界」ととらえ、
「美」という3つ目の要素を加える事で織物を芸術という
高みに押し上げた。
1956年には染織工芸界の新たな可能性を切り開いた
数々の業績に対し、80歳にして日本芸術恩賜賞を受賞。
1962年 没、享年86歳。
龍村平蔵の子息は
謙・晋・徳・元の4人
このうち謙が二代龍村平蔵(号・光翔)、
元が三代目平蔵(龍村美術織物経営)。
現在は龍村旻が龍村美術織物を経営、
2006年4月に四代目龍村平蔵を襲名
錦地:絹100%(金属糸風繊維除く)
縦57cm 横52cm 奥行き約2.5cm
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