【藤村建雄作】 伝統的工芸品 本加賀友禅特選訪問着 「花水木小枝散し」 春香る…絵画のような一枚。

美しい…
思わず、ため息がこぼれます。
明るさを込めたそのお色、しとやかな気品。
よきものをお探しの方に、自信を持っておすすめいたします。
本加賀友禅作家、藤村建雄氏による作品です。

はんなりと美しく、それでいてひと目で心奪われる「逸品」の風格。
上等な濱ちりめん地を厳選し、淡く品良い桜色に染め上げました。
上前に、肩に…ふうわりとしたクリーム色のぼかしをあしらい、
やんわりと匂やかに、花幻の世界が表現されました。

花水木小枝散し―
こう銘打たれた創作品。
そっと吹き抜ける風に遊ぶような小枝に…
藤村氏らしい独特の「かたち」で、匂やかに咲きこぼれる花水木。
それは、瞬間の美しさ。
美しく咲く花も時が来れば舞い散ってゆくもの。
とどめることは何人にもできず…
自然美の世界を、優しい視線で表現しきった作品でございます。
写実と抽象が交じり合った、独特の感性をご覧いただきたく思います。

加賀友禅は　京友禅が流麗な集合配列模様であるのに対し、
落ち着きのある写実的な草花模様を中心とした絵画調の柄を特徴としております。
それは加賀の武家文化、京の公家文化、それぞれの社会背景に与えられたことによると考えられております。
絵画調の柄を特徴とする加賀友禅は写実性を強めるため、
白上がりの線の太し細しの変化が装飾効果も高めています。
ボカシや虫食いの技法もよく使われ、京友禅が内側から外側にぼかして行くのに対し、
加賀友禅は逆に外側から内側に向かってぼかして行くのが特徴になります。
主な工程だけで9つ。
その全ての過程で熟練の技術が求められ、大変高い価値をもった、
日本を代表する伝統工芸品でございます。

衣桁にかけて見やれば…
まるで絵画のようでございます。
そのしなやかさは、今にも動き出しそうな臨場感。
高い高い完成度を、美しい着姿にご堪能いただきたく思います。

結婚式のお呼ばれや結納、お宮参り、挨拶回り、入学式などのお慶びの席はもとより、
どのような場に出られても恥ずかしくない、素晴らしい出来栄えのお品です。
しとやかで気品のある中に　独特のムードをお楽しみください。
お顔うつりの良いお色は、幅広い年代の方にお役立ていただけることでしょう。

美しい構図、意匠バランス、心に迫る感性。
これだけの作品です。
末永くご愛顧いただければと願ってやみません。
京都室町より、心を込めてお届けいたします。

【　加賀友禅について　】
経済産業大臣指定伝統的工芸品（1975年5月10日指定）
石川県指定無形文化財

京友禅・東京友禅と並ぶ、三大友禅のひとつ。
現在は登録された作家により、加賀五彩といわれる
藍・えんじ・黄土・草・古代紫の加賀五彩を基に
糸目友禅のみで仕上げられる。

バイヤー
中村 浩二

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